FOMC議事録プレビュー
2023/11/21 08:03
【ポイント】
・市場は利上げ終了を確実視、24年5月の利下げ開始を見込む
・長期金利の低下を受けて20日の米ドルはほぼ全面安
・米FOMC議事録を受けて市場の金融政策見通しは変化するか
日本時間22日午前4時に米FOMC議事録(10/31-11/1開催分)が公表されます。当該FOMCでは政策金利の据え置きが決定されました。市場は、声明文やパウエル議長の会見を総じてハト派的だったと判断しました。
その後の弱めの雇用統計やCPIなどを受けて、市場では利上げサイクルの終了が確実視され、利下げ観測が前倒しされてきました。20日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、次回12月のFOMCで、あるいは24年1月のFOMCまでに追加利上げが実施される確率を市場は4%程度しか織り込んでいません。そして、利下げ開始の確率を3月FOMCで25%、5月FOMCまでで70%織り込んでいます。
*******
そうした市場の金融政策予想を反映して、米長期金利(10年物国債利回り)は約2カ月ぶりの4.4%近辺まで低下しています。長期金利の低下によって、米ドルは主要通貨全般に対して下落しました。FOMC議事録の公表後に市場の金融政策予想がどう変化するでしょうか。注目ポイントは以下の通り。
10月以降の景気見通し
声明文は、冒頭の景況判断が「経済活動は第3四半期に力強いペースで拡大した」でした。第3四半期(7-9月期)のGDPは前期比年率4.9%と非常に高い伸びを示したので、当然の表現かもしれません。問題は10月以降の景気について、どんな議論がなされたのか。景気鈍化の懸念は強まったのかどうか。
「金融の引き締まり」とは?
声明文は、「銀行システムは健全かつ堅固」としたうえで、「金融と与信の引き締まった状況が経済活動の重石となりそうだ」と指摘。「金融」が新たに加えられました。これは長期金利の上昇を示すとみられますが、それについてどんな議論がなされたのか。「悪い金利上昇」への言及はあったのか。
先行きに追加利上げを想定する参加者はいたのか
9月の「ドットプロット」では19人のFOMC参加者のうち12人が23年末までの追加利上げを予想していました。しかし、パウエル議長は会見で質問に答えて「予測の有効性は時間の経過とともに低下する」と述べました。果たして、どれぐらいの数の参加者が追加利上げの必要性を感じていたか。
インフレ見通しは?
その他にも足もとまでのインフレ鈍化のペースに満足していたか。シャットダウン(政府機能の一部停止)も含めて景気先行きのどんなリスクを懸念していたか、なども興味深いところでしょう。
※FOMC議事録については明日22日のファンダメ・ポイントで速報する予定です。
・市場は利上げ終了を確実視、24年5月の利下げ開始を見込む
・長期金利の低下を受けて20日の米ドルはほぼ全面安
・米FOMC議事録を受けて市場の金融政策見通しは変化するか
日本時間22日午前4時に米FOMC議事録(10/31-11/1開催分)が公表されます。当該FOMCでは政策金利の据え置きが決定されました。市場は、声明文やパウエル議長の会見を総じてハト派的だったと判断しました。
その後の弱めの雇用統計やCPIなどを受けて、市場では利上げサイクルの終了が確実視され、利下げ観測が前倒しされてきました。20日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、次回12月のFOMCで、あるいは24年1月のFOMCまでに追加利上げが実施される確率を市場は4%程度しか織り込んでいません。そして、利下げ開始の確率を3月FOMCで25%、5月FOMCまでで70%織り込んでいます。
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そうした市場の金融政策予想を反映して、米長期金利(10年物国債利回り)は約2カ月ぶりの4.4%近辺まで低下しています。長期金利の低下によって、米ドルは主要通貨全般に対して下落しました。FOMC議事録の公表後に市場の金融政策予想がどう変化するでしょうか。注目ポイントは以下の通り。
10月以降の景気見通し
声明文は、冒頭の景況判断が「経済活動は第3四半期に力強いペースで拡大した」でした。第3四半期(7-9月期)のGDPは前期比年率4.9%と非常に高い伸びを示したので、当然の表現かもしれません。問題は10月以降の景気について、どんな議論がなされたのか。景気鈍化の懸念は強まったのかどうか。
「金融の引き締まり」とは?
声明文は、「銀行システムは健全かつ堅固」としたうえで、「金融と与信の引き締まった状況が経済活動の重石となりそうだ」と指摘。「金融」が新たに加えられました。これは長期金利の上昇を示すとみられますが、それについてどんな議論がなされたのか。「悪い金利上昇」への言及はあったのか。
先行きに追加利上げを想定する参加者はいたのか
9月の「ドットプロット」では19人のFOMC参加者のうち12人が23年末までの追加利上げを予想していました。しかし、パウエル議長は会見で質問に答えて「予測の有効性は時間の経過とともに低下する」と述べました。果たして、どれぐらいの数の参加者が追加利上げの必要性を感じていたか。
インフレ見通しは?
その他にも足もとまでのインフレ鈍化のペースに満足していたか。シャットダウン(政府機能の一部停止)も含めて景気先行きのどんなリスクを懸念していたか、なども興味深いところでしょう。
※FOMC議事録については明日22日のファンダメ・ポイントで速報する予定です。
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