フランスの政治不安はユーロ安要因か
2025/10/08 08:09
※為替市場では高市トレードが継続中。米ドル/円は7日NY時間に一時151.998円まで上昇。米国のシャットダウン(政府機能の一部停止)も継続中。上院で予算案可決の見通しは立たず。トランプ政権が一時帰休の職員の給料を支払わない可能性に言及して、波紋広がる。
【ポイント】
・マクロン大統領は新首相を指名する方向ながら、解散・総選挙も
・マクロン大統領の辞任を求める声が強まりそう
・フランスの政治不安はユーロの重石になりそう
フランスで政治の混迷が深まっています。国民議会(下院)でバイル内閣が不信任とされ、マクロン大統領が後任に指名したルコルニュ首相は組閣直後に辞任しました。マクロン大統領はルコルニュ首相に対して8日まで野党と協議するよう指示しましたが、事態が好転する見通しは立ちません。
これまでの経緯
22年4-5月の大統領選でマクロン大統領がRN(国民連合)のルペン氏を破って再選を果たしたものの、マクロン大統領に対する支持は低下する一方でした。24年6月の欧州議会選挙で極右が躍進。マクロン大統領は下院の解散・総選挙に打って出ましたが、1回目投票でRNが第一党になるなど厳しい結果となりました。左派政党が協働して9月にバルニエ政権が誕生したものの、予算に関連して内閣不信任となりバルニエ政権は3カ月で崩壊。12月にバイル首相が就任してかろうじて25年度予算が成立。今年9月、26年度予算に絡んでバイル内閣が国民議会による不信任で崩壊、ルコルニュ氏が後任に指名されるという流れでした。
今後の展望
マクロン大統領は新たな首相候補を指名するでしょうが、少数与党と野党との合意形成は難しそうです。国民議会が再び解散・総選挙となるかもしれません。ただ、27年大統領選を視野に政治の両極化が進んで政治が一段と不安定になる可能性もあります。
マクロン大統領は27年までの任期を全うする意向のようですが、辞任を求める声も根強く、今後一段と高まるかもしれません。
フランス政治不安はユーロ安要因⁉
政治不安や財政赤字への懸念からフランス長期金利(10年物国債利回り)が上昇しています。ドイツ長期金利との格差は拡大しており、長年の財政問題児だったイタリアの長期金利を上回ってきました。

高市トレードで円安が進行しているため、ユーロ/円は99年1月のユーロ導入以降の最高値を付けていますが、ユーロ/米ドルやユーロ/英ポンドは9月下旬から軟調に推移しています。ECBが利下げを打ち止めた可能性があり、金融政策面からユーロはサポートされるかもしれませんが、フランス政治不安はユーロの重石となりそうです。
【ポイント】
・マクロン大統領は新首相を指名する方向ながら、解散・総選挙も
・マクロン大統領の辞任を求める声が強まりそう
・フランスの政治不安はユーロの重石になりそう
フランスで政治の混迷が深まっています。国民議会(下院)でバイル内閣が不信任とされ、マクロン大統領が後任に指名したルコルニュ首相は組閣直後に辞任しました。マクロン大統領はルコルニュ首相に対して8日まで野党と協議するよう指示しましたが、事態が好転する見通しは立ちません。
これまでの経緯
22年4-5月の大統領選でマクロン大統領がRN(国民連合)のルペン氏を破って再選を果たしたものの、マクロン大統領に対する支持は低下する一方でした。24年6月の欧州議会選挙で極右が躍進。マクロン大統領は下院の解散・総選挙に打って出ましたが、1回目投票でRNが第一党になるなど厳しい結果となりました。左派政党が協働して9月にバルニエ政権が誕生したものの、予算に関連して内閣不信任となりバルニエ政権は3カ月で崩壊。12月にバイル首相が就任してかろうじて25年度予算が成立。今年9月、26年度予算に絡んでバイル内閣が国民議会による不信任で崩壊、ルコルニュ氏が後任に指名されるという流れでした。
今後の展望
マクロン大統領は新たな首相候補を指名するでしょうが、少数与党と野党との合意形成は難しそうです。国民議会が再び解散・総選挙となるかもしれません。ただ、27年大統領選を視野に政治の両極化が進んで政治が一段と不安定になる可能性もあります。
マクロン大統領は27年までの任期を全うする意向のようですが、辞任を求める声も根強く、今後一段と高まるかもしれません。
フランス政治不安はユーロ安要因⁉
政治不安や財政赤字への懸念からフランス長期金利(10年物国債利回り)が上昇しています。ドイツ長期金利との格差は拡大しており、長年の財政問題児だったイタリアの長期金利を上回ってきました。

高市トレードで円安が進行しているため、ユーロ/円は99年1月のユーロ導入以降の最高値を付けていますが、ユーロ/米ドルやユーロ/英ポンドは9月下旬から軟調に推移しています。ECBが利下げを打ち止めた可能性があり、金融政策面からユーロはサポートされるかもしれませんが、フランス政治不安はユーロの重石となりそうです。
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