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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※8月15日更新

2025/08/15 10:40

宮田レポート(短期アップデート) 250815_miyata.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 39,500~45,000円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 37,500~45,500ドル
              (S&P500) 5000~6500
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 20,000~24,000
                                   (ナスダック総合) 18,000~22,000
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000



[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
今年4月安値(30,792.74円)以来の上昇はインターミディエイト級第(5)波に当たります。この第(5)波の完成を以て、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)以来のプライマリー➂波は完成します。

8月12日、TOPIXに続いて日経平均も史上最高値を更新しました(翌13日には一時43,451円まで上昇)。まさに想定していた通りの展開ですが、多くの投資家は4万2000円を超える株高にはかなり懐疑的だったようです。

例えばこの4カ月間で信用買い残は約4.47兆円(4/4)から約3.9兆円(8/8)へ減少しましたが、信用売り残は4641億円から1兆円へ増えています。これは先高観が乏しいなか買いポジションを手仕舞い、その一方、相場の下げを見込んでカラ売りをしかける投資家が増えていたことを伺わせるものです。

第(5)波目には、➀企業業績や景気などファンダメンタルズは以前より弱め、➁平均出来高は少ない、➂中小型株が選好されやすい、➃先行きへの極端な楽観論、などの特長があります。現在は➀~➂は揃っていますが、まだ➃の状況にはありません。つまり極言すれば、懐疑論が強い楽観論に置き換わらない限り第(5)波の強気相場は続くでしょう。今後数カ月内に4万5000円に達する可能性もあります。




【日足・時間足 エリオット波動分析】
[TOPIX]
8月8日に初の3000台乗せをはたし、13日には一時3103まで上昇しました。フィボナッチ比率からの目標価格は➀[3164]、➁[3323]などです。

[日経平均]
39,850円(8/4安値)から、マイナー級の第5波による上昇が進行中とみられます。
43,451円(8/13高値)からを第5波中マルii波のスピード調整と読むことができます。下値レンジとして[42,601円~42,075円](マルi波の上昇に対し23.6%~38.2%押し)を想定します(14日には一時42,606円まで下げました)。

マルii波の後にはマルiii波の上昇が続き、それは日経平均を更なる高値へ押し上げるでしょう。

なおフィボナッチ比率などから得られる第5波の目標価格は以下の通りです。4万5000円処をクリアすると、次の大きな節目として4万9000円処に注目できます(ただし、そこまで上昇する必然性はありません)。
[44,597円][45,230円][48,568円][48,896円][48,964円][49,074円]


[予想PER別の日経平均水準]
8月14日の日経平均予想PERは17.47倍・予想EPSは2441円。今年2月13日には過去最高のEPS・2564円を記録しています。



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ日足 エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの(B)波による上昇は今年1月高値(45,054ドル)で終わり、以来、C波による下落局面です。足元、C-(2)波完了を見極める局面が続いています。今後はC-(3)波の下げにより、4月安値(36,611ドル)を大きく下回る展開が想定されます。

ただし45,054ドルを上抜くと、この波動カウントは否定され─7月23日には一時45,016ドルまで上昇しています─下記オルタナティブ・カウントに切り替えます。

(オルタナティブ・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)以来の五波構成による上昇(=プライマリー級第➄波)は、今年4月安値から最後の上昇(=インターミディエイト級第(5)波)が進行中です。
あるいはS&P500・ナスダックで検討しているごとく、4月からの上昇を「トライアングル」におけるⓑ波とカウントすることもできます。

上記波動カウントの正否は当分の間は判明しません。しかし少なくとも当面の高値を付けつつあること、相応の調整入りが近い、などの点では一致しています。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
7月下旬に、1929年と2000年の高値を通る超長期レジスタンスラインに達しました。前回ケースを振り返ると、S&P500は昨年12月初めに同ラインに到達し、今年2月下旬まで3カ月近くレンジ相場を形成しました。そこから4月底までは一気に20%下げています。このときを参考にすると、今後S&P500は10月頃までは高値圏でもみ合いますが、その後には急落が控えていることになります。

FactSetによれば、S&P500の(12カ月先)予想PERは22.1倍(8/8時点)。これは5年平均(19.9倍)より11.5%、10年平均(18.5倍)からは20%、各々「割高」な水準です。ひとたび調整入りとなれば、10%~20%の調整は普通に起きることでしょう。

【S&P500 長期エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
4月安値(4835) からの上昇は、インターミディエイト級第5波に位置付けられ、それが終わると長期にわたる調整スタートとなります。それは4月安値を大きく下回ることが予想されます。


(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は、トライアングル中ⓑ波のリバウンドに位置付けられます。
近々ⓒ波の下げがスタートするとみられ、それはⓐ波(2月~4月)下げ幅に対し、62%~66%の大きさ(813~866ポイント)になるでしょう。そうなるとⓒ波によりS&P500は5400を下回る展開になりそうです。


[ダウ輸送株平均] 第(1)波の76.4%戻り水準で打ち返されている


[マグニフィセント7] 4月安値からの5波構成は完成へ



[ナスダック]


【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波の上昇に相当します。既に最高値を更新しており、第(5)波はいつ終わってもおかしくありません。遠からず調整局面が始まるとみられ、それは数年間ターム続く、長く大きなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中ⓑ波に当たります。これはS&P500のオルタナティブ・カウントと同様であり、遠からずⓒ波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。それでもⓒ波の下げ幅はⓐ波のそれに対し62%~66%となり、ⓑ波の高値からは3500~3750ポイントの下げになるでしょう。


【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
4月安値16,542からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波、あるいは、第(4)波「トライアングル」中ⓑ波とみられます。

8月13日には一時23,969まで上昇し最高値を更新しました。
既にフィボナッチ比率からの上値想定レンジ[23,195-24,224]内にあり、当面(あるいは長期的な)の高値は何時つけてもおかしくないでしょう。

22,673(8/1安値)を下回ると最初の弱気トリガーが発動します(この場合、ナスダック100は当面21,532を目指す可能性があります)。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、まずは2011年からの上昇チャネルのセンターライン➀137.445円(8月)がサポートレベルとみられます。

もっとも139円処を下抜くとヘッド・アンド・ショルダーズ型の天井パターンから明確に下放れ始め─上述したセンターラインで底入れせずに─フィボナッチ・サポートの[128.945円]を試すと思われます。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は117.820円(8月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(24/7/3)からC波によるドル安・円高トレンドが進行中です。このC波は(先ずは)三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が想定され、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。

今年1月からのドル安・円高を、第3波による下落とみることもできます。現時点でサブシナリオですが、これによれば、先々1ドル=120円試しが視野に入ります。第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、 [122.625円]という目標値が得られます。

4月下旬以降のドル/円上昇はⓒ波中マルii波に位置付けられ、それはまだ続いているとみています。

中長期でのドル安・円高基調に変わりはなく、ヘッド・アンド・ショルダーズの垂直目標値からは、いずれ1ドル=120円割れの可能性もみえています。

【日足 エリオット波動分析】 
139.877円(4/22)からのドル/円上昇はマルii波によるリバウンドです。4月からの波形は複雑かつチョッピーなものであり、修正波としての特長をよく表しています。

4月からの「ダブル・ジグザグ」(w)-(x)-(y)による上昇は、150.869円(8/1)を以て終わったとみられます。

足元は引き続き、マルii波そのものが終わったのか否かを見極める局面です。
筆者は、マルii波が「トリプル・ジグザグ」に発展する可能性をみています。そうであれば、今後2~3カ月内に[151.586円](1月からの円高の61.8%戻り水準)や[154.353円](同76.4%戻り)などを試すでしょう。その一方、今後145円処を明確に下抜くようなら、マルii波が終わった可能性を考慮する必要があります。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[141.815円]です。


投機筋の円買い持ち高が2月以来の低水準に縮小(2025年8月5日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の75.68億ドルから69.38億ドルへ縮小し、2月以来の低水準となりました。


[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
年初から半年近く続いたドル安C波は96.377(7/1)で終わった可能性が高いでしょう。それは、22年高値からのジグザグ(A-B-C)の完成を意味するものです。

ただ今回のジグザグ完成を以て、22年高値からのドル安Ⓑ波のすべてが終了した、とはみていません。筆者はⒷ波は短くとも2028年頃まで続くとみています。
この見方通りだとすると、足元始まったドル高は(X)波に位置付けることが適当です。Ⓑ波全体は「ダブル(トリプル)・ジグザグ」を描いていくでしょう。

ドル指数は、8月から11月まで強くなる季節性があります。ここからすると、ドル高は今後の3カ月前後続く可能性があり、それは当面101.977(C波レッサーディグリー・マルiv波頂点)を目指すでしょう。

可能性は小さいと思われますが、今後96.377を下回るケースでは、当然C波が続いていることになります。この場合は94.976を目指すでしょう。これは、A波とC波が等しく下がる水準のことです。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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