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米FOMC議事録:過半数が利上げを検討!?

2026/05/21 08:09

【ポイント】
・米国とイランの交渉進展期待から、株高、金利低下、米ドル安
・過去のトランプ大統領の言動に照らせば、過度な楽観は禁物
・FOMCで利下げバイアスに反対した地区連銀総裁は3人より多かった模様

FOMC議事録(4/28-29開催分)では、先行きの利下げバイアスに反対する参加者が多くいたことが明らかになりました。

トランプ大統領が米国とイランの交渉が「最終段階」にあると述べたことで、戦争終結期待が高まりました。WTI原油先物価格は大きく下落し、10日ぶりに1バレル=100ドルを下回りました。S&P500株価指数は4営業日ぶりに反発、米長期金利(10年物国債利回り)は大きく低下。米ドルはほぼ全面安の展開でした。

このまま、両国の交渉が成立に向かえば、FRBは利下げを再開するかもしれません。しかし、これまでのトランプ大統領の言動に照らせば、過度な楽観は禁物でしょう。

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4月28-29日開催の米FOMCは政策金利の据え置きを決定。票決は8対4で、3人の地区連銀総裁がフォワードガイダンスの利下げ示唆に反対。また、ミラン理事が0.25%の利下げを主張して反対票を投じました。

議事録には「中東」が21回、「原油価格」が6回、「関税」が8回、そして「不透明」が11回出てきます。FOMCがそれらを中心に議論したことが分かります。

金融政策の判断について
インフレが高く、経済が底堅さをみせるなかで、ほぼ全ての参加者(ミラン理事を除く18人という意味)が政策金利の据え置きを支持しました。そして、政策金利がほぼ中立とみなせる水準にあるため、今後のデータに合わせて政策変更を検討するのに良い位置にいるとの判断でした。

金融政策の先行きについて
中東情勢が不透明であるため、政策金利を以前に想定した以上に長く据え置く必要があるかもしれないと参加者は判断しました。数人は、インフレの鈍化や労働市場の軟化の明確な兆候があれば、利下げが適切だとしました。しかしながら、過半数の参加者は、インフレが2%を上回り続ければ、利上げすることが適切になると考えました。

そのため、多くの参加者が声明文のフォワードガイダンスから利下げバイアスを取り除くことが望ましいと指摘しました。投票メンバー12人のうち3人の地区連銀総裁が利下げバイアスに反対しましたが、投票権を持たない地区連銀総裁7人の中にも同様の考えを持つ者が相応にいたことを示しています。

リスク管理の観点から
参加者は、インフレの上振れリスクと景気の下振れリスクがともに高いままだと判断しました。数人の参加者は、中東情勢が落ち着いて関税や原油高のインフレ圧力が低下すれば、今年後半に利下げが正当化されると考えました。その一方で、インフレ圧力が幅広く残存すれば、インフレ期待が上昇し、FRBの雇用と物価の目標の綱引きが一層強まると懸念を表明する参加者もいました。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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