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【PM】RBAは政策金利の据え置き決定!

2025/11/04 16:39

【ポイント】
・RBA(豪中銀)はインフレ率見通しを上方修正、CPIトリム平均値は今後目標レンジを上回ると予測
・RBA総裁は「これ以上の利下げがない可能性もある」と発言

RBAは本日政策会合を開き、市場予想どおり政策金利を3.60%に据え置くことを決定しました。政策金利の据え置きは全会一致。RBAによる利下げは25年2月以降3カ月ごと2会合に1回のペースで実施されてきましたが、それが崩れました。

RBAのCPI(消費者物価指数)トリム平均値の予測や、会合後のブロック総裁の会見をみると、RBAの政策金利は当面据え置かれる可能性がありそうです。

RBA会合の結果判明後、豪ドル/NZドルは1.14NZドル台後半でのもみ合いとなる一方、豪ドル/円や豪ドル/米ドルは軟調に推移しています。市場ではRBA会合以上に日経平均や米国の株価指数先物の下落がより強く意識されて、豪ドル/円や豪ドル/米ドルに対して下押し圧力が加わっているのかもしれません(リスクオフ)。

***

豪州の7-9月期CPIトリム平均値は前年比3.0%と、前期の2.7%から上昇率が高まり、RBAのインフレ目標レンジ(2~3%)の上限に到達しました。そのことについてRBAの声明では「一部は一時的な要因によるもの」との認識が示されました。

RBAは「最近のインフレに関するデータは、経済に依然としてインフレ圧力が幾分残っている可能性を示している」としつつ、「慎重な姿勢を維持し、データの変化に応じて見通しを更新していくことが適切」と改めて表明しました。

四半期に一度のRBAの金融政策報告では、コアインフレ率であるCPIトリム平均値の予測が8月時点から上方修正されました。CPIトリム平均値は今後RBAのインフレ目標レンジを上回り、目標レンジ内に再び戻るのは26年後半との見通しが示されました。

RBAのCPIトリム平均値予測(前年比)は以下のとおり。( )は8月時点の予測です。
・25年12月:3.2%(2.6%)
・26年6月:3.2%(2.6%)
・26年12月:2.7%(2.6%)
・27年6月:2.6%(2.6%)
・27年12月:2.6%(2.6%)

(※)RBAによると、CPIトリム平均値の予測は政策金利が25年末に3.6%、26年6月に3.4%、その後は3.3%になるとの前提で作成されました。RBAはRBNZ(NZ中銀)のように将来の政策金利の見通しを公表しておらず、政策金利の前提は10月29日時点の市場金利に基づいたとのこと。

ブロックRBA総裁は会合後に会見し、本日の会合では利下げは検討しなかったことを明らかにしました。また、「これ以上の利下げがない可能性も、さらに利下げする可能性もある」とし、「政策金利は中立(景気を冷やしも過熱もしない水準)に近いと考えている」と述べました。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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