マネースクエア マーケット情報

【アップデート】追撃介入(?)後の米ドル/円の行方

2024/05/02 09:10

以下では、本日午前6時20分に配信した「追撃『円買い』介入!? FOMCは・・」をアップデートし、米ドル/円の行方を考察しました。

米ドル/円については、本日のテクニカル・ポイント「米ドル/円、一時152円台まで下落!週末・週初の断続的介入に要警戒!?」もご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

*******
日本時間本日午前5時過ぎにドル売り円買いの為替介入が実施されたとみられ、米ドル/円は157円台ミドルから一時153円割れまで下落しました。

米ドル/円はその後155円台ミドルまで上昇、半値戻しを達成しています。為替介入後に比較的短期間(短時間)で半値戻しを達成したのは、22年9-10月の3回の為替介入後も同じでした。

では、全値戻しはどうか。
22年9月のケースでは全値戻しまで19日間。同10月の2回のケースでは、米利上げ観測の後退というファンダメンタルズの変化を伴ったこともあり、全値戻しは約1年~1年半後でした。

■22年9-10月の為替介入前後の状況は、1日付け「為替介入の有効期間 160円再トライは??」をご覧ください。

為替介入が始まったとみられる157円台ミドルの水準まで米ドル/円がすぐに戻せば、さすがに本邦当局も見過ごせないでしょう。したがって、当面は157-158円のレンジが米ドル/円の上限になるかもしれません。

もっとも、米ドル/円のその水準での滞空時間が長くなり、さらに日米金利差(見通し)というファンダメンタルズに変化がないなら、あるいは米ドル優位の方向に変化するなら、米ドル/円は上を目指すことになるかもしれません。その場合は、160円が視野に入る可能性があります。

目先的には157-158円を意識しつつ、3日の4月米雇用統計が金融政策見通しを変化させるかに注目でしょう。FOMC後のパウエル議長の記者会見では、米労働市場の重要性が強調されました。仮に、雇用統計が弱く、利下げ観測が強まるようであれば、その後の経済統計次第ではあるものの、米ドル/円は徐々に上値を切り下げるかもしれません。

なお、1日発表の4月ADP雇用は前月比19.2万人増(←市場予想18.3万人増)。3月JOLT(労働動態調査)の求人数は848.8万人とやや弱め(←市場予想868.0万人)。他方、4月ISM製造業景況指数は49.2と、17カ月ぶりに50超となった前月(50.3)から低下。同価格指数は60.9と、22年7月以来の水準まで上昇しました。

いずれにせよ、日本は明日3日から4連休。本日も含めてこの間の状況変化には要注意でしょう。

※GW(大型連休)後半のファンダメ・ポイントの配信予定は以下の通りです。
3日 通常通り
4日(ないし3日夜)米雇用統計
6日 未定(休載の可能性あり)
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ