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米国とイランの停戦合意でリスクオフが大きく後退

2026/04/09 07:27

【ポイント】
・停戦合意を受けて株高、原油下落、米ドル安
・停戦合意は順守されるか、ホルムズ海峡の封鎖は解かれるか
・米PCEで景況感は一段と悪化するか

(欧米市場レビュー)

米国とイランが2週間の停戦で合意したことで、投資家のリスクオフが大きく後退しました。ユーロ・ストックス50など欧州の株価指数は前日終値から5%近く上昇(FTSE100は2.5%上昇)。NYダウは1,325ドル(2.85%)上昇しました。WTI原油価格が急落したことで(停戦合意前の110ドル台から一時91ドルへ)、米長期金利(10年物国債利回り)はいったん低下しましたが、株高などを受けて前日終値近辺まで反発しました。

リスクオフの後退によって米ドルが全面安となり、リスク感応度の大きい南アフリカランドNZドルなどが堅調でした。ただ、原油価格の下落により、産油国通貨のカナダドルノルウェークローネは軟調でした。

RBNZ(NZ中銀)は政策会合で据え置きを決定したものの、声明や総裁会見がタカ派的と受け止められたこともNZドルの上昇に寄与しました。豪ドル/NZドルは一時1.20661NZドルまで下落しました。

■8日付け「【PM】RBNZはタカ派的な据え置き、NZドルが堅調」をご覧ください。

米FOMC議事録(3月17-18日開催分)によれば、中東情勢次第で利上げが必要になる可能性が指摘されていました。議事録の公表後に米ドルは小幅に反発しました。

■9日付け「米FOMC議事録:利上げと利下げの両にらみ!?」をご覧ください。

(本日の相場材料)

米国とイランが(イスラエルも)一時的な停戦で合意したものの、今後はそれが順守されるか長期の停戦あるいは戦争終結につながるかが重要となりそうです。停戦の条件となったホルムズ海峡の封鎖は依然として解かれていない模様。米国とイランの交渉は11日からパキスタンで行われる予定です。

本日も停戦交渉の見通しや原油価格の動向が相場材料になるかもしれません。ホルムズ海峡の動向も重要でしょう。

本日は米国の2月PCE(個人消費支出)が発表されます。PCEデフレーターはFRBが重視するインフレ指標です。食料とエネルギーを除くコア(1月は前年比3.1%)が注目されます。ただし、米国とイスラエルによるイラン攻撃が始まったのは2月28日でした。したがって、原油高の影響をある程度知るためには明日10日発表の3月CPIを待つ必要があります。

PCEでは支出額も注目です。アトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)によれば、7日時点で1-3月期GDPは前期比年率1.3%と予測されています。同予測は日にちの経過とともに低下しており、PCEを受けて予測値が一段と低下するようなら、景気に対する懸念が強まりそうです。その場合、FOMCの利下げ観測が高まり、米ドルの重石になるかもしれません。

メキシコのCPIも発表されます。こちらは3月分であり、原油高の影響で2月の前年比4.02%から4.64%へ伸びが高まると予想されています。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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