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NZドルが軟調、豪ドル/NZドルは3月上旬以来の高値

2025/08/21 09:05

【ポイント】
RBNZは会合で0.50%利下げすることも検討し、政策金利見通しを下方修正
・米経済指標で市場のFRB金融政策見通しが変化するか

(欧米市場レビュー)

20日、欧米時間の外為市場ではNZドルが軟調に推移。一時NZドル/円は85.528円、NZドル/米ドルは0.58125米ドルへと下落し、豪ドル/NZドルは1.10629NZドルへと上昇。NZドル/円は6月3日以来、NZドル/米ドルは4月11日以来の安値をつけ、豪ドル/NZドルは3月6日以来の高値を記録しました。

RBNZ(NZ中銀)は0.25%の利下げを行うことを決定。それは市場予想どおりの結果だったものの、会合ではより大幅な0.50%利下げすることも検討され、またRBNZによる政策金利の見通しが5月時点から下方修正されました。それらが東京時間に続いてNZドルに対する下押し圧力となりました。

※詳しくは、20日の『デイリーフラッシュ』[【速報】RBNZ会合の結果発表後、NZドルが急落]をご覧ください。

スウェーデン中銀は政策金利を2.00%に据え置くことを決定しました。スウェーデン中銀は声明で、「(スウェーデンの)インフレ率は夏に予想以上に上昇して目標を若干上回ったが、この上昇は一時的な要因によるものだ」と指摘。経済活動は依然として低調との認識を示し、「25年中にさらなる利下げが行われる可能性が引き続きある」としました。

年内に開かれるスウェーデン中銀の会合は、9月23日・11月5日・12月18日。市場では、11月あるいは12月の会合で0.25%の追加利下げが行われるとの見方が優勢です。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の経済指標が多く発表されます。その結果に市場が反応しそうです。

主な経済指標の市場予想は以下のとおりです。
・先週分の新規失業保険申請件数:22.5万件
・8月S&Pグローバル製造業PMI(購買担当者景気指数):49.7
・8月S&Pグローバルサービス部門PMI:54.2
・8月フィラデルフィア連銀製造業景況指数:6.7

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は次回9月16-17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の利下げを行うとの見方が有力。CMEのFedWatchツールによると、米国時間14日時点で市場が織り込む9月FOMCでの利下げ確率は約8割です。

本日発表される米経済指標が市場予想と比べて全般的に強い結果になれば、FRBによる追加利下げ観測が一段と後退しそう。その場合には米ドルのプラス材料となり、米ドル/円や米ドル/カナダドルは堅調に推移し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは軟調に推移する可能性があります。

***

21-23日に、米ワイオミング州ジャクソンホールでカンザスシティ連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール会議)が開催されます。

今年のテーマは「移行期の労働市場:人口動態・生産性・マクロ経済政策」。現地時間22日8時(日本時間同日23時)からパウエルFRB議長が講演する予定です。

ジャクソンホール会議には世界中の中銀関係者が参加するため、米国だけでなくそれ以外の国・地域の金融政策についてのヒントも出てくる可能性があります。

※ジャクソンホール会議について詳しくは、『ファンダメポイント』の[ジャクソンホール会議、パウエルFRB議長は利下げを示唆するか(19日)][FOMC議事録:雇用統計前はやや「タカ派的」だったが・・・(21日)]をご覧ください。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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