FOMC議事録に注目! 市場が反応しそう
2025/12/30 09:00
【ポイント】
・FOMC議事録で市場のFRB利下げ観測がどのように変化するか
・原油価格が一段と上昇するか
・年末年始は市場参加者が減少して流動性が低下、値動きが増幅される可能性も
(欧米市場レビュー)
29日、欧米時間の外為市場では円が堅調に推移。一時米ドル/円は155.889円、ユーロ/円は183.457円、豪ドル/円は104.356円、NZドル/円は90.324円へと下落しました。18-19日に開かれた日銀金融政策決定会合における主な意見をタカ派的な内容と市場は受け止めて、円の支援材料になったようです。
日銀は19日の会合で0.25%の利上げを行い、政策金利を0.50%から0.75%に引き上げることを9人の政策委員全員一致で決定しました。
会合における主な意見は「日本の実質金利は群を抜いて世界最低水準」、「(政策金利を)0.75%に引き上げた後も実質金利は大幅なマイナス」、「中立的な金利水準まで、まだかなりの距離がある。当面は数カ月に一回のペースを念頭に、金融緩和度合いの調整を進めるべき」、「海外環境が今年の利下げ一辺倒の反動から、来年に向け利上げバイアスに一転する可能性もあるだけに、ビハインドザカーブになることを回避すべく、着実な利上げが望ましい」などがありました。
(本日の相場見通し)
本日は、FOMC(米連邦公開市場)議事録(12月9-10日開催分)が公表されます(日本時間31日04:00)。その内容に市場が反応しそうです。
12月9-10日のFOMCでは、0.25%の利下げを行うことが9対3で決定されました。ミランFRB理事は0.50%の利下げを、シュミッド・カンザスシティ連銀総裁とグールズビー・シカゴ連銀総裁は政策金利の据え置きを主張して反対しました。
本日公表される議事録における注目点は、FRBの先行きの金融政策について10日のFOMC時の声明文やパウエル議長の会見以上のヒントが提供されるかどうかになりそうです。
※声明文やパウエル議長の会見について詳しくは、11日の『ファンダメ・ポイント』[米FOMCはタカ派的利下げ!? 市場はもっと「タカ派」を想定していた?]をご覧ください。
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は早ければ26年3月に追加利下げを行うとの観測があります。CMEのFedWatchツールによると、29日時点で市場が織り込む利下げ確率は、次回26年1月27-28日のFOMCが約17%、次々回3月17-18日までで約5割です。
FOMC議事録の内容を受けてFRBによる追加利下げ観測が後退する場合、米ドルが堅調に推移しそう。その場合、米ドル/円や米ドル/カナダドル、米ドル/シンガポールドルには上昇圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには下落圧力が加わると考えられます。米ドル/シンガポールドルは引き続き200日移動平均線(30日時点で1.29437シンガポールドル)が上値メドです。
本日はまた、米国の12月シカゴ購買部協会景気指数が発表されます(日本時間23:45)。シカゴ購買部協会景気指数が市場予想は39.8と、業況判断の分かれ目である50は引き続き下回るものの、前月の36.3から改善するとみられています。市場予想からかい離する結果になれば、相場材料になるかもしれません。
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米WTI原油先物は29日に3営業日ぶりに反発しました。中心限月である26年2月物は前営業日比1.34ドル高(2.4%)の1バレル=58.08ドルで取引を終了。ウクライナ情勢や中東情勢をめぐる懸念が原油価格の上昇要因となりました。
ロシアは29日、ウクライナがドローンでロシア・ノブゴロド州のプーチン大統領の公邸を攻撃したと発表しました(ゼレンスキー・ウクライナ大統領は捏造だと攻撃を否定しました)。
内戦が続く中東のイエメンでは、サウジアラビアが26日に分離独立派の「南部暫定評議会」の拠点を空爆しました。サウジアラビアは暫定政権を支援しており、南部暫定評議会はUAE(アラブ首長国連邦)が支援しています。
原油価格の上昇が続く場合、ノルウェークローネやカナダドルなどの資源国通貨が堅調に推移する可能性があります。
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年末年始の外為市場は、市場参加者が通常よりも減少して流動性が低下します。そのため、突発的なニュースや仕掛け的な動きが出てきた場合には値動きが増幅する可能性があり、注意は必要です。
■「『大予想』 2026年の為替・株」が公開されています。ぜひご覧ください。
※「デイリーフラッシュ」は本日が年内最終です。ご愛読ありがとうございました。新年は1月5日(月)から配信する予定です。皆様におかれましては、どうぞ良いお年をお迎えください。
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