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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※12月2日更新

2025/12/02 11:21

宮田レポート(短期アップデート) 251202_miyata.pdf

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[日経平均]
【当面の想定レンジ】 46,000~52,500円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 45,000~48,000ドル
           (S&P500) 6500~7000
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 23,500~26,200
                                   (ナスダック総合) 21,500~24,000
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 140.000~158.500円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000



[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
今年4月7日安値(30,792.74円)を起点に、約7カ月間にわたって続いたインターミディエイト級第(5)波の上昇は、52,636円(11/4)を以て終了したとみられます。それと共に、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)から5年8カ月にわたるプライマリー第➂波も終了したと思われます。

この見方が正しければ、いまはプライマリー第➃波調整の初期段階に当たります。それは当面、2026年2月頃(※)へ向けて弱基調となるでしょう。

(※)週次サイクルの間隔(安値から安値)は42週程度です。これによると、現行サイクルの終了は、今年4月7週から42週程度を経過する2026年2月頃と想定できます。

プライマリー第➁波は18年10月高値(24,448円)から20年3月安値(16,358円)まで、17カ月間で通算33%下げました。パターンは「ジグザグ」でした。
「オルタネーション」により、第➃波はおそらく「トライアングル」「フラット」など保ち合いパターンを、今後数年間にわたって形成する可能性があります。

➃波の下値レンジに相応しいのは、第➂波中第(4)波領域[42,426円~30,792円]です。この領域は、11月高値から33%調整後の水準(35,266円)を含みます。

[TOPIX]
9月安値(3042)からの上昇第5波「エンディング・ダイアゴナル」は、3389(11/13高値)で完了したと思われます。 12月1日は寄り付き直後に3383と最高値に近づきましたが、まもなく急反落に転じました。

3227(11/19安値)を下回ると「ダブル・トップ」が確認されます。
それは上昇トレンドの終わりと調整局面への基調転換の合図となり、速やかに3042(ダイアゴナル始点)へ下落する展開がありそうです。

なお3227を維持する限り、高値はまだ付けていない、という見方は残ります。
3200(11/5安値)からのマルv波((a)-(b)-(c))中、 (c)波の上昇が3227(11/19安値)を起点に進行中とみるわけです。この(c)波によりTOPIXは(おそらく)最高値を更新しますが、そんな動きを以て「エンディング・ダイアゴナル」は完成します。
このケースにおいては、TOPIXが高値を更新する一方で日経平均はそうならない、「未確認」天井パターンを形成するでしょう。


[日経平均]
51,513円(11/11高値)から、第(ⅲ)波による下落が進行中とみられます。第(iii)波中最初の副次波としての第i波は48,235円(11/19安値)で終わり、そこからは(iii)-ii波によるリバウンドに位置付けられます。

このリバウンドは「フラット」(Ⓐ-Ⓑ-Ⓒ)とみられ、それは50,366円(12/1高値)を以て終わったようです。
この見方が正しければ、50,366円から(iii)-iii波(サード・オブ・サード)による急落局面を迎えていることになります。それは48,235円を大きく下回り、10月初旬のギャップ[45,778円~46,544円]を早々に埋めに行く展開となるでしょう。

[予想PER別の日経平均水準]
12月1日の日経平均予想PERは18.60倍、予想EPSは2650円です。過去最高の予想EPSは2694円(11/20)です。



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ 長期エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの上昇は、プライマリー級の第➄波です。今年4月安値からの上昇はインターミディエイト級第(5)波に当たり、それを以て第➄波は終了します。
第➄波完了後に訪れる弱気相場は、控えめにみても高値から20%安となるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「ランニング・トライアングル」におけるB波とカウントされます。このシナリオによれば、今後の下げ局面でも、最終的に4月安値(36,611ドル)は維持されます。その後1~2年程度のもみ合いが続いた後に、新たな高値へ向かう展開があるでしょう。

【NYダウ 日足エリオット波動分析】 
11月12日の最高値(48,431ドル)は、他の主要インデックスにより確認されておらず「未確認」となっています。強気相場は完了した可能性があります。
45,728ドル(11/20安値)からはマルii波によるリバウンドとみられます。
この見方が正しければ、まもなくマルiii波の下落ステージに相場は転換し、当面は200日MA(43,960ドル処)を試す展開が想定されます。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
6920(10/29高値)を以て強気相場は終了した可能性があります。
6521(11/21安値)はヘッド・アンド・ショルダーズのネックラインであり、それを割るとリスクオフ局面に拍車がかかる可能性があります。この場合、当面は200日MA(6180処)への下値試しがありそうです。

一方6920を上回ると、6521を起点に第(5)波-第5波による上昇に入った、という風に波動カウントを改めます。それを以て強気相場は終了することになります。

【S&P500 長期エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
4月安値(4835) からのインターミディエイト級第(5)波は完了し、数年間にわたる調整となります。その過程で4月安値を大きく下回ることが予想されます。

(オルタナティブ・カウント)
今年2月からの第(4)波「ランニング・トライアングル」(A波~E波)中、B波の高値を付けたとみられます(B波の上げ幅は、A波の下げ幅に対しおよそ1.618です)。この見方通りなら、C波の下落がスタートしたことになります。C波は少なくともA波と同じ下げ幅になるとみられ、ここからは5600処が下値目標として導かれます。


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[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇はインターミディエイト級第(5)波の上昇に相当し、この第(5)波は26,182(10/29高値)を以て終わったかもしれません。それは2002年10月底を起点とする、プライマリー級の5波動(➀波~➄波)すべてが完了したことを意味します。
調整局面が始まったのであれば、それは今後おそらく数年間続く、長く大きなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中B波に当たります。これはS&P500のオルタナティブ・カウントと同様であり、遠からずC波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。


【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
22,673(8/1安値)からのマイナー級第5波は、26,182(10/29高値)を以て完成した可能性が高い、とみています。引き続き本格的なリスクオフ局面(弱気相場)への備えが必要です。

26,182から、第1波と第2波を繰り返す「ワン・ツー・ワン・ツー」パターンで下げているか、あるいは、マルii波が「フラット」を形成しているように思われます。25,579(マルi波の61.8%戻り)~25,663(11/12高値)への上昇余地はありますが、遠からず「サード・オブ・サード」か、マルiii波の大きな下降波が始まるとみられます。

ひとたび本格的なリスクオフ局面に入れば、ナスダック100は当面 [22,499~20,224]を目指し下落するでしょう。このレンジは、4月からの上昇に対し38.2%~61.8%押しです。

一方25,663(11/12高値)を終値で抜くと、上記の見通しはいったんキャンセルされます。
この場合の代替案は、23,854(11/21安値)から第5波による上昇が進行中というもので、ナスダック100はもう一度、最高値を更新するチャンスがあります。その動きを以て、4月からのラリーは完成することになるでしょう。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
16年半サイクルによれば、米ドル/円(ドル/円)は2028年4月頃まで「円高の時間帯」が続きます。この時間帯においてドル/円の上値は抑えられるでしょう。筆者は28年4月頃までのどこかの時点で、1ドル=125円~120円へのドル安・円高になる可能性をみています。

今月は一時157円台後半と、1月以来のドル高・円安水準となりました。この動きによりドル/円は、長期チャネル上限に達するとともに、昨年の円買い介入ゾーン(157円~161円)への突入をはたしました。

日米実質金利差から導かれるドル/円の水準は、現在1ドル=140円程度です。足元の日本円は金利差からみた妥当な水準よりも過小評価されています。そのような歪みはいずれ修正される(ドル安・円高方向への)可能性が高いでしょう。

ドル/円の上昇は既に限界を迎えたか、迎えつつあります。今後はドル安・円高トレンドへの転換が、いつ起きてもおかしくありません。

【週足 エリオット波動分析】 
24年9月安値(139.565円)から、第2波によるリバウンド局面とみています。この第2波は一見すると「フラット」(3-3-5)ですが、厳密には「ダブル・スリー」(ⓦ-ⓧ-ⓨ)というパターンです。

4月以来のドル高・円安ⓨ波は─158.825円を伺う必然性はありません─まもなく終了し、第3波によるドル安・円高が始まる見込みです。

第3波の下げ幅は、第1波の下げ幅の1.618倍程度になるでしょう。この前提から、第3波の目標値として120円台前半が導かれます。

【日足 エリオット波動分析】 
第2波リバウンドの内部波動構造は、ジグザグ(w)-トライアングル(x)-ジグザグ(y)となっています。そして第2波は157.849円(11/20)を以て終わったかもしれません。この見方は154.656円(12/1)を下回ることにより強化されます。


金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[140.671円]です。


投機筋の円買い持ち高は3週連続の縮小(2025年10月14日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の38.2億ドルから30.8億ドルへ縮小、今年2月以来8カ月ぶりの低水準となりました。円買い持ち高の縮小は3週連続です。



[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
A波の最終局面(マルiv波-マルv波)とC波の最終局面(□で囲った箇所)は相似しており(フラクタル)、A波完了後の持続的なドル高(当時は23年7月中旬~10月上旬まで12週間のドル高でした)が、再現されようとしています。

96.218(9/17)を以て22年高値からのジグザグ(A-B-C)は終わり、そこから大きなリバウンド局面(X)波が展開中です。

この(X)波の全容は「トリプル・ジグザグ」を想定しています。ターゲットは[101.550]付近です。11月21日には一時100.395に上昇、約半年ぶりドル高となりました。

[101.550]…C波のドル安に対する38.2%戻り水準

A波終了後にみられた持続的ドル高(ⓐ波)は、A波のちょうど半分を戻しました。今回も同様なら、遠からずC波の半値戻り水準[103.197]に達する可能性があります。

長期的にはドル安(Ⓑ波)基調は継続し、2026年には一段とドル安が強まるでしょう。
筆者は、ドル安Ⓑ波は短くとも2028年頃まで続くとみています。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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