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トランプ大統領の演説で米ドル高、原油高が進行

2026/04/03 09:11

【ポイント】
・外為市場は中東情勢に関するニュースに敏感に反応しやすい状況
・欧州などの祝日で市場の流動性が低下、値動きが増幅される可能性も
・米雇用統計で市場のFRB金融政策見通しが変化するか
・米ドル/円が再び160円に近づくなか、本邦当局の対応は?

(欧米市場レビュー)

2日、欧米時間の外為市場では米ドルが全面高の展開。一時米ドル/円は159.699円、米ドル/カナダドルは1.39287カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.28769シンガポールドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.15077ドル、英ポンド/米ドルは1.31816ドル、豪ドル/米ドルは0.68582米ドルへと下落しました。トランプ米大統領が国民向けの演説で中東での紛争終結の時期を示さなかったことが、安全資産とされる米ドルにとってプラスになりました、

トランプ大統領は演説で「今後2~3週間、(イランに対して)激しい攻撃を行う」と述べました。「その間も協議は継続する」とし、「合意に至らなければ、米国はイランの発電所や石油施設を攻撃する」などと語りました。

原油価格は急伸し、米WTI原油先物の中心限月5月物は前日比11.42ドル高(11.4%)の1バレル=111.54ドルで取引を終えました。トランプ大統領の演説を受けて中東での紛争が早期に終結するとの期待が後退したことが上昇要因となり、5月物は一時113.97ドルをつけました。

(本日の相場見通し)

外為市場は引き続き中東情勢に関するニュースに敏感に反応しやすい状況です。トランプ大統領の発言やメディア報道によって中東での紛争が終結するとの期待が高まれば米ドルが軟調に推移し、逆に紛争終結への期待が後退すれば米ドルが堅調に推移する傾向がみられます。中東情勢をめぐり新たなニュースが出てくれば、相場材料になりそうです。

トランプ大統領は3月26日に自身のSNSで「イランのエネルギー施設への攻撃を4月6日午後8時(日本時間7日午前9時)まで延期する」と表明しました。

本日は、グッドフライデーで英国やドイツ、フランス、カナダ、豪州、NZ、ノルウェー、スウェーデン、メキシコ、南アフリカなどが祝日です。外為市場では参加者が減少して流動性が低下するため、中東情勢などで新たなニュースが出てきた場合には値動きが増幅される可能性があります。

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米国の3月雇用統計が本日発表されます(日本時間21:30)。その結果が相場材料になる可能性があります。

雇用統計の市場予想は、失業率が4.4%、非農業部門雇用者数が前月比6.5万人増。失業率は前月と同じになる一方、非農業部門雇用者数は前月の9.2万人減からプラスに転じるとみられています。

4月1日と2日に発表された米国の経済指標は、以下のとおり総じて市場予想と比べて強い結果でした。

・ADP雇用統計(前月比):6.2万人増(市場予想4.0万人増)
・小売売上高(前月比):0.6%(同0.5%)
・小売売上高(自動車を除く、前月比):0.5%(同0.3%)
・ISM製造業景況指数:52.7(同52.3)
・新規失業保険申請件数:20.2万件(同21.2万件)

本日発表の米雇用統計も市場予想よりも強い結果になれば、市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)による追加利下げ観測が後退するとともに、米ドルにとってプラス材料になりそうです。

本日はグッドフライデーで米国の株式市場と商品市場は休場、債券市場は短縮取引となります。

※市場のFRB金融政策見通しについて詳しくは、本日の『ファンダメ・ポイント』[原油高騰で金融政策見通しが様変わり・・・]をご覧ください。

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米ドル/が再び160円に近づくなか、本邦当局の対応にも注目です。

足もとの米ドル高・円安について、三村財務官は3月30日に「原油先物市場に加えて、為替市場においても投機的な動きが高まっているとの声が聞こえる」と指摘し、「この状況が続けば、そろそろ断固たる措置も必要になる」と述べました。

片山財務相は31日、三村財務官と同様に「原油先物市場だけではなく、為替市場も非常に投機的になっている」との認識を示しました。そのうえで、「かねてから私は断固たる措置にも言及している」とし、「あらゆる方面で万全の対応をとっていきたい」と語りました。

仮に本邦当局が為替介入(米ドル売り・円買い介入)に踏み切るようなら、米ドル/は大きく下落し、ユーロ/円や豪ドル/円など対円の通貨ペアはそれに引きずられると考えられます。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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