マネースクエア マーケット情報

パウエル議長はどうする? どうなる? 今後のシナリオ

2026/03/26 08:19

【ポイント】
・パウエル議長の任期満了後には様々なシナリオがありえる
・議長や理事会の過半数がトランプ政権寄りとなれば、米ドルに下押し圧力?
・パウエル議長が理事として留まるなど、政治圧力に抵抗するケースも

パウエルFRB議長の任期満了(5月15日)まで約1カ月半。事態がどう進展するのか、依然として非常に流動的です。

トランプ大統領は3月4日、ウォーシュ元理事をパウエル議長の後任に正式指名しました。しかし、パウエル議長への召喚状問題に絡んで議長就任に必要な上院での承認の見通しが立っていません。

■3月13日付け「ウォーシュ氏を正式指名、上院の承認は?」

一方、パウエル議長は議長としての任期が満了しても、少なくとも召喚状問題が解決するまでは理事として残るとの意向を表明しています(理事の任期は28年1月まで)。

今後、どんな展開となるのか。いくつかのシナリオを検討しました。

(1)ウォーシュ氏が議長に。パウエル議長はFRBを去り、トランプ大統領が後任理事を指名
召喚状問題が解決して(※)、ウォーシュ氏の指名が上院で承認、パウエル議長は理事を辞任します。新たな理事を含めて理事7人のうち過半数(4人)がトランプ政権寄りとなり、制度設計やルール改定ではトランプ政権の意向が反映されやすくなります。ただし、金融政策はFOMCで12人の投票メンバーによる多数決で決定されるため、トランプ政権の思い通りにはならないでしょう。原油高騰を受けて、市場ではFRBの「次の一手」は利上げとの見方が広がりつつあります。

※検察サイドでもFRB本部改築に関する違法の証拠は持っていないとする報道があります。一方、FRBは召喚状を無効とする訴訟を起こした模様です。

(2)ウォーシュ氏が議長に就任。パウエル議長が理事として留任
召喚状問題が解決しても、パウエル議長がFRBの独立性を守るために理事に留まり続ける可能性はあります。パウエル議長は21日、「政治的圧力や痛みを伴う景気後退にもかかわらず、インフレ抑制に強くコミットした」としてボルカー元議長を称賛。トランプ政権の圧力に抵抗する強い意志を示したと言えそうです。

(3)ウォーシュ氏の承認が得られず、パウエル議長が任期満了後も「臨時議長」として継続
後任が正式に就任するまでは任期満了後も職務を継続できます。パウエル議長は前例を挙げて「法律がそう定めている」と明言しています。ただ、召喚状問題が解決すれば、上院のウォーシュ氏承認に問題はないとみられるため、パウエル臨時議長は短期間で終わりそうです。

(4)ウォーシュ氏の承認が得られず、パウエル議長も臨時議長にならない
パウエル議長がFRBを去るか、あるいは臨時議長を辞退するケースもありえます。その場合は、副議長(現在ジェファーソン氏)が議長代行となります。可能性はほとんどないですが、副議長も不在の場合はFRB理事会が理事のなかから臨時議長を選出するとの規定があります。トランプ政権が強引に臨時議長を任命しようとする可能性も否定できないようです。ただ、その場合はFRBトップに空白が生じて市場に不安感が広がるかもしれません。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ