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野口日銀審議委員の発言に市場が反応!?

2025/11/27 09:00

【ポイント】
・野口審議委員の会見などを受けて市場の日銀金融政策見通しがどう変化するか

(欧米市場レビュー)

26日、欧米時間の外為市場では英ポンドが堅調に推移。一時英ポンド/円は207.098円、英ポンド/米ドルは1.32381ドルへと上昇し、ユーロ/英ポンドは0.87475ポンドへと下落。英ポンド/円は24年7月以来およそ1年4カ月ぶりの高値を記録しました。英国の予算案の内容が英ポンドにとってのプラス材料になりました。

※詳しくは、本日の『ファンダメ・ポイント』[英予算案を受けてトリプル高!]をご覧ください。

豪ドルNZドルも堅調。一時豪ドル/円は101.967円、豪ドル/米ドルは0.64714米ドル、NZドル/円は89.114円、NZドル/米ドルは0.56949米ドルへと上昇しました。豪ドルは豪州の10月CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回ったことが、NZドルはRBNZ(NZ中銀)が24年8月に開始した利下げサイクルの終了を示唆したことが、それぞれプラス材料となりました。

豪CPIの結果は、総合が前年比3.8%、RBA(豪中銀)がコアインフレ率として注視するトリム平均値が同3.3%。市場予想はそれぞれ3.6%と3.0%でした。

※RBNZに関しては、26日の『デイリーフラッシュ』[【速報】RBNZ会合の結果を受けてNZドルが急伸]『M2TV 資源・新興国マーケットView』をご覧ください。

(本日の相場見通し)

本日、日銀の野口審議委員が大分県金融経済懇談会に出席します。野口審議委員は午前10時30分からの懇談会であいさつし、午後2時30分から会見する予定です。

ロイター通信は26日、関係者の話として「日銀は情報発信を変えることで、早ければ12月に利上げが行われる可能性に市場を備えさせている」と報じました。

このところ日銀の政策委員からは追加利上げに前向きな発言が出てきています。小枝審議委員は20日の講演で「(日本の)実質金利は他国と比べて明らかに低い」、「将来的に意図せざるゆがみをもたらさないためにも金利の正常化を進めることが必要だ」と述べました。増審議委員は20日配信のメディアインタビューで「経済や物価の情勢をみると、利上げをしていい環境は整ってきている」、「実質金利が大きなマイナスになっているのはよくない」と語りました。

野口審議委員は9月29日の講演で「(日本の経済・物価の現状について)下方リスクはありつつも、政策判断における上方リスクの重みがより増している」、「政策金利調整(追加利上げ)の必要性がこれまで以上に高まりつつある」と述べつつも、「当面は、物価の基調を可能な限り慎重に見極める必要がある」と語りました。

野口審議委員が本日のあいさつや会見で早期の利上げに前向きな姿勢を示した場合、市場では次回12月18-19日の日銀会合での利上げ観測が高まると考えられます。その場合にはにとってのプラス材料となり、米ドル/円やユーロ/円など対円の通貨ペアは上値が重い展開になりそうです。

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日本や欧州など主要国の株価も材料になる可能性があります(米株式市場は感謝祭で休場)。仮に主要国の株価が堅調に推移すれば、リスクオン(リスク選好)が強まるとともに、投資家のリスク意識の変化を反映しやすい豪ドルNZドルが堅調に推移しそうです。

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本日は米国が感謝祭の祝日です。外為市場では参加者が減少して流動性が低下するため、突発的なニュースや仕掛け的な動きが出てきた場合には値動きが増幅する可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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