米ISM製造業景況指数やJOLTSに市場が反応しそう
2026/09/01 09:02
【ポイント】
・米経済指標で市場のFRB金融政策見通しがどのように変化するか
・ECBは9月に利上げすると市場は予想、ユーロ圏CPIで10月以降の追加利上げ観測が強まるか
(欧米市場レビュー)
8月31日、欧米時間の外為市場ではカナダドルやノルウェークローネが堅調に推移。一時米ドル/カナダドルは1.38513カナダドルへと下落し、カナダドル/円は115.279円、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは1.02638スウェーデンクローナへと上昇。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは23年10月上旬以来の高値をつけました。原油価格が上昇したことが、カナダドルやノルウェークローネにとってプラスになったと考えられます。
WTI原油先物の中心限月10月物は、前営業日比2.36ドル高(2.8%)の1バレル=85.76ドルで取引を終えました。米軍は8月30日、イラン南部ララク島のミサイル発射施設を攻撃。イランは31日、報復としてヨルダンとUAE(アラブ首長国連邦)の米軍基地を攻撃したと発表しました。中東情勢の先行き不透明感が原油価格の上昇要因となりました。
米ドルは軟調。一時米ドル/円は159.469円、米ドル/シンガポールドルは1.27079シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.16154ドル、英ポンド/米ドルは1.35596ドルへと上昇しました。ポジション調整が主体とみられます。
ベッセント米財務長官は8月31日、米CNBCのインタビューで「日本政府と日銀は、より強い円につながる措置を講じると確信している」と発言。それは利上げを意味するのか?と問われると「市場は既にそれを織り込んでいる」と答えました。
(本日の相場見通し)
米国の8月ISM製造業景況指数や7月JOLTS(労働動態調査)が本日発表されます(いずれも日本時間23:00)。その結果が相場材料になりそうです。
市場予想は、ISM製造業景況指数が55.2、JOLTS求人件数が733.2万件。前者は前月の55.6から低下するものの、業況判断の分かれ目である50は引き続き上回り、後者は前月の735.9万件から減少するとみられています。
ウォーシュFRB(米連邦準備制度理事会)議長は8月28日の講演で、「基調的なインフレ率が明確かつ十分な速度で(FRBの)目標に向かっているとの確信が持てなければ、我々にはやるべき仕事がある」と発言。それを受けて市場ではFRBによる利上げ観測が強まっています。CMEのFedWatchツールに基づくと、8月31日時点で市場が織り込むFRBが次回9月15-16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げを行う確率は6割強。講演前日の27日時点の利上げ確率は約35%でした。
本日発表のISM製造業景況指数やJOLTS求人件数が市場予想を上回る結果になれば、FRBによる利上げ観測は一段と強まると考えられます。その場合には米ドル/円や米ドル/カナダドル、米ドル/シンガポールドルは堅調に推移し、英ポンド/米ドルや豪ドル/米ドルは軟調に推移しそうです。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[160円台回復の米ドル/円!当面の“主戦場”は?をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
***
ユーロ圏の8月CPI(消費者物価指数)速報値が本日発表されます(日本時間18:00)。
CPIの市場予想は、総合が前年比3.3%、エネルギー・食品・アルコール飲料、タバコを除いたコアが同2.5%。コアの上昇率は前月と同じとなり、総合は前月の2.9%から高まるとみられています。ECB(欧州中銀)のインフレ目標は2%です。
市場では、ECBは次回9月10日の理事会で0.25%の利上げを行うと予想されています。ユーロ圏のCPIが市場予想を上回る結果になれば、その観測が補強されるとともに、10月以降の追加利上げ観測が強まる可能性があります。その場合にはユーロにとってプラスになりそうです。
***
8月31日と9月1日の2日間、G20財務相・中央銀行総裁会議が米アッシュビルで開催されています。
片山財務相は8月31日(米東部時間)、同日のG20財務相・中央銀行総裁会議では「金融市場における投機的動きをG20として注視すべきと発言した」と自身のXに投稿しました。足もとの“円安”を含め金融市場の動向に関して片山財務相がさらに言及すれば、市場が反応する可能性があります。
また、会議後の記者会見やメディアインタビューなどで、各国・地域の先行きの金融政策について新たな手掛かりが提供されれば、相場材料になりそうです。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
