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FRBは利下げ観測をけん制!? パウエル議長は何を語る?

2024/03/05 08:16

【ポイント】
・ボスティック・アトランタ連銀総裁は7-9月期の1回の利下げを予想
・市場の利下げ観測けん制はFOMCの総意か
・パウエル議長は議会証言で何を語るか
・FOMC参加者のハトタカ度

パウエルFRB議長は6日に下院金融サービス委員会で、7日に上院銀行委員会でそれぞれ半年に一度の議会証言を行います。パウエル議長は、秋の選挙を前に景気堅調持続のために利下げを求める民主党、銀行の規制強化案の撤回を求める共和党の双方から強い圧力を受けそうだとの報道もあります。

パウエル議長は、性急な利下げがインフレ再燃のリスクをもたらすこと、そして銀行規制が金融市場の安定に寄与し、景気にプラスとなることを粘り強く説明することになりそうです。

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パウエル議長の議会証言に先駆けて、ボスティック・アトランタ連銀総裁が市場の過度な(?)利下げ期待をけん制しました。ボスティック総裁は、今年7-9月期に利下げを開始するのが適切であり、その次の会合では影響を見極めるために利下げを行わないとの見通しを示し、「利下げは連続したものにならないだろう」と説明しました。

また、ボスティック総裁はアトランタ連銀のHPに掲載したコメントで、企業間に高揚感がまん延していると指摘、利下げによって新たな需要が「爆発的に」生まれ、それが物価上昇圧力を高めることを懸念しているとしました。

ボスティック総裁は比較的早い段階から利上げ打ち止めを支持しており、ハト派と判断できます。その総裁が市場の利下げ観測をけん制した意味合いは大きいかもしれません。

このところ、タカ派だけでなく、ハト派と目されるFOMC参加者も利下げに対して慎重な発言をしています。各個人の見解というよりも、FOMC全体のメッセージと受け取るべきかもしれません。

FOMCハトタカ度

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3月19-20日のFOMCを前に来週はブラックアウト期間に入るため、FOMC関係者が金融政策について語るのは今週いっぱいとなりそうです。(以下は日本時間)

6日02:00 バー副議長(銀行規制関連)
6日04:15 バー副議長(同上)
7日00:00 パウエル議長(下院金融サービス委員会で証言)
7日02:00 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁(地域金融関連)
7日06:15 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(WSJ紙主催コンファレンス)
8日00:00 パウエル議長(上院銀行委員会で証言)
8日01:30 メスター・クリーブランド連銀総裁(経済見通しに関する講演)
8日21:00 ウイリアムズNY連銀総裁(ロンドンで討論会)
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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