マネースクエア マーケット情報

トランプ大統領が100%の対中追加関税を表明

2025/10/13 09:00

※今週のウィークリー・アウトルックは14日配信予定です。

【ポイント】
・米中の関税をめぐるニュースや主要国の株価動向に要注意
・日米などの祝日で外為市場では流動性が低下、値動きが増幅される可能性も

(欧米市場レビュー)

10日、欧米時間の外為市場ではが堅調に推移。一時米ドル/円は151.491円、ユーロ/円は175.977円、豪ドル/円は98.191円、NZドル/円は86.718円へと下落しました。米国のトランプ大統領が自身のSNSで、中国が9日にレアアース(希土類)の輸出管理強化を発表したことについて「貿易で極めて攻撃的な姿勢をとった」とし、「11月1日より、米国は中国に対して現在課している関税に加えて100%の追加関税を課す」と投稿しました。それを受けて米中貿易摩擦への懸念が再燃してリスオフ(リスク回避)が強まり、円の支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

中国商務省は12日、トランプ大統領が高率の対中関税追加関税を表明したことについて「関税戦争についての中国の立場は一貫している。我々は戦いたくないが、戦うことを恐れていない」とし、報復措置をとる可能性を示しました。

トランプ大統領は12日(日本時間13日未明)、自身のSNSに「中国については心配いらない。全てうまくいく。習近平国家主席は不景気を望んでいないし、私もそうだ。米国は中国を助けたいのであり、傷つけたいのではない」と投稿しました。

トランプ大統領のこの投稿によって本日13日午前はリスクオフがやや後退しており、米ドル/円やユーロ/円などの対円の通貨ペアは反発しています。

ただ、米国と中国の関税をめぐるニュース主要国の株価動向には注意が必要です。両国の貿易摩擦への懸念が高まる、あるいは主要国の株価が大きく下落する場合、リスクオフが強まるとともに、対円の追加ペアには下押し圧力が加わる可能性があります。

本日は日本や米国、カナダが祝日です(米国はコロンブスデー、カナダはサンクスギビングデー)。外為市場では参加者が減少して流動性が低下するため、突発的なニュースが出てきた場合には値動きが増幅する可能性があります。なお、米株式市場は休場ではなく、通常どおり取引されます。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ