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為替介入は「特定の水準」ではなく「過度の変動」のはず・・

2023/11/01 07:31

【ポイント】
・日銀会合の結果を受けて米ドル/円が上昇
・「10月介入なし」も米ドル/円買いに安心感!?
・「過度の変動」が条件なら介入はない!?

10月31日の日銀の金融政策決定会合の結果、植田総裁の会見を受けて、米ドル/円は上昇。同日午後7時(日本時間)に公表された財務省の「外国為替平衡操作の実施状況」で10月(厳密には9月28日から10月27日)に為替介入がなかったことが判明して、さらに米ドル/円が上昇しました。米ドル/円は一時151.691円と昨年10月21日の高値151.899円に迫りました。

米ドル/円は昨年の高値を更新する可能性がありますが、鈴木財務相や神田財務官が言うように、当局が為替介入に踏み切る条件が「特定の水準」でなく「過度の変動」であれば、本邦当局がすぐに介入に踏み切るとは考えにくいところでしょう。米ドル/円の移動平均からのかい離率は昨年秋の介入時や今年半ばに比べて低くとどまっているからです。

米ドル円のかい離率

そうは言っても本邦当局は米ドル/円の水準も気にしているはず。投資家の安心感から米ドル/円の上昇が続くようだと、どこかで為替介入が入ってもおかしくはないでしょう。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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