トランプ大統領がイラン攻撃に言及、イラン情勢には引き続き要注意
2026/04/06 09:09
【ポイント】
・ホルムズ海峡の開放期限は米東部時間7日午後8時に延期!?
・イラン情勢をめぐるトランプ大統領の発言やメディア報道に注目
・米ドル/円が160円に近づくなか、本邦当局の対応は?
(欧米市場レビュー)
3日、欧米時間の外為市場では米ドルが強含み。一時米ドル/円は159.685円、米ドル/カナダドルは1.39446カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.28685シンガポールドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.15030ドル、英ポンド/米ドルは1.31851ドル、豪ドル/米ドルは0.68820米ドルへと下落しました。米国の3月雇用統計は、失業率が4.3%、非農業部門雇用者数が前月比17.8万人増となり、いずれも市場予想(それぞれ4.4%と6.5万人増)と比べて強い結果でした。そのことが米ドルにとってプラスになりました。
※米雇用統計について詳しくは、4日の『ファンダメ・ポイント』[3月米雇用統計は大幅増、失業率は低下。市場の反応は週明け?]をご覧ください。
(本日の相場見通し)
OPECプラスの有志8カ国(※)は5日にオンライン会合を開き、5月に原油の生産量を日量20.6万バレル増やすことで合意しました。ただ、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡は現在イランによって事実上封鎖されており、原油の増産分が実際に市場に供給されるかは不透明です。OPEC筋によると、今回の決定はホルムズ海峡の事実上の封鎖が解除され次第、原油の生産量を増やす用意があることを示すものとのこと。
(※)サウジアラビア、ロシア、イラク、UAE(アラブ首長国連邦)、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン
米国のトランプ大統領は5日、米紙WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)のインタビューで「(米東部時間)7日夜までにイランがホルムズ海峡の開放に同意しなければ、イランの発電所と橋は一つも残らないだろう」と発言。同じく5日には自身のSNSに「火曜日(7日)はイランにおいて発電所の日と橋の日になる。ホルムズ海峡を開けろ。さもなければ地獄で暮らすことになる」と投稿し、その後「火曜日、東部時間午後8時(日本時間8日午前9時)」とだけ投稿しました。トランプ大統領はこれまで、ホルムズ海峡の開放期限を米東部時間6日午後8時(日本時間7日午前9時)としていました。期限が24時間延期された可能性があります。
米WTI原油先物は米東部時間5日午後(日本時間6日午前)の時間外取引で上昇。中心限月5月物は一時1バレル=115ドル台をつけました。5月物の2日の清算値(終値に相当)は111.54ドルでした(3日はグッドフライデーでNYマーカンタイル取引所は休場)。トランプ大統領がイランの発電所などを攻撃する可能性に言及したことが、OPECプラスの増産方針よりも強く原油先物市場で意識されているとみられます。
イラン情勢をめぐるトランプ大統領の発言やメディア報道には引き続き要注意です。トランプ大統領は米東部時間6日午後1時(日本時間7日午前2時)にホワイトハウスで記者会見を行う予定です。
イラン情勢をめぐる懸念が一段と高まる場合、原油価格が堅調に推移するとともに、リスクオフ(リスク回避)が強まると考えられます。原油価格の上昇はノルウェークローネなど産油国の通貨にとって、リスクオフが強まることは安全資産とされる米ドルにとってそれぞれプラスになると考えられます。
本日は、英国やドイツ、豪州、NZ、ノルウェー、スウェーデン、南アフリカなどがイースターマンデーの祝日です。グッドフライデーだった3日に続いて外為市場では参加者が通常よりも少なく流動性が低下するため、値動きが増幅する可能性があります。
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米ドル/円が160円に近づくなか、本邦当局の対応にも注目です。
足もとの米ドル高・円安について、三村財務官は3月30日に「原油先物市場に加えて、為替市場においても投機的な動きが高まっているとの声が聞こえる」と指摘し、「この状況が続けば、そろそろ断固たる措置も必要になる」と述べました。
片山財務相は4月3日、閣議後の会見で「原油先物も為替も、投機的な動きが高まっている」との認識を示し、「かねてからも断固たる措置にも言及している。あらゆる方面で万全の対応を取る」と述べました。また、同日の参院予算委員会で、断固たる措置とは為替介入のことなのか?と問われると、片山財務相は「必要ならそういう措置を取れることになっており、万全に対応する」と答えました。
仮に本邦当局が為替介入(米ドル売り・円買い介入)に踏み切るようなら、米ドル/円は大きく下落し、ユーロ/円や豪ドル/円など対円の通貨ペアはそれに引きずられると考えられます。
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米国の3月ISM非製造業景況指数が本日発表されます(日本時間23:00)。
ISM非製造業景況指数の市場予想は55.0と、22年7月以来の高水準だった前月の56.1から低下するものの、業況判断の分かれ目である50は引き続き上回るとみられています。
このところ発表された米国の経済指標は、以下のとおり市場予想と比べて強い結果が続いています。
<4月1日発表>
・3月ADP雇用統計(前月比):6.2万人増(市場予想4.0万人増)
・2月小売売上高(前月比):0.6%(同0.5%)
・2月小売売上高(自動車を除く、前月比):0.5%(同0.3%)
・3月ISM製造業景況指数:52.7(同52.3)
<2日発表>
・前週分の新規失業保険申請件数:20.2万件(同21.2万件)
<3日発表>
・3月失業率:4.3%(同4.4%)
・3月非農業部門雇用者数:17.6万人増(同6.5万人増)
本日発表のISM非製造業景況指数も市場予想と比べて強い結果になれば、米ドルにとってのプラス材料になるとみられます。
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