米PPIやカナダGDPが相場材料になりそう
2026/02/27 09:05
【ポイント】
・東京都区部CPIはコアが市場予想を上振れる
・米PPIでFRBの追加利下げ観測が一段と後退するか
・カナダGDPで市場のBOC金融政策見通しが変化するか
(欧米市場レビュー)
26日、欧米時間の外為市場では円が堅調に推移。一時米ドル/円は155円台後半、ユーロ/円は183.799円、英ポンド/円は210.254円、豪ドル/円は110.225円、NZドル/円は92.933円へと下落しました。日銀の植田総裁や高田審議委員の発言のほか、米株式市場でナスダックなど主要な株価指数が軟調に推移する中でリスクオフ(リスク回避)が強まったことが、円の支援材料となりました。
植田総裁は読売新聞とのインタビューで「展望レポートで示した見通しが実現する可能性が高まったと判断されれば、緩和度合いを調整するのが基本スタンスだ」と述べました。市場での4月の追加利上げ観測について問われると、「3月と4月の決定会合までに得られる情報を丹念に点検したうえで意思決定したい」と語りました。インタビューは24日に行われ、26日付の読売新聞に掲載されました。
高田審議委員は京都府金融経済懇談会で「今後、海外中心に物価上昇要因が生じた場合、日本でも物価が予想以上に上振れするリスクも念頭に置く必要がある」と述べました。そのうえで、「もう一段ギアシフトを行いつつ、物価安定の目標の実現に概ね達していることを前提にしたコミュニケーションを行う必要がある」などと語りました。高田審議委員は9人の政策委員の中で利上げに前向きなタカ派であり、前回1月22-23日の政策会合では0.25%の利上げを支持し、政策金利の据え置きに唯一反対しました。
(本日の相場見通し)
日本時間午前8時30分、2月の東京都区部CPI(消費者物価指数)が発表されました。東京都区部CPIは全国CPIの先行指標とされます。
東京都区部CPIの結果は、生鮮食品を除いたコアが前年比1.8%と、上昇率は前月の2.0%から鈍化したものの、市場予想の1.7%を上振れました。また、総合は同1.6%、生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアは同2.5%と、それぞれ前月の1.5%と2.4%からやや上昇率が高まりました。
これらの結果を受けて、米ドル/円やユーロ/円など対円の通貨ペアが軟化しました。東京都区部CPIの結果が市場で引き続き意識されれば、対円の通貨ペアは軟調に推移する可能性があります。
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本日は、米国の1月PPI(生産者物価指数)が発表されます(日本時間22:30)。その結果が相場材料になる可能性があります。
PPIの市場予想は以下のとおりです。
・総合(前月比):0.3%
・総合(前年比):2.6%
・コア(前月比):0.3%
・コア(前年比):3.0%
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)による追加利下げ観測が後退しました。CMEのFedWatchツールによると、26日時点で市場が織り込む追加利下げ確率は、3月17-18日のFOMC(米連邦準公開市場委員会)で約4%、4月28-29日までで2割弱、6月16-17日までで約5割。1週間前の19日時点の利下げ確率は、3月が約5%、4月までで2割強、6月までは約6割でした。
PPIが市場予想を上回る結果になれば、FRBの追加利下げ観測が一段と後退すると考えられ、その場合には米ドルにとってのプラス材料にそうです。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、上下圧力が拮抗するレンジワークが継続しそう]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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カナダの25年10-12月期GDP(国内総生産)が本日発表されます(日本時間22:30)。GDPの市場予想は前期比年率換算マイナス0.2%と、成長率は2.6%と力強い伸びだった前期から減速し、2四半期ぶりにマイナスになるとみられています。
BOC(カナダ中銀)は前回1月28日の会合で政策金利を2.25%に据え置くことを決定。マックレムBOC総裁は会合後の会見で、「現在の政策金利(の水準)は引き続き適切」との認識を示す一方、「不確実性が高まっており、我々はリスクを注視している」とし、「(経済や物価の)見通しが変化すれば、我々は対応する用意がある」と述べました。
市場では、BOCは少なくとも26年末まで政策金利を据え置くとの見方が有力なものの、年末までに利下げするとの観測も一部にあります。
カナダのGDPが市場予想よりも強い結果になれば、BOCによる利下げ観測が後退すると考えられます。その場合にはカナダドルが堅調に推移しそうです。
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