カナダCPI発表! カナダドルが反応しそう
2023/11/21 08:50
【ポイント】
・米国の長期金利は一段と低下するか
・カナダCPIでBOCの利下げ観測が高まるか
(欧米市場レビュー)
20日の欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は148.081円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.09465ドル、英ポンド/米ドルは1.25143ドル、豪ドル/米ドルは0.65594米ドルへと上昇。米ドル/円は1カ月半ぶりの安値を記録し、ユーロ/米ドルと豪ドル/米ドルは約3カ月ぶり、英ポンド/米ドルは約2カ月ぶりの高値をつけました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下したことが、米ドルへの下押し圧力となりました。
(本日の相場見通し)
本日は引き続き、米国の長期金利の動向が材料になりそうです。米長期金利は20日のNY市場を4.42%で終え、終値としては約2カ月ぶりの低い水準をつけました。米長期金利が一段と低下すれば、米ドルが軟調に推移して、米ドル/円は下落し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルは上昇しそうです。米ドル/円は、147.581円(10/3安値)が目先の下値メドです。
FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表されます(日本時間22日午前4時)。議事録が市場の金融政策見通しを変化させる内容になれば、材料になりそうです。
※本日の『ファンダメ・ポイント』は、[FOMC議事録プレビュー]です。
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カナダの9月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間22:30)。
CPIの総合指数の市場予想は前年比3.2%と、BOC(カナダ中銀)のインフレ目標(2%を中心に1~3%のレンジ)を引き続き上回るものの、上昇率は8月の3.8%から鈍化するとみられています。BOCはまた、CPIのコア指数としてトリム平均値と加重中央値を注視しており、これらの結果にも注目です。9月のトリム平均値は前年比3.7%、加重中央値は同3.8%でした(10月の市場予想なし)。
BOCは、前回10月25日の政策会合で政策金利を5.00%に据え置くことを決定。その時の声明では「必要なら政策金利をさらに引き上げる用意がある」としました。声明は一方で、「一連の指標は、(カナダ)経済の需要と供給が均衡に近づきつつあることを示唆している」と指摘。マックレムBOC総裁は10月26日のラジオインタビューで「(カナダの)景気はもはや過熱していない。インフレがBOCの予想通りに低下すれば、さらに利上げを行う必要はないだろう」と述べました。
市場では、BOCの利上げサイクルはすでに終了し、次の一手は利下げになるとの見方が大勢。早ければ24年4月に利下げが行われるとの観測があります。
本日発表のCPIが市場予想を下回るなどして利下げ観測が高まれば、カナダドルが軟調に推移しそうです。カナダドル/円の目先の下値メドとして、107.474円(10/30安値)が挙げられます。
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