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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※12月5日更新

2025/12/05 10:25

宮田レポート(短期アップデート)251205_miyata.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 46,000~52,500円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 45,000~48,000ドル
           (S&P500) 6500~7000
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 23,500~26,200
                                   (ナスダック総合) 21,500~24,000
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 140.000~158.500円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000


[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
今年4月7日安値(30,792.74円)を起点に、約7カ月間にわたって続いたインターミディエイト級第(5)波の上昇は、52,636円(11/4)を以て終了したとみられます。それと共に、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)から5年8カ月にわたるプライマリー第➂波も終了したと思われます。

この見方が正しければ、いまはプライマリー第➃波調整の初期段階に当たります。それは当面、2026年2月頃(※)へ向けて弱基調となるでしょう。

(※)週次サイクルの間隔(安値から安値)は42週程度です。これによると、現行サイクルの終了は、今年4月7週から42週程度を経過する2026年2月頃と想定できます。

プライマリー第➁波は18年10月高値(24,448円)から20年3月安値(16,358円)まで、17カ月間で通算33%下げました。パターンは「ジグザグ」でした。
「オルタネーション」により、第➃波はおそらく「トライアングル」「フラット」など保ち合いパターンを、今後数年間にわたって形成する可能性があります。

➃波の下値レンジに相応しいのは、第➂波中第(4)波領域[42,426円~30,792円]です。この領域は、11月高値から33%調整後の水準(35,266円)を含みます。

[TOPIX]
12月4日は一時3400まで上昇、11月13日の高値(3389)を上回り最高値を更新しました。
9月安値(3042)からの上昇第5波「エンディング・ダイアゴナル」中、マルv波による上昇が3200(11/5安値)から展開している、とカウントできます。このマルv波は三波構成(a)-(b)-(c)に細分されますが、3227(11/19安値)からは(c)波に位置付けられます。

TOPIXの強気相場はいつ終わってもおかしくありません。今後3227(11/19安値)を下回ると、強気相場から弱気相場へのトレンド転換が確認されます。

ひとたびトレンドが転換すると、1カ月~3カ月の内に3042(ダイアゴナル始点)へ下落する展開がありそうです。

ちなみにTOPIXは最高値を更新しましたが、その一方、日経平均はそうならないでしょう。このような「未確認」は、プライマリー第➃波という大きな調整の前兆になるでしょう。


[日経平均]
51,513円(11/11高値)から、第(ⅲ)波による下落が進行中とみられます。第(iii)波中最初の副次波としての第i波は48,235円(11/19安値)で終わり、そこからは(iii)-ii波によるリバウンドに位置付けられます。

このリバウンドは「フラット」(Ⓐ-Ⓑ-Ⓒ)とみられ、それは終わりつつあります。この見方が正しければ、まもなく(iii)-iii波(サード・オブ・サード)による急落局面を迎え、それは48,235円を大きく下回り、10月初旬のギャップ[45,778円~46,544円]を早々に埋めに行く展開となるでしょう。

その反面、51,513円を上回ると上記見通しはキャンセルされます。
この場合は48,235円をマルiv波と読み換えるべきでしょう。足元はマルv波の上昇にあり、➂波のピークに向けた動きは続いている、という読み筋になります。

[予想PER別の日経平均水準]
12月4日の日経平均予想PERは19.00倍、予想EPSは2685円です。過去最高の予想EPSは2694円(11/20)です。



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ 日足エリオット波動分析】 
4月安値・36,611ドルからの5波動による上昇は、48,431ドル(11/12高値)を以て完了した可能性があります。この最高値は、他の主要インデックスにより確認されない「未確認」であり、強気相場の終了を暗示しています。

45,728ドル(11/20安値)からのリバウンドはマルii波にカウントされますが、この見方が正しければ、まもなくマルiii波の下落ステージに相場は転換し、当面は200日MA(43,990ドル処)を試す展開が想定されます。

オルタナティブ・カウントは、45,728ドルから第5波による上昇が展開している、というものです。この場合は、大きな調整の前にもう一度、最高値を更新するでしょう。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
6920(10/29高値)を以て強気相場は終了した可能性があります。
6521(11/21安値)はヘッド・アンド・ショルダーズのネックラインであり、それを割るとリスクオフ局面に拍車がかかる可能性があります。この場合、当面は200日MA(6190処)への下値試しがありそうです。

一方6920を上回ると、6521を起点に第(5)波-第5波による上昇に入った、という風に波動カウントを改めます。それを以て強気相場は終了することになります。

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[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇はインターミディエイト級第(5)波の上昇に相当し、それは26,182(10/29高値)を以て終わったかもしれません。それは2002年10月底を起点とする、プライマリー級の5波動(➀波~➄波)すべてが完了したことを意味します。
調整局面が始まったのであれば、それは今後おそらく数年間続く、長く大きなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中B波であり、遠からずC波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。


【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
22,673(8/1安値)からのマイナー級第5波は、26,182(10/29高値)を以て完成した可能性が高い、とみています。引き続き本格的なリスクオフ局面(弱気相場)への備えが必要です。

26,182からの下落において、マルii波は「フラット」を形成しているように思われます。12月4日高値25,658は、節目の25,663(11/12高値)に急接近していますが、短期的にも大きな下落局面を迎える可能性があります。

ひとたび本格的なリスクオフ局面に入れば、ナスダック100は当面 [22,499~20,224]を目指し下落するでしょう。このレンジは、4月からの上昇に対し38.2%~61.8%押しです。

オルタナティブ・カウントは、23,854(11/21安値)から第5波による上昇が進行中というものです。この場合、ナスダック100はもう一度、最高値を更新するチャンスがあります。その動きを以て、4月からのラリーは完成することになるでしょう。



[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
16年半サイクルによれば、米ドル/円(ドル/円)は2028年4月頃まで「円高の時間帯」が続きます。この時間帯においてドル/円の上値は抑えられるでしょう。筆者は28年4月頃までのどこかの時点で、1ドル=125円~120円へのドル安・円高になる可能性をみています。

今月は一時157円台後半と、1月以来のドル高・円安水準となりました。この動きによりドル/円は、長期チャネル上限に達するとともに、昨年の円買い介入ゾーン(157円~161円)への突入をはたしました。

日米実質金利差から導かれるドル/円の水準は、現在1ドル=140円程度です。足元の日本円は金利差からみた妥当な水準よりも過小評価されています。そのような歪みはいずれ修正される(ドル安・円高方向への)可能性が高いでしょう。

ドル/円の上昇は既に限界を迎えたか、迎えつつあります。今後はドル安・円高トレンドへの転換が、いつ起きてもおかしくありません。

【週足 エリオット波動分析】 
24年9月安値(139.565円)から、第2波によるリバウンド局面とみています。この第2波は一見すると「フラット」(3-3-5)ですが、厳密には「ダブル・スリー」(ⓦ-ⓧ-ⓨ)というパターンです。

4月以来のドル高・円安ⓨ波は、既に終了したかしつつあり、まもなく第3波によるドル安・円高が始まる見込みです。

第3波の下げ幅は、第1波の下げ幅の1.618倍程度になるでしょう。この前提から、第3波の目標値として120円台前半が導かれます。

【日足 エリオット波動分析】 
第2波リバウンドの内部波動構造は、ジグザグ(w)-トライアングル(x)-ジグザグ(y)となっています。そして第2波は157.849円(11/20)を以て終わったかもしれません。

足元、149.375円(10/17)からの下部チャネルラインが試されているところです。週末値で154.500円を下回ると、サポートラインからの下放れ開始が確認されるでしょう。この場合、次は152.540円~151.540円を試す展開となりそうです。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[139.619円]です。


投機筋の円買い持ち高は4週ぶり拡大 (2025年10月21日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は4週ぶりに拡大。前週の30.8億ドルから57.6億ドルとなりました。



[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
96.218(9/17)からのリバウンド(X)波は、[101.550]「103.197」などへ上伸するとみていましたが、この見方が揺らぎ始めています。

日足チャートからは、(X)波は「ダブル・ジグザグ」までを完遂したことが伺え、あと1回のジグザグがあるかないかを見極めるべき局面です。

98.030(10/17安値)を維持する限り、ドル高継続の可能性は残ります。一方、98.030を一時的にも下回ると、それは2026年に予想される大きなドル安が既に始まったという暗示です。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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