豪ドル/NZドルが1.13NZドル台へ上昇、メキシコ中銀は本日利下げか
2025/09/25 09:11
【ポイント】
・FOMC参加者はFRBの金融政策についてのヒントを提供するか
・メキシコ中銀の声明で次回11月の追加利下げ観測が変化するか
(欧米市場レビュー)
24日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は148.866円、米ドル/カナダドルは1.39023カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.17279ドル、英ポンド/米ドルは1.34251ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが、米ドルの支援材料となりました。
豪ドルも対米ドルを除いて堅調。一時、豪ドル/NZドルは一時1.13359NZドルへと上昇し、22年10月以来の高値を更新。豪ドル/円は98.118円へと上昇する場面がありました。豪州の8月CPI(消費者物価指数)が前年比3.0%と、市場予想の2.9%を上回り、24年7月以来の高い伸びとなりました。それを受けてRBA(豪中銀)による早期の利下げ観測が後退し、豪ドル高要因となりました。
※24日収録の『M2TV 資源・新興国マーケットView』は[大幅利下げ観測浮上! 豪ドル/NZドルの今後は!?]です。
(本日の相場見通し)
本日は、4-6月期GDP(国内総生産)確定値や先週分の新規失業保険申請件数など複数の米経済指標が発表されます。
市場予想は以下のとおり。( )は前回の、GDPは4-6月期改定値の実績です。
・GDP(前期比年率換算):3.3%(3.3%)
・新規失業保険申請件数:23.5万件(23.1万件)
・耐久財受注(前月比):マイナス0.3%(マイナス2.8%)
・中古住宅販売件数(年率換算):396万件(401万件)
FOMC(米連邦公開市場委員会)参加者の発言にも注目です。本日は、ボウマンFRB(米連邦準備制度理事会)副議長(銀行監督担当)やバーFRB理事、ウィリアムズNY連銀総裁、グールズビー・シカゴ連銀総裁、シュミッド・カンザスシティー連銀、ローガン・ダラス連銀総裁、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁の発言機会があります。
ボウマン副議長は23日の講演で、「労働市場が破たんした後にそれを修復するよりも、いま利下げを行って労働市場を支える方がはるかに容易だ」、「労働市場の悪化への対応で後手に回るという深刻なリスクに直面している。リスクが顕在化すれば、一段と速いペースでより大幅な利下げが必要になるかもしれない」などと述べ、積極的な利下げに前向きな姿勢を示しました。
ボウマン副議長が本日参加する討論会のテーマは「監督と規制」です。討論会でFRBの先行きに金融政策ついて言及されることはないかもしれませんが、仮に言及されるとすれば同様の姿勢が改めて示されると考えられます。
FOMC参加者の中では、ミランFRB理事も積極的な利下げに前向きな姿勢を示しているものの、多くは追加利下げに慎重なようにみえます。
米国の経済指標やFOMC参加者の発言によってFRBによる追加利下げ観測が後退した場合、米ドルが堅調に推移しそう。その場合、米ドル/円や米ドル/カナダドルには上昇圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには下落圧力が加わりそうです。
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本日、BOM(メキシコ中銀)が政策会合を開きます。会合の結果は日本時間26日午前4時に判明し、その結果にメキシコペソが反応する可能性があります。総裁会見は予定されていません。
BOMは前回8月7日の会合まで9会合連続(25年3月以降10回)の利下げを実施。現在の政策金利は7.75%です。
メキシコの8月CPI(消費者物価指数)は前年比3.57%となり、BOMのインフレ目標(3%)の許容レンジ(2~4%)内に2カ月連続で収まりました(7月の上昇率は3.51%)。本日の会合では前回会合と同じく0.25%利下げすることが決定されそうです。
そのとおりの結果になれば、BOMの声明で次回11月6日の会合についてどのようなヒントが提供されるかどうかに注目です。前回8月会合では4対1で0.25%利下げすることが決定され、決定に反対したヒース副総裁は政策金利の据え置きを支持しました。また、声明では先行きの金融政策について「政策金利のさらなる調整を検討する」とされました。
市場では11月会合でも0.25%の利下げが行われるとの観測があります。声明によってその観測が市場で後退する場合、メキシコペソにとってプラス材料になりそうです。
※メキシコペソ/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[メキシコペソ/円、“美しい上昇トレンド”を示すチャート形状!]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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