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内田日銀副総裁の発言に注目! 市場が反応しそう

2025/10/02 09:03

【ポイント】
・内田副総裁の発言を受けて日銀による追加利上げ観測が高まるか

(欧米市場レビュー)

1日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は145.575円、米ドル/シンガポールドルは1.28609シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.17731ドル、英ポンド/米ドルは1.35233ドルへと上昇しました。米国の政府機関の一部閉鎖(シャットダウン)が始まったことや、同国の8月ADP雇用統計が前月比3.2万人減と市場予想(5.0万人増)に反して減少したことが、米ドルに対する下押し圧力となりました。

本日の『ファンダメ・ポイント』は[ADPの減少と雇用統計発表の遅れ]です。

豪ドルも対米ドルを除いて軟調。一時豪ドル/円は96.991円、豪ドル/NZドルは1.13459NZドルへと下落しました。米メディアが9月30日に「中国鉱産資源集団(中国国有企業)が国内の鉄鋼メーカーや貿易業者に対し、豪州の資源大手BHPからの鉄鉱石購入を価格交渉中は停止するように求めた」と報じました。その報道が豪ドルの重石となったようです。

(本日の相場見通し)

本日は、日銀の内田副総裁が全国証券大会であいさつします(日本時間15:35)。内田副総裁の発言が材料になる可能性があります。

日銀は9月18-19日の金融政策決定会合で政策金利を0.50%に据え置きました。ただ、その決定は7対2で、高田審議委員と田村審議委員は0.25%利上げすることを提案して政策金利の据え置きに反対票を投じました。

野口審議委員は9月29日の講演で「
政策金利の調整の必要性がこれまで以上に高まりつつある」と述べ、追加利上げに前向きな姿勢を示しました。市場では、野口審議委員は9人の政策委員の中でハト派と位置づけられています。

日銀は早ければ次回10月29-30日の会合で利上げを行うとの観測が市場にはあります。内田副総裁がその観測を高める発言をすれば、米ドル/円やユーロ/円など対円の通貨ペアが軟調に推移しそうです。

***

本日は、米国の主要な経済指標の発表はありません。通常木曜日には新規失業保険申請件数が発表されますが、シャットダウンの影響によって発表は延期される見通しです(3日発表予定の9月雇用統計も延期される可能性大)。

米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向が材料になるかもしれません。仮に長期金利が低下した場合、米ドルが軟調に推移して米ドル/シンガポールドルは下値を試し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上値を試す展開になる可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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