米ドル/円が151円台へ上昇し1年ぶり高値、本日FOMC
2023/11/01 08:55
【ポイント】
・米FOMC声明やFRB議長会見はタカ派的な内容になるか
・神田財務官が円安をけん制。為替介入への警戒感が強まりそう
・NZの雇用統計の弱い結果で豪ドル/NZドルが上昇
(欧米市場レビュー)
10月31日の欧米時間の外為市場では、円が全面安の展開。一時、米ドル/円は151.691円、ユーロ/円は160.790円、豪ドル/円は96.099円へと上昇し、米ドル/円は22年10月以来、ユーロ/円は08年8月以来の高値をつけました。日銀は金融政策決定会合を開き、YCC(イールドカーブ・コントロール)を修正することを決定しました。ただ、日銀が粘り強く金融緩和を続ける姿勢を改めて示したことや、財務省が9月28日~10月27日の為替介入額は0円(為替介入の実施なし)と発表したことが、円安圧力となりました。
※日銀会合については、10月31日の『ファンダメ・ポイント』[【速報】日銀はYCCを修正。長期金利の上昇をどこまで容認するのか]で詳しく解説しています。
※本日1日の『ファンダメ・ポイント』は、[為替介入は「特定の水準」ではなく「過度の変動」のはず・・]です。
(本日の相場見通し)
本日は、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれます。FOMCの結果は日本時間2日午前3時に発表され、午前3時30分からパウエルFRB議長が会見します。これらが材料になりそうです。
市場では、政策金利は前回9月に続いて現行の5.25~5.50%に据え置かれるとの見方が大勢です。
FOMCの声明やパウエルFRB議長の会見にも注目です。FRBは政策金利を長期間にわたって高い水準に維持すると市場は予想しています。声明やパウエル議長の会見がタカ派的な内容になれば、この見方が一段と強まるとともに、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上昇し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下落する可能性があります。
神田財務官は本日午前8時頃(日本時間)、足もとの円安(米ドル/円の上昇)について「一方的で急激な動きを懸念」「足もとの動きで一番大きいのは投機」「より高い緊張感の状況になっている」「過度な変動に対しては、あらゆる手段を排除せず適切に行動する」「(為替介入の可能性について)スタンバイです」などと述べ、円安をけん制しました。日本政府・日銀による為替介入(米ドル売り/円買い)介入への警戒感が市場で強まると考えられ、米ドル/円は上値が重くなる可能性があります。
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NZの7-9月期の雇用統計が本日午前6時45分(日本時間)に発表されました。失業率は市場予想通りの結果だったものの、就業者数や労働コスト指数は市場予想よりも弱い結果でした。雇用統計の結果を受けてNZドルが売られ、豪ドル/NZドルは1.09NZドル台へと上昇しました。雇用統計の結果が市場で引き続き意識されて、NZドルは軟調に推移する可能性があります。
雇用統計の結果は、以下の通り。( )は市場予想です。
・失業率:3.9%(3.9%)
・就業者数(前期比):マイナス0.2%(0.4%)
・就業者数(前年比):2.4%(3.2%)
・民間部門労働コスト指数(残業を含む。前期比):0.9%(1.0%)
・民間部門労働コスト指数(残業を含む。前年比):4.1%(4.2%)
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