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NZとスウェーデンの中銀会合、英CPIに注目!

2025/08/20 08:55

【ポイント】
・英CPIで市場のBOE金融政策見通しが変化するか
RBNZによる政策金利見通しはどうなるか
・スウェーデン中銀は追加利下げを示唆するか

(欧米市場レビュー)

19日、欧米時間の外為市場ではカナダドルが軟調に推移。一時米ドル/カナダドルは1.38645カナダドルへと上昇し、カナダドル/円は106.334円へと下落しました。カナダの7月CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回ったことを受けて、BOC(カナダ中銀)による追加利下げ観測が高まったことが、カナダドルの重石となりました。

OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む次回9月17日のBOC会合での利下げ確率はCPI発表前の3割程度から4割程度へと上昇しました。

カナダのCPIの結果は以下のとおり。( )は市場予想です。
・総合(前年比):1.7%(1.8%)
・トリム値(前年比):3.0%(3.1%)
・中央値(前年比):3.1%(3.1%)

は堅調。一時米ドル/円は147.442円、ユーロ/円は171.690円、豪ドル/円は95.107円、NZドル/円は86.884円へと下落しました。米株式市場でナスダックやS&P500が軟調に推移する中でリスクオン(リスク選好)が後退したことが、円の支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

英国の7月CPIが本日発表されます(日本時間15:00)。その結果に英ポンドが反応しそうです。

CPIの市場予想は総合が前年比3.7%、エネルギー・食品・酒・タバコを除いたコアが同3.7%。総合は前月の3.6%から上昇率が高まり、コアの上昇率は前月と同じになるとみられています。BOE(英中銀)のインフレ目標は2%です。

英国のCPIが市場予想を上回る結果になれば、BOE(英中銀)による追加利下げ観測が後退しそう。その場合には英ポンドが堅調に推移して、英ポンド/円は上値を試し、ユーロ/英ポンドは下値を試す展開になると考えられます。ユーロ/英ポンドは、7月8日安値の0.85876ポンドが下値メドです。

本日の『ファンダメ・ポイント』は[英国のインフレによりBOEの利下げは難しく?]です。

***

本日は、RBNZ(NZ中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間午前11時に発表され、その1時間後の12時からホークスビー総裁が会見する予定です。それらにNZドルが反応すると考えられます。

RBNZは24年8月から25年5月まで6会合連続合計2.25%の利下げを実施。前回7月9日の会合では短期的なインフレリスクなどを理由に政策金利を据え置く一方で、今後利下げを行う可能性に言及しました。

市場では、本日の会合で0.25%の利下げが決定されると予想されています。

その通りの結果になれば、RBNZの声明や会合の議事要旨、四半期に一度の金融政策報告の中で示される政策金利見通し、そしてホークスビー総裁の会見が材料になりそう。特に政策金利見通しや声明での先行きの金融政策に関する文言が前回から変化するかに注目です。

5月の金融政策報告では、政策金利は26年1-3月期までに2.85へと低下し、その水準で底に達するとの見通しが示されました。7月会合の声明では、「中期的なインフレ圧力が予想どおり引き続き緩和すれば、政策金利をさらに引き下げると予想している」とされました。

市場では、RBNZの利下げサイクルは終わりに近いとの観測があります。RBNZによる政策金利見通しなどがその観測を高める内容になれば、NZドルが堅調に推移しそうです。

***

スウェーデン中銀の政策会合が本日開かれます。会合の結果は日本時間16時30分に発表され、18時からテデーン総裁が会見する予定です。

スウェーデン中銀は24年5月に利下げを開始し、前回25年6月の会合まで7回、合計2%の利下げを実施。現在の政策金利は2.00%です。

本日の会合については、政策金利は据え置かれると予想されています。そのとおりの結果になれば、スウェーデン中銀の声明や総裁会見で先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるのかに注目です。

前回6月会合の声明では、「昨年から始まった(スウェーデンの)景気回復は勢いを失い、インフレ率は前回の予測よりも若干低くなるとみられる」、「政策金利の予測には、今年中にさらに利下げが行われる可能性が含まれている」、「インフレと経済活動の見通しは、金融政策の(さらなる)緩和を示唆している」などの認識が示されました。

スウェーデン中銀は12月末までに追加
利下げを行うとの観測が市場にはあります。声明などがその観測を高める内容になれば、スウェーデンクローナにとってマイナス材料になりそう。その場合、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは堅調に推移する可能性があります。

本日の『テクニカル・ポイント』は[ノックセック、スウェーデン中銀会合結果が相場動意となるか]です(お客様専用ページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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