マネースクエア マーケット情報

NZドルが堅調、対円で24年7月以来の高値

2026/06/01 09:10

【ポイント】
・NZ中銀の利上げ観測が強まっていることがNZドルを押し上げ
・米国とイランは覚書で最終合意できるか
・米経済指標でFRBの金融政策に関する市場の見方が変化するか
・片山財務相は「投機的な動きがあれば、断固たる措置をとる」と発言

(欧米市場レビュー)

5月29日、欧米時間の外為市場ではNZドルが堅調に推移。一時NZドル/円は95.368円、NZドル/米ドルは0.59889米ドルへと上昇し、豪ドル/NZドルは1.19845NZドルへと下落。NZドル/円は24年7月以来、NZドル/米ドルは26年3月2日以来の高値をつけ、豪ドル/NZドルは26年3月30日以来の安値を記録しました。5月27日のRBNZ(NZ中銀)の政策会合を受けて同中銀による利上げ観測が強まるなか、ブレマン総裁やシルク総裁補のタカ派的な発言がさらなるNZドル高材料となりました。

ブレマン総裁は5月29日、ホークスベイでの講演で「政策金利は従来の想定よりも早期かつ大幅に引き上げられる可能性が高い」と発言。シルク総裁補は同日のメディアインタビューで、「たとえ中東での紛争が早期に終結したとしても、NZではインフレ圧力が強まる」との認識を示し、「中銀は先を見据える必要があり、必ずしも四半期CPI(消費者物価指数)を待つ必要はない」と述べました。RBNZの次回会合は7月8日、NZの4-6月期CPIは7月21日に発表されます。

RBNZは前回5月27日の会合で政策金利を2.25%に据え置くことを決定。ただし、6人の政策メンバーの投票結果は3対3となり、ブレマン総裁シルク総裁補、コンウェイ・チーフエコノミストの3人は政策金利の据え置きを、残り3人は0.25%利上げすることをそれぞれ支持。同数の場合に決定権を持つブレマン総裁が最終的に政策金利の据え置きを決定しました。

米ドルは軟調に推移。一時米ドル/円は159.100円近辺、米ドル/カナダドルは1.37700カナダドル近辺、米ドル/シンガポールドルは1.27500シンガポールドル近辺へと下落し、ユーロ/米ドルは1.16800ドル近辺、豪ドル/米ドルは0.72000米ドル近辺へと上昇しました。

5月28日、米当局者の話として「米国とイランが停戦期間を60日間延長し、その間にイランの核開発問題を協議するという内容の覚書で暫定合意した」と伝わりました。そのことが安全資産とされる米ドルの重石となりました。

(本日の相場見通し)

米ニュースサイトのアクシオスは5月30日、米国とイランが暫定合意した覚書について「トランプ米大統領が複数の修正を指示した」と報じました。修正を求めたのは、イランが保有する高濃縮ウランの処分方法やホルムズ海峡の開放に関する文言とのこと。

一方、イランのガリバフ国会議長は31日、「自国民の権利が保障されるという確信がない限り、いかなる合意も受け入れることはない」と述べました。米国とイランが覚書で最終合意できるかは不透明な状況です。

引き続きイラン情勢を注視する必要がありそう。新たなニュースにより、米国とイランが覚書で最終合意するとの期待が高まれば、米ドルにとってマイナスとなり、原油価格には下押し圧力が加わるとみられます。原油価格が下落した場合、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは軟調に推移すると考えられます。

***

米国の5月ISM製造業景況指数が本日発表されます(日本時間23:00)。その結果が相場材料になりそうです。

ISM製造業景況指数の市場予想は53.1と、前月の52.7から上昇し、業況判断の分かれ目である50を5カ月連続で上回るとみられています。

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は12月末までに利上げを行うとの観測があります。CMEのFedWatchツールに基づくと、5月29日時点で市場が織り込む12月末までに利上げが行われる確率は約5割(政策金利の据え置きも約5割)です。

ISM製造業景況指数が市場予想を上回る結果になれば、FRBの利上げ観測が強まるとみられます。その場合、米ドル/円や米ドル/カナダドル、米ドル/シンガポールドルは堅調に推移し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは軟調に推移しそう。米ドル/カナダドルは、3月31日高値の1.39624カナダドルが上値メドです。

***

片山財務相は5月29日の閣議後の会見で、対米ドルでの円安について「ボラティリティ(変動率)というか、投機の動きというか、そういうことがあったら断固たる措置がとれる」と述べ、必要に応じて為替介入(米ドル売り・円買い介入)を行うとの姿勢を改めて示しました。

財務省は同日、外国為替平衡操作の実施状況(為替介入実績)を発表。4月28日~5月27日に総額11兆7349億円の為替介入を実施したことを明らかにしました。月次ベースでの介入額としては過去最大です。為替介入の詳細(具体的な実施日や売買通貨、日次の介入額)は四半期ごとに公表されており、4-6月分は8月上旬に明らかになります。

今後、本邦当局が再び為替介入を行う、あるいはその準備ともされるレートチェックがあれば米ドル/は大きく下落するとみられ、その場合には豪ドル/円やNZドル/円なども引きずられると考えられます。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ