市場の関心は、パウエルFRB議長の講演へ!?
2025/08/22 09:10
【ポイント】
・パウエル議長は9月FOMCでの利下げを示唆するか
・米国以外の国や地域の中銀関係者の発言にも注目
(欧米市場レビュー)
21日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は148.359円、米ドル/カナダドルは1.39065カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.15997ドル、英ポンド/米ドルは1.34056ドルへと下落しました。
米国の8月S&PグローバルPMI(購買担当者景気指数)速報値が市場予想を上回る結果だったことや、同国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが、米ドルのプラス材料になりました。PMIの結果は製造業が53.3、サービス部門が55.4。市場予想はそれぞれ49.7と54.2でした。
ノルウェークローネも堅調。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時0.94498スウェーデンクローナへと上昇し、1日以来およそ3週間ぶりの高値をつけました。ノルウェーのGDP(国内総生産)の強い結果や、ウクライナとロシアの停戦協議をめぐる不透明感から原油価格が上昇したことが、ノルウェークローネ上昇の主な要因になりました
ノルウェーの4-6月期GDPの結果は、総合が前期比0.8%、石油と海運を除くGDPメインランドが同0.6%。メインランドは市場予想の0.3%を上回りました(総合の市場予想なし)。また、前期(1-3月期)分も総合がマイナス0.1%からプラス0.1%へ、メインランドが1.0%から1.2%へとそれぞれ上方修正されました。
(本日の相場見通し)
ジャクソンホール会議(米カンザスシティ連銀主催の年次シンポジウム)でパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が本日講演します。その内容に市場が反応しそうです。パウエル議長の講演は日本時間23時から始まる予定です。
講演における最大の注目点は、次回9月16-17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での政策決定やその後の金融政策についてどのようなヒントが示されるかです。
パウエル議長はこれまで、早期の利下げに慎重な姿勢を示してきました。ただ、1日に発表された米国の雇用統計が弱い結果だったことで、その姿勢が変化するかもしれません。市場では、本日の講演で次回9月16-17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げが示唆されるとの見方があります。
仮に講演で改めて利下げに慎重な姿勢が示されれば、米ドルが全般的に堅調に推移しそう。米ドル/円や米ドル/カナダドルには上昇圧力が加わり、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには下落圧力が加わると考えられます。
また、米国株には下落圧力が加わるかもしれません。米国株が大きく下落すれば、リスクオフ(リスク回避)が強まるとともに、豪ドル/円やNZドル/円が下値を試す展開になる可能性があります。
※ジャクソンホール会議について詳しくは、『ファンダメポイント』の[ジャクソンホール会議、パウエルFRB議長は利下げを示唆するか(19日)]、[FOMC議事録:雇用統計前はやや「タカ派的」だったが・・・(21日)]をご覧ください。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[今夜、パウエル議長講演@ジャクソンホール会議に要注目!米ドル/円の動意となりそう]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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ジャクソンホール会議には、世界中の中銀関係者が参加します。パウエル議長だけでなく、それ以外の国・地域の中銀総裁などの発言にも注目です。
日本時間24日午前1時25分から、植田日銀総裁とラガルドECB(欧州中銀)総裁、ベイリーBOE(英中銀)総裁によるパネル討論会が行われます(テーマは「労働市場の移行が政策に与える影響」)。パネル討論会における各総裁の発言が25日(月)以降、材料になる可能性があります。
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