米ドル/円が一時154円台に下落、日銀をめぐる報道が円高要因に
2025/12/05 08:48
【ポイント】
・米経済指標で市場のFRB金融政策見通しがどのように変化するか
・カナダ雇用統計でBOCの利下げは打ち止めとの観測が一段と強まるか
・市場ではRBA(豪中銀)の利上げが早まるとの観測が浮上
(欧米市場レビュー)
4日、欧米時間の外為市場では円が堅調に推移。一時米ドル/円は154.495円、ユーロ/円は180.386円、英ポンド/円は206.337円、NZドル/円は89.106円へと下落しました。東京時間に一部の通信社が「日銀が18-19日の金融政策決定会合で利上げを行う可能性が強まる。高市政権は日銀の利上げを容認する姿勢」と報じたことが、円にとってのプラス材料となりました。
豪ドルも堅調。豪ドル/米ドルは一時0.66191米ドルへと上昇して10月7日以来およそ2カ月ぶりの高値をつけ、豪ドル/NZドルは1.14658NZドルへと上昇する場面がありました。
豪州の10月家計支出が前月比1.3%と、市場予想の0.6%を上回って24年1月以来の高い伸びを記録(9月は0.3%でした)。それを受けてRBA(豪中銀)の利上げが早まるとの観測が浮上し、豪ドル高要因となりました。市場ではRBAが利上げに転じる時期について、3日時点で早ければ26年終盤との観測がありました。それが家計支出発表後は26年4-6月期になるとの観測も出てきました。
スウェーデンの11月CPI(消費者物価指数)は市場予想を下回ったものの、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナに大きな動きはみられませんでした。
CPIの結果は以下のとおり。( )は市場予想です。
・総合(前年比):0.3%(0.5%)
・CPIF(住宅ローン金利変動の影響を除外。前年比):2.3%(2.5%)
(本日の相場見通し)
本日は、米国の9月PCE(個人消費支出)デフレーターが発表されます(日本時間24:00)。9月分は10月下旬に発表される予定でしたが、シャットダウン(米政府機能の一部停止)の影響によって発表が遅れていました。
PCEデフレーターの市場予想は以下のとおり。( )は8月の実績です。
・総合(前月比):0.3%(0.3%)
・総合(前年比):2.8%(2.7%)
・コア(前月比):0.2%(0.2%)
・コア(前年比):2.9%(2.9%)
市場予想を下回る結果になれば、次回12月9-10日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ観測が補強されるだけでなく、次々回26年1月27-28日以降の追加利下げ観測が高まるかもしれません。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/シンガポールドルには下落圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには上昇圧力が加わりそう。米ドル/シンガポールドルは引き続き、10月1日安値の1.28609シンガポールドルが目先の下値メドです。
※本日の『ファンダメ・ポイント』は[米FOMCの注目点②:票決はいかに? 地区連銀総裁は?]です
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カナダの11月雇用統計が本日発表されます(日本時間22:30)。雇用統計の市場予想は、失業率が7.0%、雇用者数が前月比0.50万人減。失業率は前月の6.9%から上昇(悪化)し、雇用者数は6.66万人増と高い伸びだった前月から減少するとみられています。
BOC(カナダ中銀)は前回25年10月29日の政策会合で0.25%の利下げを行う一方で、「現在(0.25%の利下げ後)の政策金利は、経済を支援しつつインフレ率を2%近辺に維持するうえで、ほぼ適切な水準」との認識を示しました。市場では、24年6月に開始されたBOCの利下げサイクルは終わり、政策金利は当面現行の2.25%に据え置かれるとの見方が優勢です。
本日発表のカナダの雇用統計が市場予想よりも強い結果になれば、その見方が一段と強まるとともにカナダドル高材料になりそうです。
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