米国とスウェーデンの経済指標、メキシコ中銀会合が相場材料に!?
2026/08/06 08:59
【ポイント】
・米新規失業保険申請件数で9月FOMCに関する市場の見方が変化するか
・スウェーデンのCPIでリクスバンクによる利上げ観測がどうなるか
・声明で市場のメキシコ中銀金融政策見通しが変わるか
(欧米市場レビュー)
5日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/カナダドルは1.40043カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.28000シンガポールドル近辺へと下落し、ユーロ/米ドルは1.15539ドル、英ポンド/米ドルは1.34804ドル、豪ドル/米ドルは0.70595米ドルへと上昇しました。米国の軟調な経済指標が米ドルの重石となりました。同国の7月ADP雇用統計は前月比4.4万人増、7月ISM非製造業景況指数は54.1となり、それぞれ市場予想の6.5万人増と54.5を下回りました。
米ドル/円に関しては、日本時間23時ごろに一時157.300円近辺へと下落したものの、その後157.700円台へと反発しました。
NZドルも軟調。一時NZドル/円は92.400円近辺へと下落し、豪ドル/NZドルは1.20134NZドルへと上昇しました。日本時間5日午前に発表されたNZの4-6月期雇用統計で、失業率が5.6%と、市場予想の5.4%よりも弱い結果となり、そのことがNZドルにとってマイナスとなりました。
FRB(米連邦準備制度理事会)のクック理事はアンカレッジでの講演で、「(米国の)インフレ率は高すぎる」との認識を示し、「持続的なディスインフレ(インフレ率が低下していく状態)の兆候がみられなければ、私は利上げによって行動する用意がある」と述べました。
クック理事は「インフレ率が(2%の)目標を上回る状態が5年間続いていることを踏まえると、高すぎるインフレ率が価格・賃金設定行動に定着するリスクが高まっている」とし、「FRBにはインフレの鎮静化を待つ余地がなくなりつつある」と語りました。
クック理事の発言に対する市場の反応は限定的でした。
(本日の相場見通し)
米国の先週分の新規失業保険申請件数が本日発表されます(日本時間21:30)。新規失業保険申請件数の市場予想は20.5万件と、前回の19.7万件から増加するとみられています。
市場ではFRBは次回9月15-16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の利上げを行うとの見方が優勢。CMEのFedWatchツールに基づくと、5日時点で市場が織り込む9月FOMCの確率は、政策金利の据え置きが約46%、利上げが約54%です。
新規失業保険申請件数の結果次第では9月FOMCに関する市場の見方が変化する可能があります。新規失業保険申請件数が市場予想と比べて弱い結果となり、利上げ観測が後退するようなら、米ドルが軟調に推移しそうです。
***
スウェーデンの7月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間15:00)。その結果にスウェーデンクローナが反応する可能性があります。
CPIの市場予想は以下のとおり。( )は前月の実績です。
・総合(前年比):0.1%(0.7%)
・CPIF(前年比):0.6%(1.3%)
・CPIF(エネルギーを除く、前年比):0.3%(0.4%)
総合とCPIFのいずれも、前月から上昇率が鈍化して、リクスバンク(スウェーデン中銀)のインフレ目標である2%を一段と下振れるとみられています。
リクスバンクは前回6月17日の政策会合で政策金利を1.75%に据え置きました。リクスバンクはその時の声明で、「中東の紛争に伴う供給の混乱によってインフレ圧力が強まっており、インフレ率が過度に上昇するリスクが高まっている」と指摘。「現時点では政策金利を1.75%に据え置くことがバランスが取れていると評価しているが、年内に利上げを行う確率は3月時点の評価と比較して上昇した」との認識を示しました。
市場では、リクスバンクは26年末までに利上げを行うとの観測があります。CPIが市場予想を下回る結果になれば、リクスバンクによる利上げ観測が後退するとともに、スウェーデンクローナにとってマイナスになりそうです。
***
BOM(メキシコ中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間7日午前4時に判明し、ロドリゲスBOM総裁の会見は予定されていません。
BOMは24年2月から26年5月まで15回合計4.75%の利下げを実施。前回26年6月25日の会合では政策金利を据え置きました。現在の政策金利は6.50%です。
政策金利は今回も据え置かれそうです。
メキシコの6月CPI(消費者物価指数)は総合が前年比3.37%、食品・エネルギー・農畜産物などを除いたコアが同3.55%と、上昇率はいずれも前月(それぞれ3.94%と4.19%)から鈍化したものの、BOMのインフレ目標である3%(2~4%が許容レンジ)は引き続き上回りました。
4-6月期のGDP(国内総生産)は前期比プラス1.5%と、2四半期ぶりにプラス(1-3月期はマイナス0.6%でした)になりました。サッカーのワールドカップ(一時的な要因)がGDPを押し上げたと考えられます。
政策金利が据え置かれた場合、BOM声明の内容が相場材料になりそうです。
前回6月会合の声明は、主に以下の内容でした。
・現在の金融政策スタンスは、国際情勢に関連するものを含めマクロ経済環境がもたらす課題に対応するうえで適切だと判断している
・政策金利は今後も現行水準を維持することが適切
・(メキシコ)経済のスラック(需給の緩み)は予測期間を通じて続くと予想される
・経済活動に対する重大な下振れリスクが依然として残っている
・(メキシコの)インフレ率(CPI上昇率)は27年4-6月期に目標の3%に収束する見通し
・インフレ見通しに対するリスクは依然として上振れ方向に傾いている
市場では、BOMは今後長期間(※)にわたって政策金利を据え置くと予想されています。今回の声明の内容を受けて、その見方が変化すれば、メキシコペソが反応しそうです。
(※)少なくとも26年末まで、27年末までとの予想もあります。
※メキシコペソ/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[メキシコペソ/円、一旦の底打ちを示唆?BOM会合に要注目!]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
