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ベージュブック、ADP雇用、JOLTS:緩やかな景気拡大続く⁉

2026/09/03 08:29

【ポイント】
・ベージュブックは景気の緩やかな拡大を示唆
・8月ADP雇用は低い伸び、7月JOLTSは市場予想を下回る
・4日の雇用統計を受けて9月利上げ予想はどう変化するか

米ベージュブック(地区連銀経済報告)によれば、経済活動は少し、あるいは緩やかに拡大しました(後述)。

8月のADP雇用は前月比3.8万人増と、前月(4.6万人増)と同じく低い伸びにとどまりました。ADP雇用と労働省の発表する雇用統計は月々で同じ傾向を示すとは限りません。もっとも、7月の雇用統計はNFP(非農業部門雇用者数)が前月比マイナス(2.3万人減)となるなど労働市場の軟調を示したので、8月分(9月4日発表)が持ち直しを示すかどうか注目されます。

JOLTS(労働動態調査)の7月求人件数は727.1万件と、市場予想(731.3万件)を下回りました。6月求人件数は、735.9万件から718.2万件に下方修正されました。

2日時点OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、9月15-16日のFOMCでの0.25%利上げを市場は約6割の確率で織り込んでいます。これが雇用統計を受けてどう変化するでしょうか。

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ベージュブック
 出所:米FRB資料

8月24日までの1カ月半をカバーしたベージュブックによれば、経済活動は全12地区のうち10地区で「少し」あるいは「緩やかに」拡大、2地区で「変化なし」でした。前回は、11地区で拡大、1地区で変化なしでした。

個人消費はわずかに増加。中低所得層は価格に敏感になる一方で、富裕層の高額支出は堅調でした。自動車販売は軟調。消費マインドの悪化、燃料費の上昇、ローン金利の上昇などが背景でした。製造業活動はほとんどの地区で拡大。国防データセンター関連の受注が引き続き好調との指摘がありました。サービス部門は少し、あるいはわずかに拡大。先行きについて、総じてポジティブでしたが、燃料費、政策、中東情勢に関する不透明感の高まりが指摘されました。

労働市場
雇用はほんのわずかに増加。3地区がわずかな増加、4地区がほんの少し増加、5地区が変化なしでした。製造業、建設業、そしていくつかのサービス業で労働需要は旺盛でしたが、小売業や接客業では労働需要が減少しました。AIの影響はポジティブとネガティブの両面が指摘されました。ほとんどの地区で賃金の伸びはわずか、あるいは緩やかでした。

物価
価格は8地区で緩やかに上昇、2地区でわずかに上昇、1地区でほんの少し上昇、1地区で大きく上昇でした。価格上昇ペースは前回の報告と比べて、8地区で同じ、3地区で減速、1地区で加速でした。投入コストは、複数の地区で製造業、建設業で高く、エネルギー、輸送金属石油化学などの原材料で目立ちました。小売業および製造業では引き続き関税の影響がありました。ヘルスケアや保険のコスト上昇も幅広く報告されました。消費者が価格に敏感になっており、投入コストの価格転嫁が難しいと数地区で指摘されました。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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