イラン情勢に引き続き注目
2026/04/16 08:55
【ポイント】
・米国とイランの2回目の和平協議がどうなるか
・米イランの停戦期間の延長は?
・米経済指標で市場のFRB金融政策見通しが変化するか
(欧米市場レビュー)
15日、欧米時間の外為市場では円が軟調に推移し、一時ユーロ/円は187.674円、豪ドル/円は114.049円へと上昇し、それぞれ99年1月のユーロ導入後の最高値、90年10月以来35年6カ月ぶりの高値を記録。また、英ポンド/円は215.842円、NZドル/円は94.041円へと上昇する場面がありました。米国とイランの2回目の和平協議開催への期待(リスクオフの後退)のほか、日銀の植田総裁の13日の挨拶を受けて日銀による早期の追加利上げ観測が後退したことが、円の重石となったとみられます。
植田総裁は13日の信託大会での挨拶(氷見野副総裁が代読)で、「中東情勢の緊迫化を受けて、国際金融市場では不安定な動きがみられるほか、原油価格も大幅に上昇しており、今後の動向には注意が必要」、「今後は、中東情勢がなお不透明な状況にあることを踏まえ、その帰趨や、それが経済・物価・金融情勢に及ぼす影響を注視しつつ、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検していきたい」などと述べました。
米ドルも対円を除いて軟調。一時米ドル/カナダドルは1.37261カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.27042シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.18024ドル、豪ドル/米ドルは0.71743米ドルへと上昇しました。リスクオフが後退したことが、安全資産とされる米ドルの重石となりました。
片山財務相とベッセント米財務長官がワシントンで会談しました。片山財務相は会談後、ベッセント長官との会談では為替の議論も行ったとし、そのうえで「必要なら断固たる措置を取る」と述べました。
(本日の相場見通し)
トランプ米大統領は14日、米国とイランの2回目の和平協議がパキスタンの首都イスラマバードで今後2日以内に開かれる可能性があるとの認識を示しました。また、同じく14日には、ロイター通信が複数の情報筋の話として米国とイランは週内にも再び協議を行う可能性があると報じました。
また、米メディアは15日に「米国とイランは、来週半ばまでとなっている停戦期間を2週間延長することを検討している」と報じました(ただし、米ホワイトハウスのレビット報道官はこの報道を否定)。
米国とイランの和平協議や停戦期間の延長について新たなニュースが出てくるのかどうか注目です。新たなニュースによって、和平協議進展や停戦延長への期待が高まれば、リスクオフは一段と後退して、原油価格には下押し圧力が加わりそう。リスクオフの後退は米ドルや円にとってマイナス、原油価格の下落はノルウェークローネなど産油国の通貨にとってマイナスになると考えられます
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米国の先週分の新規失業保険申請件数や4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月鉱工業生産が本日発表されます。
市場予想は以下のとおり。( )は前回の実績です。フィラデルフィア連銀製造業景気指数はゼロが業況判断の分かれ目です。
・新規失業保険申請件数:21.5万件(21.9万件)
・フィラデルフィア連銀製造業景気指数:10.0(18.1)
・鉱工業生産(前月比):0.1%(0.2%)
市場では、FRB(連邦準備制度理事会)は少なくとも26年末まで政策金利を現行の3.50~3.60%に据え置くとの見方が優勢。CMEのFedWatchツールに基づくと、15日時点で市場が織り込む26年末まで政策金利が据え置かれる確率は約65%。利下げが行われる確率は約34%(利上げは約1%)織り込まれています。
新規失業保険申請件数などが市場予想と比べて強い結果になれば、FRBによる追加利下げ観測が後退する可能性があり、その場合には米ドルの下支え要因になりそうです。
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