米FOMC12月利下げは微妙? 見解相違が鮮明に!
2025/11/04 08:10
【ポイント】
・利下げ派(雇用懸念)と据え置き派(インフレ警戒)の見解相違が鮮明に
・市場が織り込む12月利下げ確率は先週のFOMC前のほぼ10割から7割弱に低下
・シャットダウンは解消されるか、関税の影響が表面化しないかなど不透明
・12月FOMCでは難しい判断を迫られそう
10月28-29日のFOMCを終えて、参加者が発言する機会が増えています。そうしたなかで、利下げ派と据え置き派、換言すれば、雇用を懸念するグループとインフレを警戒するグループの見解相違が鮮明になっています。10月FOMC後の会見でも、パウエル議長は「先行きについて強い見解の相違があった」と認めています。
先週31日にダラスでの会議で、ダラス連銀のローガン総裁とクリーブランド連銀のハマック総裁は、28-29日のFOMCでは金利据え置きが望ましかったと述べました(両者とも投票権なし)。カンザスシティ連銀のシュミッド総裁は同じ日に「労働市場は概ね均衡しており、経済は勢いが継続している。インフレは依然として高すぎる」と述べ、同FOMCで据え置きを主張した理由を説明しました。また、シカゴ連銀のグールズビー総裁は、インフレへの懸念を表明し、インフレの鈍化を確認してそれに合わせて金利を引き下げるべきだと述べました。
そうしたタカ派の発言に対して、2会合連続のFOMCで0.50%利下げを主張したミラン理事は労働市場の悪化への懸念を強く持っており、31日にも引き締め的な水準にある政策金利を大幅に引き下げるべきだと述べました。同じく31日にウォラー理事は、「労働市場を最も懸念している」とし、「インフレが再び下がることはわかっている。だからこそ全てのデータが示している通り、12月も政策金利を引き下げるべきだ」と主張しました。

3日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、12月9-10日FOMCでの0.25%利下げの確率を市場は7割弱とみています。10月FOMC直前には10月に続いて12月も0.25%利下げが確実視されていました。しかし、「12月利下げは既定路線ではない。それには程遠い」とのパウエル議長のFOMC後の発言や、上述したタカ派の発言などを受けて12月利下げ予想はやや微妙になっています。
シャットダウン(政府機能の一部停止)によって、雇用統計をはじめとする政府の経済統計は発表が延期されたままです。12月FOMCまでにシャットダウンが解消されて経済情勢の把握が現時点より容易になっているか、またシャットダウンによって経済活動がダメージを受けていないか、関税による物価上昇圧力が表面化しないか、などは引き続き不透明であり、FRBは難しい判断を迫られるかもしれません。
・利下げ派(雇用懸念)と据え置き派(インフレ警戒)の見解相違が鮮明に
・市場が織り込む12月利下げ確率は先週のFOMC前のほぼ10割から7割弱に低下
・シャットダウンは解消されるか、関税の影響が表面化しないかなど不透明
・12月FOMCでは難しい判断を迫られそう
10月28-29日のFOMCを終えて、参加者が発言する機会が増えています。そうしたなかで、利下げ派と据え置き派、換言すれば、雇用を懸念するグループとインフレを警戒するグループの見解相違が鮮明になっています。10月FOMC後の会見でも、パウエル議長は「先行きについて強い見解の相違があった」と認めています。
先週31日にダラスでの会議で、ダラス連銀のローガン総裁とクリーブランド連銀のハマック総裁は、28-29日のFOMCでは金利据え置きが望ましかったと述べました(両者とも投票権なし)。カンザスシティ連銀のシュミッド総裁は同じ日に「労働市場は概ね均衡しており、経済は勢いが継続している。インフレは依然として高すぎる」と述べ、同FOMCで据え置きを主張した理由を説明しました。また、シカゴ連銀のグールズビー総裁は、インフレへの懸念を表明し、インフレの鈍化を確認してそれに合わせて金利を引き下げるべきだと述べました。
そうしたタカ派の発言に対して、2会合連続のFOMCで0.50%利下げを主張したミラン理事は労働市場の悪化への懸念を強く持っており、31日にも引き締め的な水準にある政策金利を大幅に引き下げるべきだと述べました。同じく31日にウォラー理事は、「労働市場を最も懸念している」とし、「インフレが再び下がることはわかっている。だからこそ全てのデータが示している通り、12月も政策金利を引き下げるべきだ」と主張しました。

3日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、12月9-10日FOMCでの0.25%利下げの確率を市場は7割弱とみています。10月FOMC直前には10月に続いて12月も0.25%利下げが確実視されていました。しかし、「12月利下げは既定路線ではない。それには程遠い」とのパウエル議長のFOMC後の発言や、上述したタカ派の発言などを受けて12月利下げ予想はやや微妙になっています。
シャットダウン(政府機能の一部停止)によって、雇用統計をはじめとする政府の経済統計は発表が延期されたままです。12月FOMCまでにシャットダウンが解消されて経済情勢の把握が現時点より容易になっているか、またシャットダウンによって経済活動がダメージを受けていないか、関税による物価上昇圧力が表面化しないか、などは引き続き不透明であり、FRBは難しい判断を迫られるかもしれません。
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