米FRB以外はみんな利上げへ?
2026/03/20 06:32
【ポイント】
・今週は利上げしたRBAを除き主要中銀が据え置き決定
・BOJのみならず、ECBやBOEも利上げを視野に?
・利下げ含みのFRBと対照をなし、米ドル安の材料に
・主要中銀の最大の関心は、中東情勢がどう展開するか
19日、BOJ(日銀)、リクスバンク(スウェーデン中銀)、BOE(英中銀)、ECB(欧州中銀)の政策会合が開催されました。いずれも、政策金利は据え置きでしたが、原油価格の上昇によるインフレ圧力に対して、利上げを視野に入れつつあるようです。引き続き利下げ方向とみられる米FRBと好対照をなしています。米ドルは19日、主要通貨に対してほぼ全面安の展開でした。
19日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、主要中銀の次の一手(確率5割超)と26年の残りの政策は以下の通り(変更幅はいずれも0.25%の想定)。
FRB:据え置き継続(12月までに利下げする確率は3割弱)
BOJ:4月に利上げ(10月に追加利上げ)
ECB:4月に利上げ(7月と9月に追加利上げ)
BOE:4月に利上げ(6月と9月に追加利上げ)
BOC(カナダ):7月に利上げ(10月に追加利上げ)
RBA(豪州):5月に利上げ(8月と9月に追加利上げ)
RBNZ(NZ)7月に利上げ(10月に追加利上げ)
リクス:6月に利上げ(市場予想は8月まで)
ノルゲ(ノルウェー):6月に利上げ(市場予想は8月まで)
*******
BOJ:中東情勢の影響が一時的ならば利上げは可能
金融政策決定会合は8対1で政策金利を0.75%に据え置きました(高田委員が0.25%利上げを主張)。
植田総裁は記者会見で、地政学リスクの高まりによる景気下押し圧力は一時的にとどまる可能性が高いとしたうえで、「仮に景気が減速し、それが一時的かつ物価の軌道にあまり影響しないのであれば、その場合はもちろん利上げすることは可能だ」と述べました。
米ドル/円は159円台後半で推移していましたが、植田総裁の記者会見中、かつ欧州勢の参加が本格化する午後4時ごろから下落しはじめ、20日午前4時過ぎには157円ミドル付近まで下落しました(いずれも日本時間)。
ECB:4月の利上げもあり得る
理事会は政策金利(中銀預金金利)を2.00%に据え置きました。声明では、「中東情勢は見通しを一段と不透明にしている。インフレの上振れリスク、景気の下振れリスクが強まった」とされました。ただ、「中期的な影響は軍事衝突の度合いと長さに依存する」としつつ、「エネルギー価格の上昇を通じて短期的にインフレに重要な影響を及ぼすだろう」との判断が示されました。
ECB関係者によれば、インフレが目標を大きく上回るならば、次回4月の理事会でも利上げする準備があるとのこと。今回公表されたECBスタッフの経済見通し(基本シナリオ)では、26年のCPI予想が2.6%と前回(昨年12月)予想の1.9%から上方修正されました。そして、26年のCPIは悪いシナリオでは3.5%、最悪のシナリオでは4.4%になるとの予想です。
ラガルド総裁は会見で、「我々は明らかになりつつあるメジャーなショックに対応する良い位置におり、十分なツールを持っている」と述べました。次回のスタッフ見通しが発表される6月の利上げの可能性が高そうですが、状況によってはそれを待たずに4月の利上げもありうるようです。
BOE:インフレに対応する用意あり!?
MPC(金融政策委員会)は9対0で政策金利を3.75%に据え置きました。声明では、エネルギー価格の上昇が長期化する可能性にも言及があり、「金融政策は国際的なエネルギー価格に影響を与えることはできないものの、2%のインフレ目標を持続的に達成できるようにそれに対応する」と述べられました。そして、「状況を緊密にモニターし、インフレが中期的に目標に向けて回帰するよう必要なことを行う」と締めくくられました。
声明では「エネルギー価格の上昇は景気を減速させる可能性があり、それがインフレにどう影響するかを検証している」と述べられたこともあり、ベイリー総裁は会合後に「(利上げという)強い結論に飛びつくべきではない」と注意を促したものの、利上げを視野に入れたようです。
英長期金利(10年物国債利回り)は大幅に上昇して一時4.914%と、08年リーマン・ショック以降のピークである25年1月の4.921%に限りなく接近しました。
前回2月の据え置きは5対4の僅差(4人が0.25%利下げを支持)、先行きの利下げを視野に入れていました。
リクスバンク:利上げバイアス?
リクスバンクは昨年9月に政策金利を1.75%に引き下げ、その後は据え置き。今回も据え置きでした。声明では、「政策金利は今後しばらく、現在の水準にとどまると予想される」との昨年9月以降の文言が繰り返されました。ただし、「しかしながら、中東の戦争が予測を非常に不透明にしている。リクスバンクは状況を注意深くモニターし、インフレの見通しや景気の動向次第では金融政策を調節する」として冒頭の要約を締めくくっています。
・今週は利上げしたRBAを除き主要中銀が据え置き決定
・BOJのみならず、ECBやBOEも利上げを視野に?
・利下げ含みのFRBと対照をなし、米ドル安の材料に
・主要中銀の最大の関心は、中東情勢がどう展開するか
19日、BOJ(日銀)、リクスバンク(スウェーデン中銀)、BOE(英中銀)、ECB(欧州中銀)の政策会合が開催されました。いずれも、政策金利は据え置きでしたが、原油価格の上昇によるインフレ圧力に対して、利上げを視野に入れつつあるようです。引き続き利下げ方向とみられる米FRBと好対照をなしています。米ドルは19日、主要通貨に対してほぼ全面安の展開でした。
19日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、主要中銀の次の一手(確率5割超)と26年の残りの政策は以下の通り(変更幅はいずれも0.25%の想定)。
FRB:据え置き継続(12月までに利下げする確率は3割弱)
BOJ:4月に利上げ(10月に追加利上げ)
ECB:4月に利上げ(7月と9月に追加利上げ)
BOE:4月に利上げ(6月と9月に追加利上げ)
BOC(カナダ):7月に利上げ(10月に追加利上げ)
RBA(豪州):5月に利上げ(8月と9月に追加利上げ)
RBNZ(NZ)7月に利上げ(10月に追加利上げ)
リクス:6月に利上げ(市場予想は8月まで)
ノルゲ(ノルウェー):6月に利上げ(市場予想は8月まで)
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BOJ:中東情勢の影響が一時的ならば利上げは可能
金融政策決定会合は8対1で政策金利を0.75%に据え置きました(高田委員が0.25%利上げを主張)。
植田総裁は記者会見で、地政学リスクの高まりによる景気下押し圧力は一時的にとどまる可能性が高いとしたうえで、「仮に景気が減速し、それが一時的かつ物価の軌道にあまり影響しないのであれば、その場合はもちろん利上げすることは可能だ」と述べました。
米ドル/円は159円台後半で推移していましたが、植田総裁の記者会見中、かつ欧州勢の参加が本格化する午後4時ごろから下落しはじめ、20日午前4時過ぎには157円ミドル付近まで下落しました(いずれも日本時間)。
ECB:4月の利上げもあり得る
理事会は政策金利(中銀預金金利)を2.00%に据え置きました。声明では、「中東情勢は見通しを一段と不透明にしている。インフレの上振れリスク、景気の下振れリスクが強まった」とされました。ただ、「中期的な影響は軍事衝突の度合いと長さに依存する」としつつ、「エネルギー価格の上昇を通じて短期的にインフレに重要な影響を及ぼすだろう」との判断が示されました。
ECB関係者によれば、インフレが目標を大きく上回るならば、次回4月の理事会でも利上げする準備があるとのこと。今回公表されたECBスタッフの経済見通し(基本シナリオ)では、26年のCPI予想が2.6%と前回(昨年12月)予想の1.9%から上方修正されました。そして、26年のCPIは悪いシナリオでは3.5%、最悪のシナリオでは4.4%になるとの予想です。
ラガルド総裁は会見で、「我々は明らかになりつつあるメジャーなショックに対応する良い位置におり、十分なツールを持っている」と述べました。次回のスタッフ見通しが発表される6月の利上げの可能性が高そうですが、状況によってはそれを待たずに4月の利上げもありうるようです。
BOE:インフレに対応する用意あり!?
MPC(金融政策委員会)は9対0で政策金利を3.75%に据え置きました。声明では、エネルギー価格の上昇が長期化する可能性にも言及があり、「金融政策は国際的なエネルギー価格に影響を与えることはできないものの、2%のインフレ目標を持続的に達成できるようにそれに対応する」と述べられました。そして、「状況を緊密にモニターし、インフレが中期的に目標に向けて回帰するよう必要なことを行う」と締めくくられました。
声明では「エネルギー価格の上昇は景気を減速させる可能性があり、それがインフレにどう影響するかを検証している」と述べられたこともあり、ベイリー総裁は会合後に「(利上げという)強い結論に飛びつくべきではない」と注意を促したものの、利上げを視野に入れたようです。
英長期金利(10年物国債利回り)は大幅に上昇して一時4.914%と、08年リーマン・ショック以降のピークである25年1月の4.921%に限りなく接近しました。
前回2月の据え置きは5対4の僅差(4人が0.25%利下げを支持)、先行きの利下げを視野に入れていました。
リクスバンク:利上げバイアス?
リクスバンクは昨年9月に政策金利を1.75%に引き下げ、その後は据え置き。今回も据え置きでした。声明では、「政策金利は今後しばらく、現在の水準にとどまると予想される」との昨年9月以降の文言が繰り返されました。ただし、「しかしながら、中東の戦争が予測を非常に不透明にしている。リクスバンクは状況を注意深くモニターし、インフレの見通しや景気の動向次第では金融政策を調節する」として冒頭の要約を締めくくっています。
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