トランプ米大統領の発言で米ドルが軟調、原油価格は下落
2026/05/21 08:45
【ポイント】
・米イランが交渉で合意するとの期待が高まる
・米経済指標でFRBの金融政策に関する市場の見方がどのように変化するか
・小枝審議委員は早期の利上げに前向きな姿勢を示すかどうか
(欧米市場レビュー)
20日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は158.554円、米ドル/カナダドルは1.37292カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.27601シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.16389ドル、英ポンド/米ドルは1.34593ドル、豪ドル/米ドルは0.71688米ドルへと上昇しました。米国のトランプ大統領は記者団に対し「イランとの交渉は最終段階にある」と発言。それを受けて米国とイランが戦闘終結に向けた交渉で合意するとの期待が高まり、そのことが安全資産とされる米ドルに対する下押し圧力となりました。
ノルウェークローネも軟調に推移し、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時1.00502スウェーデンクローナへと下落。原油価格が下落したことが、ノルウェークローネにとってマイナスとなりました。
米WTI原油先物の中心限月7月物は、前日比5.89ドル安(-5.7%)の1バレル=98.26ドルで取引を終了。米国とイランが交渉で合意すればホルムズ海峡が開放されるとの期待が、WTI原油先物の下落要因となりました。
英国の4月CPI(消費者物価指数)は総合が前年比2.8%、コアが同2.5%となり、いずれも市場予想(3.0%と2.6%)を下振れました。南アフリカの4月CPIは総合が前年比4.0%、コアが同3.6%と、総合は市場予想どおり、コアは市場予想(3.5%)を上回りました。それぞれのCPIの結果に対し、英ポンドと南アフリカランドに大きな反応はみられませんでした。
FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表されました。政策金利を3.50~3.75%に据え置くことを決定した4月28-29日のFOMCのものです。詳しくは、本日の『ファンダメ・ポイント』[米FOMC議事録:過半数が利上げを検討!?]にて解説していますので、ご覧ください。
(本日の相場見通し)
本日はイラン情勢を注視する必要がありそうです。米国とイランが交渉で合意する、あるいは合意への期待が一段と高まるようなニュースが新たに出てくれば、米ドルや原油価格が軟調に推移しそう。原油価格が下落した場合、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは下値を試す展開になると考えられます。
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米国の5月S&PグローバルPMI(購買担当者景気指数)速報値や5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、先週分の新規失業保険申請件数が本日発表されます。
市場予想は以下のとおり。( )は前回の実績です。S&PグローバルPMIは50、フィラデルフィア連銀製造業景気指数はゼロが業況判断の分かれ目です。
・S&Pグローバル総合PMI:51.6(51.7)
・S&Pグローバル製造業PMI:53.8(54.5)
・S&Pグローバルサービス部門PMI:51.1(51.0)
・フィラデルフィア連銀製造業景気指数:17.6(26.7)
・新規失業保険申請件数:21.0万件(21.1万件)
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は12月までに利上げを行うとの観測があります。新規失業保険申請件数などが市場予想と比べて強い結果になれば、その観測が強まるとともに、米ドルにとってのプラス材料になりそうです。
※ユーロ/米ドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/米ドル、もう一段の下値切り下げとなるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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日銀の小枝審議委員が福岡県金融経済懇談会に出席します、小枝審議委員は午前10時30分からの懇談会で挨拶し、午後2時30分から会見する予定です。
日銀は前回4月27-28日の会合で政策金利を0.75%に据え置くことを決定。その決定は6対3で、高田審議委員・田村審議委員・中川審議委員が0.25%利上げするよう求めて反対票を投じました。
増審議委員は5月14日の講演で「景気下振れの兆しがはっきりとした数字で表れないのであれば、できる限り早い段階での利上げが望ましい」、「実質金利がマイナスという状況は早く解消すべき」などと述べました。増審議委員は次回6月15-16日の会合で利上げを支持するかもしれません。
市場では、日銀は次回会合で0.25%の追加利上げを行うとの見方が有力です。小枝審議委員が早期の追加利上げに前向きな姿勢を示せば、その見方が強まるとともに、円のサポート要因になるとみられます。
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