米ドル/円は157円台を示現、けん制/介入示唆はあるか
2025/11/20 08:15
【ポイント】
・財務相、経済財政担当相、日銀総裁の会談後に円安が進行
・本日、さらなるけん制や介入の意向示唆はあるか
・米FOMC議事録ではタカ派寄りの議論が明らかに
・米9月雇用統計が弱めなら利下げ観測は高まる?
(欧米市場レビュー)
19日の欧米市場で、円が全面安。米ドル/円は157.147円をつけました。ユーロ/円は181.289円と、ユーロ導入後の高値を更新。英ポンド/円、カナダドル/円、豪ドル/円、メキシコペソ/円はそれぞれ24年夏以降の高値を更新。南アフリカランド/円は18年3月以降の高値を更新しました。
日本時間19日午後6時過ぎ、片山財務相、城内経済財政担当相、植田日銀総裁が会談を行いました。高市政権と日銀が緊密に連携するためのものとされ、植田総裁から(高市首相に説明したのと同様に)「今まで通りの方針が説明された」とのことでした。
米ドル/円は、3者会談開催の報道を受けて155円台前半へとやや軟化しました。しかし、午後6時30分過ぎ、片山財務相が会見で為替相場への具体的な話はなかったことを明らかにすると、米ドル/円が動意づき上昇を続けました。
米国時間に入ると、10月雇用統計が発表されないことが明らかになり、12月FOMCでの利下げ観測が後退して、米ドルの上昇要因になりました。また、FOMC議事録(10/28-29開催分)が公表されて、議論がタカ派寄りだったことも、利下げ観測の後退に寄与したようです。
■本日のファンダメ・ポイント「米FOMC議事録:議論はやっぱりタカ派寄りだった!?」をご覧ください。
欧州では、英国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇。26日発表の予算案に関して、スターマー首相が富裕層に対する増税を示唆したものの、財政赤字に対する懸念は根強いようです。ユーロ/英ポンドは一時0.88333ポンドに上昇しました。
(本日の相場材料)
欧米時間に急ピッチで円安が進行したことで、本邦当局からはけん制がありそうです。ただ、それが一段と強い表現となるのか、為替介入への意欲を示唆するようなものとなるのか注目されるところでしょう。
株価動向にも注目。NYダウは引けにかけて若干のプラスを維持。取引終了後に発表されたエヌビディアの決算を投資家は好感、時間外取引で半導体関連株は上昇しました。日経平均先物は上昇しており、本日の日経平均は高く始まりそうです。ただ、VIX指数(別名「恐怖指数」)は小幅に低下したものの、依然として水準は高いまま。長くブームが続いただけに、株価が短期間の調整を経て上昇軌道に回帰するのか、楽観は禁物でしょう。
東京時間には、米ドル/円や上昇ピッチを速めている長期金利(10年物国債利回り)の動向次第で株価が大きく振れるかもしれません。
本日は米国の9月雇用統計が発表されます。シャットダウン(政府機能の一部停止)前のデータであり、強めの結果となっても「すでに過去のもの」として重視されないかもしれません。逆に、弱い結果となれば、米労働市場に対する懸念が一気に強まる可能性があります。その場合は、いったん後退した12月利下げの観測が再上昇しそうです。
なお、10月雇用統計の発表はありません。12月16日に11月分が発表される際に(当然ながら)10月分も含まれます。つまり、12月9-10月のFOMC前に発表される雇用統計は本日の9月分が最後。JOLTS(労働動態調査)は9月分の発表がなく、10月分は12月9日に発表されます。労働市場の把握は、ADPなどの民間統計や週間失業保険申請件数、その他ベージュブック(地区連銀経済報告)などに頼ることになりそうです。また、10月CPIの発表は未定です。
・財務相、経済財政担当相、日銀総裁の会談後に円安が進行
・本日、さらなるけん制や介入の意向示唆はあるか
・米FOMC議事録ではタカ派寄りの議論が明らかに
・米9月雇用統計が弱めなら利下げ観測は高まる?
(欧米市場レビュー)
19日の欧米市場で、円が全面安。米ドル/円は157.147円をつけました。ユーロ/円は181.289円と、ユーロ導入後の高値を更新。英ポンド/円、カナダドル/円、豪ドル/円、メキシコペソ/円はそれぞれ24年夏以降の高値を更新。南アフリカランド/円は18年3月以降の高値を更新しました。
日本時間19日午後6時過ぎ、片山財務相、城内経済財政担当相、植田日銀総裁が会談を行いました。高市政権と日銀が緊密に連携するためのものとされ、植田総裁から(高市首相に説明したのと同様に)「今まで通りの方針が説明された」とのことでした。
米ドル/円は、3者会談開催の報道を受けて155円台前半へとやや軟化しました。しかし、午後6時30分過ぎ、片山財務相が会見で為替相場への具体的な話はなかったことを明らかにすると、米ドル/円が動意づき上昇を続けました。
米国時間に入ると、10月雇用統計が発表されないことが明らかになり、12月FOMCでの利下げ観測が後退して、米ドルの上昇要因になりました。また、FOMC議事録(10/28-29開催分)が公表されて、議論がタカ派寄りだったことも、利下げ観測の後退に寄与したようです。
■本日のファンダメ・ポイント「米FOMC議事録:議論はやっぱりタカ派寄りだった!?」をご覧ください。
欧州では、英国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇。26日発表の予算案に関して、スターマー首相が富裕層に対する増税を示唆したものの、財政赤字に対する懸念は根強いようです。ユーロ/英ポンドは一時0.88333ポンドに上昇しました。
(本日の相場材料)
欧米時間に急ピッチで円安が進行したことで、本邦当局からはけん制がありそうです。ただ、それが一段と強い表現となるのか、為替介入への意欲を示唆するようなものとなるのか注目されるところでしょう。
株価動向にも注目。NYダウは引けにかけて若干のプラスを維持。取引終了後に発表されたエヌビディアの決算を投資家は好感、時間外取引で半導体関連株は上昇しました。日経平均先物は上昇しており、本日の日経平均は高く始まりそうです。ただ、VIX指数(別名「恐怖指数」)は小幅に低下したものの、依然として水準は高いまま。長くブームが続いただけに、株価が短期間の調整を経て上昇軌道に回帰するのか、楽観は禁物でしょう。
東京時間には、米ドル/円や上昇ピッチを速めている長期金利(10年物国債利回り)の動向次第で株価が大きく振れるかもしれません。
本日は米国の9月雇用統計が発表されます。シャットダウン(政府機能の一部停止)前のデータであり、強めの結果となっても「すでに過去のもの」として重視されないかもしれません。逆に、弱い結果となれば、米労働市場に対する懸念が一気に強まる可能性があります。その場合は、いったん後退した12月利下げの観測が再上昇しそうです。
なお、10月雇用統計の発表はありません。12月16日に11月分が発表される際に(当然ながら)10月分も含まれます。つまり、12月9-10月のFOMC前に発表される雇用統計は本日の9月分が最後。JOLTS(労働動態調査)は9月分の発表がなく、10月分は12月9日に発表されます。労働市場の把握は、ADPなどの民間統計や週間失業保険申請件数、その他ベージュブック(地区連銀経済報告)などに頼ることになりそうです。また、10月CPIの発表は未定です。
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- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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