マネースクエア マーケット情報

東京都区部CPIで円安圧力が強まるか

2025/12/26 08:49

【ポイント】
・東京都区部CPIは弱い結果、日銀による追加利上げ観測が後退するか

(欧米市場レビュー)

25日、東京時間の外為市場は落ち着いた展開。豪州やNZ、米国、カナダ、欧州各国がクリスマスの休日ということもあって様子見ムードが強く、値幅(高値と安値の差)は米ドル/円が0.4円程度、ユーロ/円が0.5円程度、豪ドル/円やNZドル/円が0.3円程度にとどまりました。

日銀の植田総裁が経団連審議員会で講演し、利上げを継続する考えを改めて示したものの、市場は反応薄でした。

植田総裁は講演で「現在の実質金利は極めて低い水準」と指摘し、「経済・物価の中心的な見通しが実現すれば、経済・物価情勢の改善に応じて政策金利を(さらに)引き上げる」と述べました。また、「ここ数年、企業の賃金や価格設定行動は大きく変化している」とし、「経済に大きな負のショックが生じない限り、労働需給は引き締まった状況が続き、賃金には上昇圧力がかかり続ける」との認識を示しました。

(本日の相場見通し)

本日午前8時30分、12月の東京都区部CPI(消費者物価指数)が発表されました。生鮮食品を除いたコアCPIは前年比2.3%と、市場予想(2.5%)以上に前月の2.8%から上昇率が鈍化。2月以来10カ月ぶりの低い伸びとなりました。総合CPIは前年比2.0%と、上昇率は前月の2.7%から鈍化し、24年10月以来1年2カ月ぶりの低水準でした(総合の市場予想なし)。

全国CPIの先行指標である東京都区部CPIの結果を受けて、市場では日銀による追加利上げ観測が後退するかもしれません。追加利上げ観測が後退する場合、が軟調に推移して米ドル/円や豪ドル/円など対円の通貨ペアは堅調に推移しそうです。12月の全国CPIは26年1月23日に発表されます。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円は介入警戒感の下、往って来いの相場付きが継続しそう]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

本日は豪州やNZ、英国やドイツなど欧州各国、カナダが休日で、外為市場では市場参加者が減少して流動性が低下します。そのため、突発的なニュースや仕掛け的な動きが出てきた場合には値動きが増幅する可能性があり、注意は必要です。米国は休日ではなく、同国の株式市場や債券市場、商品市場は通常取引です。


「『大予想』 2026年の為替・株」が公開されています。ぜひご覧ください。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ