米FOMC議事録:非常にタカ派的内容ながら、状況に変化⁉
2026/10/08 08:04
【ポイント】
・FOMC議事録ではインフレの上方リスクを強調
・多くの参加者が、26年末までに追加利上げが必要と考えた
・FOMC後のPCEや雇用統計により利上げ観測は後退!?
FOMC議事録(9/15-16開催分)はインフレの上方リスクを警戒したタカ派的内容でした。ただ、追加利上げに前向きであることはドット・プロット(※)で明らかになっていました。また、当該FOMC後に発表されたPCE(個人消費支出)デフレーターの下方修正や9月雇用統計の軟調により、FOMC参加者の判断に変化が生じている可能性も高そうです。
※FOMC参加者各個人の政策金利見通しを点(ドット)で表したもの。9月16日時点で、提出しなかったウォーシュ議長を除く18人のうち、12人が年内の追加利上げ1回を、4人が同2回を予想していました。
7日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む次回10月27-28日開催のFOMCでの利上げ確率は2割弱ですが、次々回12月8-9日までには利上げが完全に織り込まれています。PCEや雇用統計発表前の9月28日時点では、10月の利上げ確率が7割超、12月の追加利上げの確率が5割超でした(市場のメインシナリオは10月、12月と連続利上げ、9月も含めれば3会合連続での利上げ)。
FOMCではインフレに関する議論が中心でした。
*******
利上げに関する議論
0.25%の利上げについて、参加者全員が適切だと考えました。多くの参加者がリスク管理の観点から利上げが望ましいと強調しましたが、見通しを前提とすれば利上げが必要だと考える参加者も多くいました。数人の参加者は、利上げはインフレ期待が上昇するのを防ぐと考えました。2人の参加者は、利上げは特定セクターのインフレ圧力が他に広がるのを防ぐと述べました。また、2人の参加者は、想定する中立金利を引き上げたと明らかにしました。数人の参加者は、現在の政策金利は景気抑制的ではないとみていました。ほとんどの参加者は26年末までに追加利上げが適切になると考えましたが、今後の状況次第であることを強調しました。
物価や景気(労働市場)に関する議論
参加者は、インフレが高いままであり、ここ数カ月にインフレ鈍化の十分な進捗がなかったとの認識を示しました。そして、原油高をもたらす地政学的状況やAI関連投資の増大がインフレ圧力につながっていると指摘しました。
数人の参加者は、食料とエネルギーを除くコアサービス(住居費を除く)の伸びが高いと指摘。何人かの参加者はPCEに含まれるソフトウェアや証券手数料が大きく上昇しているが、PCE統計の改定によってそれらの比重は小さくなるだろうと指摘しました。
コアPCEの3カ月前比年率が目立って鈍化したと指摘する参加者もいましたが、前年比に比べて変動が大きく、年後半は年前半よりインフレ率が低めに出る傾向があるとされました。
インフレの先行きについて、目先は高止まりするものの、適切な金融政策のもとで、2%に向かって鈍化するだろうとのコンセンサスがありました。数人の参加者は、エネルギー高とAI投資が、輸送費や原材料コストの上昇を通じて企業の直面するインフレ圧力になっていると指摘。企業がコスト高の価格転嫁に成功しつつあるとの観測もありました。
インフレのリスクは上方に大きいとのコンセンサスがあり、数人の参加者はこの数カ月でさらに強まったとコメントしました。多くの参加者は、エネルギー高が長引けば、一部のセクターでのコスト高がより広範なインフレ圧力につながると考察しました。AI投資によって総需要が中期的に総供給を上回る可能性があるとのコメントもありました。5年以上もインフレが2%を超えているので、(企業や消費者の)インフレ予想や、賃金や価格の設定に影響し始める可能性があるとの指摘もありました。
参加者は、労働市場が安定しており、現状が(FRBの2大使命の1つである)最大雇用に近いと判断していました。過半数の参加者は労働市場が最近になってやや強まったと評価しましたが、採用率・解雇率が低下しているなど、労働市場の活力が低下しているとの指摘もありました。
AI関連の熟練労働者の需要は強く、賃金の伸びも高いものの、全体の賃金の伸びは2%のインフレと整合的であり、労働市場が現時点でインフレ圧力を生み出していないとの指摘もありました。
長期金利の上昇に関して、景気の堅調、AI関連の資金需要の増大、地政学的状況などが議論されました。多くの参加者は、長期金利の上昇にもかかわらず、株高などによって金融状況は緩和的だと指摘しました。
経済活動はしっかりしたペースで拡大していると評価されました。数人の参加者は、基調的なモメンタムが強まっていると指摘。旺盛なAI関連投資に加えて、良好な業績・規制緩和・関税還付が企業活動を支えているとの指摘もありました。
個人消費もしっかりしていると評価。富裕層について株高の資産効果がプラスになっている一方で、低中所得層にとってはエネルギー高が実質可処分所得を押し下げているとの指摘がありました。
・FOMC議事録ではインフレの上方リスクを強調
・多くの参加者が、26年末までに追加利上げが必要と考えた
・FOMC後のPCEや雇用統計により利上げ観測は後退!?
FOMC議事録(9/15-16開催分)はインフレの上方リスクを警戒したタカ派的内容でした。ただ、追加利上げに前向きであることはドット・プロット(※)で明らかになっていました。また、当該FOMC後に発表されたPCE(個人消費支出)デフレーターの下方修正や9月雇用統計の軟調により、FOMC参加者の判断に変化が生じている可能性も高そうです。
※FOMC参加者各個人の政策金利見通しを点(ドット)で表したもの。9月16日時点で、提出しなかったウォーシュ議長を除く18人のうち、12人が年内の追加利上げ1回を、4人が同2回を予想していました。
7日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む次回10月27-28日開催のFOMCでの利上げ確率は2割弱ですが、次々回12月8-9日までには利上げが完全に織り込まれています。PCEや雇用統計発表前の9月28日時点では、10月の利上げ確率が7割超、12月の追加利上げの確率が5割超でした(市場のメインシナリオは10月、12月と連続利上げ、9月も含めれば3会合連続での利上げ)。
FOMCではインフレに関する議論が中心でした。
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利上げに関する議論
0.25%の利上げについて、参加者全員が適切だと考えました。多くの参加者がリスク管理の観点から利上げが望ましいと強調しましたが、見通しを前提とすれば利上げが必要だと考える参加者も多くいました。数人の参加者は、利上げはインフレ期待が上昇するのを防ぐと考えました。2人の参加者は、利上げは特定セクターのインフレ圧力が他に広がるのを防ぐと述べました。また、2人の参加者は、想定する中立金利を引き上げたと明らかにしました。数人の参加者は、現在の政策金利は景気抑制的ではないとみていました。ほとんどの参加者は26年末までに追加利上げが適切になると考えましたが、今後の状況次第であることを強調しました。
物価や景気(労働市場)に関する議論
参加者は、インフレが高いままであり、ここ数カ月にインフレ鈍化の十分な進捗がなかったとの認識を示しました。そして、原油高をもたらす地政学的状況やAI関連投資の増大がインフレ圧力につながっていると指摘しました。
数人の参加者は、食料とエネルギーを除くコアサービス(住居費を除く)の伸びが高いと指摘。何人かの参加者はPCEに含まれるソフトウェアや証券手数料が大きく上昇しているが、PCE統計の改定によってそれらの比重は小さくなるだろうと指摘しました。
コアPCEの3カ月前比年率が目立って鈍化したと指摘する参加者もいましたが、前年比に比べて変動が大きく、年後半は年前半よりインフレ率が低めに出る傾向があるとされました。
インフレの先行きについて、目先は高止まりするものの、適切な金融政策のもとで、2%に向かって鈍化するだろうとのコンセンサスがありました。数人の参加者は、エネルギー高とAI投資が、輸送費や原材料コストの上昇を通じて企業の直面するインフレ圧力になっていると指摘。企業がコスト高の価格転嫁に成功しつつあるとの観測もありました。
インフレのリスクは上方に大きいとのコンセンサスがあり、数人の参加者はこの数カ月でさらに強まったとコメントしました。多くの参加者は、エネルギー高が長引けば、一部のセクターでのコスト高がより広範なインフレ圧力につながると考察しました。AI投資によって総需要が中期的に総供給を上回る可能性があるとのコメントもありました。5年以上もインフレが2%を超えているので、(企業や消費者の)インフレ予想や、賃金や価格の設定に影響し始める可能性があるとの指摘もありました。
参加者は、労働市場が安定しており、現状が(FRBの2大使命の1つである)最大雇用に近いと判断していました。過半数の参加者は労働市場が最近になってやや強まったと評価しましたが、採用率・解雇率が低下しているなど、労働市場の活力が低下しているとの指摘もありました。
AI関連の熟練労働者の需要は強く、賃金の伸びも高いものの、全体の賃金の伸びは2%のインフレと整合的であり、労働市場が現時点でインフレ圧力を生み出していないとの指摘もありました。
長期金利の上昇に関して、景気の堅調、AI関連の資金需要の増大、地政学的状況などが議論されました。多くの参加者は、長期金利の上昇にもかかわらず、株高などによって金融状況は緩和的だと指摘しました。
経済活動はしっかりしたペースで拡大していると評価されました。数人の参加者は、基調的なモメンタムが強まっていると指摘。旺盛なAI関連投資に加えて、良好な業績・規制緩和・関税還付が企業活動を支えているとの指摘もありました。
個人消費もしっかりしていると評価。富裕層について株高の資産効果がプラスになっている一方で、低中所得層にとってはエネルギー高が実質可処分所得を押し下げているとの指摘がありました。
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