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RBAは政策金利を据え置きへ!?

2025/11/04 08:52

【ポイント】
RBA(豪中銀)の声明や総裁会見を受け市場の金融政策見通しがどう変化するか

(欧米市場レビュー)

3日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は154.251円、米ドル/カナダドルは1.40709カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.30493シンガポールドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.15033ドル、豪ドル/米ドルは0.65174米ドルへと下落。米ドル/シンガポールドルは5月13日以来の高値を記録し、ユーロ/米ドルは8月1日以来の安値をつけました。

米国の10月ISM製造業景況指数は48.7と市場予想の49.5を下回りました。ただ、市場では長期金利(10年物国債利回り)の上昇やグールズビー・シカゴ連銀総裁の発言の方がより強く意識されて、米ドルの支援材料となりました。グールズビー総裁は「インフレ率はこれまで4年半にわたって(FRBの)目標を上回り続けており、望ましくない方向に進んでいる」、「(労働市場よりも)インフレの方を懸念している」と述べ、「利下げのハードルは直近2回の会合よりも高い」と語りました。

本日の『ファンダメ・ポイント』は[米FOMC12月利下げは微妙? 見解相違が鮮明に!]です。

(本日の相場見通し)

本日は、RBA(豪中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間12時30分に判明し、13時30分からブロックRBA総裁が会見する予定です。今回は四半期に一度の金融政策報告も公表されます。それらに豪ドルが反応しそうです。

RBAは25年2月・5月・8月と3カ月ごと2会合に1回のペースで利下げを実施。前回9月29-30日の会合では政策金利を据え置きました。現在の政策金利は3.60%です。

豪州の7-9月期CPI(消費者物価指数)トリム平均値は前期比1.0%、前年比3.0%でした。前期比では24年1-3月期以来の高い伸びを記録し、前年比では前期の2.7%から上昇率が高まり、RBAのインフレ目標レンジ(2~3%)の上限に達しました。それを受けて市場では、本日の会合での政策金利の据え置きがほぼ確実視されています。

そのとおりの結果になれば、RBAの声明や金融政策報告、ブロック総裁の会見が材料になりそう。市場では、RBAは当面政策金利を据え置くとの見方が優勢です。インフレを警戒する姿勢が示されるなど声明やブロック総裁の会見がタカ派的な内容になれば、その見方が強まるとともに豪ドルが堅調に推移しそうです。

※豪ドル/NZドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[注目のRBA会合!豪ドル/NZドルは1.15超えとなるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

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片山財務相は10月31日、足もとの円安について「かなり一方的、急激な動きがみられている」、「投機的な動向を含めて、為替市場における過度な変動や無秩序な動きを高い緊張感を持って見極めている」と述べ、市場の動きをけん制しました。

本日から6日までの3日間、衆参両院で高市首相の所信表明演説に対する各党代表質問が行われます。

「円安」が一段と進む場合、本邦当局による円安けん制のトーンが強まるか注目です。けん制のトーンが強まれば、米ドル/円はいったん下落する可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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