米FOMCの注目点④:JOLTSは最後のピース、そして結果は・・・?
2025/12/10 08:13
【ポイント】
・9・10月の求人件数は8月から増加もほぼ横ばいが続く
・採用件数はジリジリ減少し、レイオフ件数は23年以来の高水準
・次期議長有力候補のハセット氏は大幅利下げに言及も・・FOMCの結果は?
12月9-10日の米FOMCでは0.25%の利下げが確実視されています(結果判明は日本時間11日午前4時、同4時30分からパウエル議長の会見)。FOMC前の最後のデータというべきJOLTS(労働動態調査)の9月分と10月分が同時に発表されました。長期金利の上昇という市場の反応をみると、まあまあ良かった、少なくとも想定したほど悪くはなかったといったところでしょうか(後述)。
次期FRB議長の最有力とされるハセットNEC(全米経済会議)委員長はメディアインタビューで大幅利下げについて尋ねられて「現在のように、経済データが可能だと示すならば、そうする余地は十分にある」と答えました。今回もミラン理事が0.50%利下げを主張する可能性がありますが、他に追随者は出るでしょうか。また、据え置きを主張するメンバーはいるでしょうか。
なお、Bloombergによれば、FOMCの投票で3人の反対者が出るとすれば19年以来。4人なら92年以来とのことです。
■12/4付け「米FOMCの注目点①:景気・物価判断とADP」
■12/5付け「米FOMCの注目点②:票決はいかに? 地区連銀総裁は?」
■12/8付け「米FOMCの注目点③:経済・政策金利見通しが示唆するもの」
*******
9日に労働省が発表したJOLTS(労働動態調査)によれば、求人件数が9月は765.8万件、10月は767.0万件と、8月の722.7万件を上回り、5月(771.2万件)以来の高水準となりました。求人件数は22年4月の1,213.4万件をピークに減少傾向にありましたが、24年春以降はほぼ横ばいで推移しています。
一方で、採用件数は9月に536.7万件、10月に514.9万件でした。10月の採用件数は、8月(512.6万件)と24年6月(508.8万件)を除けばコロナショック以来の低水準です。また、Bloombergによれば、10月のレイオフ件数(185.4万件)は23年以来の高水準とのことです。

なお、雇用統計の失業者数とで算出する求人倍率(=求人件数÷失業者数)は22年3月の2.02からジリジリと低下して今年8月には0.98と、コロナショック直後以来となる1を割り込みました(求人件数<失業者数)。ただ、9月には1.01と辛うじて1台を回復しました(シャットダウンの影響で10月の失業者数は発表されません)。
・9・10月の求人件数は8月から増加もほぼ横ばいが続く
・採用件数はジリジリ減少し、レイオフ件数は23年以来の高水準
・次期議長有力候補のハセット氏は大幅利下げに言及も・・FOMCの結果は?
12月9-10日の米FOMCでは0.25%の利下げが確実視されています(結果判明は日本時間11日午前4時、同4時30分からパウエル議長の会見)。FOMC前の最後のデータというべきJOLTS(労働動態調査)の9月分と10月分が同時に発表されました。長期金利の上昇という市場の反応をみると、まあまあ良かった、少なくとも想定したほど悪くはなかったといったところでしょうか(後述)。
次期FRB議長の最有力とされるハセットNEC(全米経済会議)委員長はメディアインタビューで大幅利下げについて尋ねられて「現在のように、経済データが可能だと示すならば、そうする余地は十分にある」と答えました。今回もミラン理事が0.50%利下げを主張する可能性がありますが、他に追随者は出るでしょうか。また、据え置きを主張するメンバーはいるでしょうか。
なお、Bloombergによれば、FOMCの投票で3人の反対者が出るとすれば19年以来。4人なら92年以来とのことです。
■12/4付け「米FOMCの注目点①:景気・物価判断とADP」
■12/5付け「米FOMCの注目点②:票決はいかに? 地区連銀総裁は?」
■12/8付け「米FOMCの注目点③:経済・政策金利見通しが示唆するもの」
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9日に労働省が発表したJOLTS(労働動態調査)によれば、求人件数が9月は765.8万件、10月は767.0万件と、8月の722.7万件を上回り、5月(771.2万件)以来の高水準となりました。求人件数は22年4月の1,213.4万件をピークに減少傾向にありましたが、24年春以降はほぼ横ばいで推移しています。
一方で、採用件数は9月に536.7万件、10月に514.9万件でした。10月の採用件数は、8月(512.6万件)と24年6月(508.8万件)を除けばコロナショック以来の低水準です。また、Bloombergによれば、10月のレイオフ件数(185.4万件)は23年以来の高水準とのことです。

なお、雇用統計の失業者数とで算出する求人倍率(=求人件数÷失業者数)は22年3月の2.02からジリジリと低下して今年8月には0.98と、コロナショック直後以来となる1を割り込みました(求人件数<失業者数)。ただ、9月には1.01と辛うじて1台を回復しました(シャットダウンの影響で10月の失業者数は発表されません)。
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