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米FOMCはやや「ハト派的」な据え置き!?

2026/10/29 07:19

【ポイント】
・FOMCは10対2で据え置きを決定
・ウォーシュ議長はインフレ抑制の姿勢を強調も・・
・利上げの効果に言及するなど「ハト派的」部分も
・議長の記者会見を受けて利上げ観測はわずかに後退

10月27-28日に開催された米FOMCは、大方の予想通り政策金利の据え置きを決定。ウォーシュ議長は記者会見で物価安定を最重視する姿勢を改めて強調しました。ただ、わずかながら政策スタンスのハト派的シフトも垣間見えました。市場は引き続き12月の利上げを予想しているものの、その確率は少し低下しました。

FOMCの結果と議長の記者会見を受けて、短期金利(2年物国債利回り)は小幅に低下する一方で、長期金利(10年物国債利回り)は小幅に上昇。イールドカーブ(利回り曲線)はブルベア・スティープニングしました。

米ドル/円や米ドル実効レートはFOMCの結果判明直後は上昇しましたが、ウォーシュ議長の記者会見が始まると下落に転じました。

金融政策の先行きは今後のデータ次第でしょうが、インフレが高止まりする(圧力が高まる)なかで景気に減速感が出てきた場合に、FOMCはどう反応するか。据え置き派と利上げ派が一段と激しく議論する可能性があります。

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FOMCの票決は10対2。クック理事とクリーブランド連銀のハマック総裁が利上げを求めて反対票を投じました。ハマック総裁は7月の据え置き時に利上げを求めた3人の地区連銀総裁の1人。クック理事が利上げを求めたのはやや意外でした。

声明文は、利上げした前回9月と比べて、決定内容(据え置き)の違いを除いても、景気判断が「しっかり」から「強い」へ上方修正されました。また、「さらなる情報が蓄積・・・」は、金融政策が今後の状況次第であることを強調したかったのでしょう。全文は以下で、前回からの変更は赤字、( )は前回9月の文言、翻訳は筆者によるもの。

「FOMCは10対2(12対0)で以下の声明を発表する。

FOMCは、2大使命を支援するためにFFレートの目標レンジを3.75~4.00%で維持する(0.25%引き上げて3.75~4.00%とする)決定をした。銀行システムに十分な準備を維持する政策を継続する。

経済活動は強い(しっかりした)ペースで拡大している。一部の地政学的な状況によって不透明感は強いものの、国内の支出はしっかりしている。生産性の伸びは強く、設備投資は力強い。雇用の伸びは労働力の伸びと同じペースであり、失業率はほとんど変化していない。

インフレは高いままだ。さらなる情報が蓄積されることが、2%目標へより早く回帰するのを確実にするために適切な政策スタンスを決定することを助けるだろう。(今回の行動は2%目標へより早く回帰するのを助けるだろう。)FOMCは物価の安定を実現する。

決定に反対票を投じたのは、クック理事とハマック総裁で、2人はFFレートの目標レンジを0.25%引き上げることを望んだ」

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ウォーシュ議長は記者会見で、インフレが高いままだとして、これまで通りインフレ抑制が最重要だとの姿勢を強調。景気は強くなっているとし、個人消費とAIが景気をけん引している、設備投資が歴史的にGDPの高いシェアを占めていると指摘。また、エネルギー価格が上昇しているとも指摘しました。ただし、声明文同様に、今後のデータ次第であると述べて、12月利上げの言質は与えませんでした。

ウォーシュ議長は、「薬(利上げ)」が効き始めているとFOMC参加者が認識していると指摘。金融情勢に変化が見え始めており、「タイト」とは言えないまでも、やや引き締まっているとも述べました。

ウォーシュ議長は、政策決定に政治は関係ないと明言、政治への配慮を引き続き否定しました。また、中間選挙は話題にならなかったと明かしました。

ウォーシュ議長は、政策運営についても説明。FOMCは(これまで通り)年8回がちょうど良いとしつつも、27年は1回、28年は2回のFOMCを金融政策の戦略に特化させ、投票や声明文の発表は行わないとしました。また、6月に発表した作業部会が年末の期限に向けて真摯に取り組んでいるとしたうえで、11月16日に開催される生産性と雇用に関する部会のヒアリングに参加する意向を示しました。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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