トランプ大統領がイラン攻撃の2週間停止に同意、米ドルや原油価格が急落
2026/04/08 09:00
【ポイント】
・市場ではイラン情勢をめぐる懸念が後退
・RBNZ(NZ中銀)の利上げに慎重な姿勢は変化するか
(欧米市場レビュー)
7日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は159.452円、米ドル/カナダドルは1.38862カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.28128シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.15997ドル、英ポンド/米ドルは1.32949ドルへと上昇しました。パキスタンがトランプ米大統領に対し、イランとの交渉期限を2週間延長するように要請したことが、安全資産とされる米ドルにとって重石となりました。
ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(ノックセック)は一時0.98774スウェーデンクローナへと上昇し、24年12月上旬以来の高値をつけました。原油価格が堅調に推移したことや、スウェーデンの3月CPI(消費者物価指数)速報値が市場予想を下回ったことが、ノックセックの上昇要因となりました。
スウェーデンのCPI速報値の結果は、総合が前年比0.6%、住宅ローン金利変動の影響を除外したCPIFが同1.6%。市場予想はそれぞれ1.2%と2.2%でした。
(本日の相場見通し)
トランプ米大統領は米東部時間7日午後6時30分頃(日本時間8日午前7時30分頃)、自身のSNSで、パキスタンのシャリフ首相からイランに対する攻撃を控えるよう要請されたとし、「イランへの爆撃と攻撃を2週間停止することに同意した」と表明。その理由として、軍事目標は全て達成したこと、「イランとの交渉が非常に順調に進んでいる」ことを挙げました。ホワイトハウス当局者によると、「停戦はイランがホルムズ海峡を開放した時点で発効する」とのことです。
米CNNテレビはホワイトハウス当局者の話として「イスラエルも2週間の停戦に同意した」と報道し、米紙NYタイムズは「イランは2週間の停戦を受け入れた」と報じました。
イラン国営メディアは、イランはパキスタンを通じて米国に10項目の提案を出したとし、「米国との協議は、パキスタンの首都イスラマバードで10日から始まる。協議は最大15日間行われ、双方の合意があれば延長される可能性もある」と報じました。
市場ではイラン情勢をめぐる懸念が後退し、米ドルや原油価格が急落。一時米ドル/円は158円台半ば、米ドル/カナダドルは1.38カナダドル台半ば、米ドル/シンガポールドルは1.27シンガポールドル台半ばへと下落し、ユーロ/米ドルは1.17ドル近辺へと上昇しました。米WTI原油先物の中心限月5月物は、時間外取引で一時1バレル=91ドル台をつけました。5月物の7日の清算値(終値に相当)は112.95ドルでした。
米ドルや原油価格は引き続き軟調に推移する可能性があります。原油価格が一段と下落すれば、ノックセックは下値を試す展開になると考えられ、目先の下値メドとして、3月23日安値の0.95255スウェーデンクローナが挙げられます。
***
RBNZ(NZ中銀)の政策会合が本日開かれます。会合の結果は日本時間午前11時に判明し、正午からブレマンRBNZ総裁がオンラインで会見する予定です。
RBNZは前回2月18日の政策会合で政策金利を2.25%に据え置きました。市場では、今回も政策金利は据え置かれるとの見方が大勢です。
原油価格の高止まりを受け、市場ではRBNZの利上げは早まるとの観測があります。OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、利上げは7月に行われるとの見方が優勢です。
一方、ブレマン総裁は3月24日の講演で、利上げに慎重な姿勢を示しました。ブレマン総裁は「短期間の混乱に対応して金融政策を引き締めれば、(政策の効果が波及するにはタイムラグがあるため)短期のインフレ率は改善せず、経済成長を抑制するだけだ」と指摘。「中期的なインフレの動向に影響を与える可能性が低いのであれば、短期間の混乱やエネルギー価格の一時的な上昇は、金融政策の観点からは見過ごすことができる」と語りました。
本日のブレマン総裁の会見などで利上げに慎重な姿勢が改めて示されれば、市場ではRBNZによる利上げ観測が後退するとともに、NZドルにとってマイナスになりそう。その場合、NZドル/円やNZドル/米ドルは軟調に推移し、豪ドル/NZドルは堅調に推移するとみられます。
※NZドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[NZドル/円、RBNZ会合&総裁会見が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
