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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※10月10日更新

2025/10/10 09:13

宮田レポート 251010_miyata.pdf

(おしらせ)次回の本レポート発行は10月17日(金)の予定です。

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 40,000~49,000円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 40,000~47,200ドル
           (S&P500) 5000~6800
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 21,000~25,200
                                   (ナスダック総合) 19,000~23,200
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~154.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000



[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】

今年4月7日安値(30,792.74円)からインターミディエイト級第(5)波の上昇にあり、この第(5)波完成を以て、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)からのプライマリー第➂波は完成します。

「9~10月に日経平均が4万5000円~4万9000円」という筆者の予想は十分に達成されました。
波動構成上からも、強気相場は最終局面にあります。

今週は4月7日週から26週目です。週次トレンドは半年(26週)程度で一巡することが珍しくなく、ここからすると、第➂波天井は10月中に付けるかもしれません

日経平均は10月9日に、この日のほぼ高値で引け(48,580円)、終値で初めて4万8000円台を付けました。日中高値は48,597円と、フィボナッチ比率からの目標価格のひとつ[48,568円]を達成しています。

今週は、21年2月高値以来の上チャネルライン水準[算術尺度・46,711円]・[対数尺度・47,660円]を、明確に抜けています。実に強い動きですが、それは強気相場の最後を飾るスローオーバー(throw-over)になり得るでしょう。

[TOPIX]
10月9日のTOPIXは0.68%の上昇でした。日経平均(1.77%上昇)には見劣りしましたが、それでも過去最高値を更新し、高値引け(3257)となりました。

フィボナッチ比率からの目標価格[3323]まであと2.6%に迫り、それは今来週にも達成されるかもしれません。

[3323]…20年3月安値から24年7月高値までの上昇幅、すなわち第(1)波~第(3)波のネット上昇幅と、25年4月からの第(5)波上昇幅が、「1 : 0.618」になる水準


[日経平均]
39,850円(8/4安値)以来、マイナー級・第5波の上昇が展開中です。さらに、44,357円(10/1安値)からの上昇は第5波中マルv波です。

フィボナッチ比率などから得られる目標価格は、[48,568円](達成)[48,896円][48,964円]
[49,032円][49,074円]などで、4万9000円処に節目が収束していることが注目されます。

10月9日、日経平均は845円高でしたが、その過半はソフトバンクGの1銘柄によるものでした(寄与度は475円)。一握りの銘柄が指数をけん引する状況(主力AI関連株への集中物色)は、強気相場の最終局面にみられる特徴であり、第➂波終了が近いことを暗示しています。

[予想PER別の日経平均水準]
10月9日の日経平均予想PERは18.85倍・予想EPSは2577円。
予想EPSは過去最高となりました。



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ日足 エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの上昇は、プライマリー級の第➄波です。今年4月安値からの上昇はインターミディエイト級第(5)波に当たり、それを以て第➄波は終了します。
第➄波完了後に訪れる弱気相場は、控えめにみても高値から20%安となるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「ランニング・トライアングル」におけるⓑ波とカウントされます。このシナリオでは、近々訪れるであろう下げ局面でも4月安値(36,611ドル)は維持されるでしょう。その後1~2年程度のもみ合いが続いた後に、新たな高値へ向かう展開があるでしょう。

NYダウが最高値を付けた10月3日のローソク足は、長い上ヒゲを持つ「流星」でした。これは少なくとも目先の基調転換を暗示するものです。実際のところ9日は一時46,271ドルまで下げ、10月に入ってからの最安値を付けました。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
今年5月安値(5767)からの上昇第5波は延長し、さらには、第5波中マルv波も延長を起こしています(5th wave extension of 5th wave extension)。しかし、それも最終局面とみられます。

10月9日には一時6764と、連日の最高値更新となりました。
しかし最近の「じり高」傾向は、上昇モメンタムの衰えを示すものといえます。

今後6569を終値で下回ると弱気トリガー、大きな調整入りが示唆されます。

【S&P500 長期エリオット波動分析】 

(プリファード・カウント)
4月安値(4835) からの上昇は、インターミディエイト級第5波に位置付けられ、それが終わると長期にわたる調整スタートとなります。それは4月安値を大きく下回ることが予想されます。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は、トライアングル中ⓑ波のリバウンドに位置付けられます。
近々ⓒ波の下げがスタートし、それはⓐ波(2月~4月)下げ幅に対し62%~66%の大きさ(813~866ポイント)になるでしょう。このⓒ波によりS&P500は、5400を下回る展開になりそうです。

[ダウ輸送株平均] (直近で最高値を更新した)ダウ工業株平均と「未確認」続く


[マグニフィセント7] 4月から5波構成による上昇


[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波の上昇に相当するとみられ、それはいつ終わってもおかしくありません。もう間もなく調整局面が始まるとみられ、それは数年間ターム続く、長く大きなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中B波に当たります。これはS&P500のオルタナティブ・カウントと同様であり、遠からずC波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。それでもC波の下げ幅はA波のそれに対し62%~66%となり、B波の高値からは3500~3750ポイントの下げになるでしょう。4月安値(16,542)からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波の上昇に相当します。第(5)波はいつ終わってもおかしくありません。もう間もなく調整局面が始まるとみられ、それは数年間ターム続く、長く大きなものになるでしょう。


【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
4月安値16,542からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波か、第(4)波「トライアングル」中ⓑ波とみられます。

22,977(9/2安値)からの上昇はマイナー級の第5波に位置付けられます。
10月8日は終値で初めて2万5000台となり、この日は一時25,142へ上昇しました。

24,186(9/25安値)を終値で下回ると、それは第5波終了の最初のシグナル点灯になるでしょう。
この場合、まずは50日MA─5月以降でサポートラインとなっている─を目指す可能性があります。
現在50日MAの水準は23,956です(10/9終値時点)。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
16年半サイクルによれば、米ドル/円(ドル/円)は2028年4月頃まで「円高の時間帯」が続きます。この時間帯においてドル/円の上値は抑えられるでしょう。筆者は28年4月頃までのどこかの時点で、1ドル=125円~120円へのドル安・円高になる可能性をみています。

4月下旬からドル/円はじり高が続いてきましたが、それも近々終わるでしょう。
おそらく26年前半にもドル/円は、139円処のネックラインを明確に割り込むでしょう。
それをきっかけに、「サード・オブ・サード」の強いドル安・円高トレンドが鮮明になるでしょう。

【週足 エリオット波動分析】 
今年1月(158.825円)からは第3波によるドル安・円高に当たります。
この第3波を構成する副次波のうち、139.877円(4/22)からの上昇は、マルii波に相当します。

これまで1ドル=151円~154円を目指す展開を想定していました。足元で153円台前半に乗せ、予想はほぼ達成されました。

ここからは、マルii波完成後のマルiii波による下落(ドル安・円高)に徐々に備えが必要でしょう。

第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、 [122.625円]という目標値が得られます。ヘッド・アンド・ショルダーズに基づく垂直目標値は1ドル=120円割れです。

【日足 エリオット波動分析】 
4月からのマルii波によるドル高・円安は、「トリプル・ジグザグ(w)-(x)-(y)-(x)-(z)」で展開中です。
9月17日以来のドル/円上昇は(z)波に当たり、この(z)波はa-b-c編成です。

146.575円(10/1)からは、(z)-c波が展開中とみています。最初の上値目標[151.586円](1月からの円高の61.8%戻り水準)は既に達成され、次の目標水準[154.353円](同76.4%戻り)にも接近しています。マルii波によるドル高・円安は、終盤に差し掛かったとみられます。

オルタナティブ・カウントは、150.869円(8/1)からの(x)波「フラット」が146.575円(10/1)で完成し、足元は(z)-a波が展開中、というものです。この見方だとマルii波完成までに少しの猶予がありますが、どうでしょうか。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[141.087円]です。


投機筋の円買い持ち高が拡大(2025年9月23日時点)
IMM通貨先物市場では、投機筋(非商業部門)の円買い持ち高が前週の51.9億ドルから66.47億ドルへ拡大しました。



[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
A波の最終局面(マルiv波-マルv波)とC波の最終局面は相似しており(フラクタル)、A波完了後の持続的なドル高(当時は23年7月中旬~10月上旬まで12週間のドル高でした)が、再現されようとしています。

96.218(9/17)を以て、22年高値からのジグザグ(A-B-C)は終わった可能性があります。
そうであれば、当面はC波のドル安に対する38.2%戻り水準[101.550]を目指すでしょう。

A波終了後にみられた持続的ドル高(ⓐ波)は、A波のちょうど半分を戻しました。今回も同様なら、遠からずC波の半値戻り水準[103.197]に達する可能性があります。

もっとも長期的にはドル安(Ⓑ波)基調は継続し、2026年には一段とドル安が強まるでしょう。
筆者は、ドル安Ⓑ波は短くとも2028年頃まで続くとみています。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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