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米経済指標や植田総裁発言、全人代に注目

2024/03/05 08:45

【ポイント】
ISM非製造業景況指数が市場予想を上回れば、米ドルが堅調に推移しそう
・植田日銀総裁は金融政策の先行きについての手掛かりを提供するか
・中国の全人代では、どのような景気刺激策が打ち出されるか

(欧米市場レビュー)

4日の欧米時間の外為市場では、が軟調に推移。一時、米ドル/円は150.524円、ユーロ/円は163.499円、英ポンド/円は191.129円、豪ドル/円は97.789円へと上昇しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)上昇に支えられて米ドル/円が上昇し、対米ドルでの円売りが対ユーロなど他通貨にも波及したと考えられます。

ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演し、市場の利下げ観測をけん制しました。※詳しくは、本日5日の『ファンダメ・ポイント』[FRBは利下げ観測をけん制!? パウエル議長は何を語る?]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の2月のISM非製造業景況指数が発表されます(日本時間24:00)。ISM非製造業景況指数の市場予想は、53.0と、前月の53.4から低下するものの、景況判断の分かれ目である50を14カ月連続で上回るとみられています。市場予想を上回る結果になれば、米景気の先行きに対して楽観的な見方が強まるとともに、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下落する可能性があります。米ドル/150.840(2/13高値)、米ドル/カナダドル1.36212カナダドル(23/11/30高値)が目先の上値メドです。

本日、植田日銀総裁がFIN/SUM(フィンサム)2024においてあいさつします(日本時間13時頃)。

植田総裁は2月29日に2%の物価目標について「まだそこまで(目標達成が見通せる状況)には至っていない」との認識を示しました。また、「(今年の春闘の結果が)ある程度まとまって出てくるのは、3月以降」としたうえで、「賃金・物価の好循環に関する(その他の)情報も合わせて各政策会合で(政策の修正を)議論する」と述べました。

植田総裁が本日のあいさつで日銀の金融政策の先行きについて新たな手掛かりを提供すれば、材料になりそうです。

中国では全人代(全国人民代表大会)が本日から始まります(11日まで)。初日である本日は、李強首相が政府活動報告を行い、24年の経済成長率目標を示すとみられます。成長率目標は23年と同じ「5%前後」に設定されると予想されています。また全人代では、減速する経済を支えるため、どのような景気刺激策が打ち出されるのか?も注目されています。中国景気の先行きへの懸念が市場で後退する場合、豪ドルの支援材料になりそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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