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6日にも為替介入?~断続的な介入実施の可能性も?

2026/05/07 08:02

【ポイント】
・6日、米ドル/円が158円手前から一時155円近辺へ急落
・介入実施にはある程度制約があるものの・・・
・相場次第では「断固たる措置」が続く可能性も

日本時間6日13時過ぎに、米ドル/円が158円手前から155円ちょうど近辺まで急落しました。4月30日には本邦当局による5.4兆円程度の米ドル売り円買いの為替介入があったとみられますが、その後も断続的に為替介入が実施された可能性があります(※)。

※市場は日銀当座預金残高の変化から介入の有無や規模を推定しています。ただ、公式的には、財務省が発表する「外国為替平衡操作の実施状況」で1カ月の間に介入があったかどうかが判明するのは5月末。四半期報告で実施の日付が判明するのは8月上旬です。

■5月1日付け「為替介入は1回だけ?~過去の事例からの考察」

介入か

4月30日以降、為替介入があったとみられるタイミングで米ドル/円は下落しますが、その後にジリジリと値を戻す展開が続いています。それだけ「円売り」の需要が大きいのかもしれません。片山財務相三村財務官「断固たる措置」と明言している以上、米ドル/円がさらに上昇するならば、今後も為替介入が実施される可能性は否定できません。

本邦当局が為替介入を実施する場合、ある程度の制約はあります。
米ドル売り円買いの場合は、米ドル買い円売りと違って外貨準備の範囲内でしか実施できません。日本の外貨準備高は今年3月末時点で1.37兆ドルあり(中国に次ぐ世界2位)、数兆円程度の介入に困ることはないでしょう。ただ、22年の介入実施前後のように外貨準備が大きく減少する状況は避けたいかもしれません。

外貨準備

IMFの定義によれば、日本の通貨政策は「自由変動相場制」に分類されています。介入が全くできないわけではありませんが、半年で3回(連続3営業日以内を1回とカウント)までとの指摘もあるようです。ただ、それも厳密なルールというより暗黙の了解に近い類のようです。それ以上の介入を行っても、罰則があるわけでもありません。為替相場に関与する当局の度合いがやや強まる「変動相場制」へとカテゴリーが変更される可能性はあるものの、それもあくまでIMFの分類に過ぎません。その他にも、「管理相場制(※1)」「ソフトな固定相場制(※2)」「ハードな固定相場制」などがあり、それらがさらに細かく分類されています。

※1 金融政策に代えて自国通貨の実効レートを誘導して経済政策を行うシンガポールなど
※2 少しずつ相場水準を変えて誘導する(通常は切り下げ)クローリング・ペッグなど

為替介入には間接的なデメリットもあります。自国経済のために為替相場を操作していると批判を受ける可能性があり、貿易相手国との交渉では不利に働くかもしれません。とりわけ、米財務省は半期に1度の為替政策報告書を公表しており、そこで「為替操作国」と認定されるかもしれません。

本邦当局による「断固たる措置」が今後も続くのか、大いに注目されます。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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