マネースクエア マーケット情報

米長期金利の動向に注目、RBA議事録に豪ドルが反応も!?

2025/07/22 09:02

【ポイント】
・米長期金利が一段と低下するか
RBA議事録で市場の豪利下げ観測が変化するか

(欧米市場レビュー)

21日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は147.072円、米ドル/カナダドルは1.36734カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.17111ドル、英ポンド/米ドルは1.35049ドルへと上昇しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下したことが米ドルの重石となりました。

は堅調。一時ユーロ/円は171.897円、英ポンド/円は198.490円、豪ドル/円は96.051円、NZドル/円は87.889円へと下落しました。参院選では、自民党・公明党の連立与党の議席が非改選を含めて過半数を割り込みました。ただ、参院選前に連立与党の苦戦を織り込んで円安が進んでいたため、いったんの材料出尽くし感から円が買い戻されたと考えられます。

本日の『ファンダメ・ポイント』は、[米ドル/円は「円」の材料次第!?]です。

(本日の相場見通し)

本日は日米欧の主要な経済指標の発表はなく、米国の長期金利の動向が材料になりそうです。

21日の米債券市場で長期金利は前週末比0.04%低下(国債価格は上昇)し、4.38%で取引を終えました。ポジション調整が中心との見方があります。

米長期金利が一段と低下する場合、米ドルが軟調に推移しそう。米ドル/円や米ドル/カナダドルは下落し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上昇すると考えられます。米ドル/カナダドルは、6月16日安値の1.35388カナダドルが下値メドです。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、国内政局の不透明感惹起もあり下落!]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

***

RBA(豪中銀)議事録が本日公表されます(日本時間10:30)。今回の議事録は7月7-8日の会合のもので、その時は市場の利下げ予想に反して政策金利は据え置かれました。

次回8月11-12日のRBA会合で0.25%の利下げが行われるとの見方が市場では大勢。OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む8月会合の利下げ確率は9割超です(日本時間22日08:30時点)。

議事録の注目点は、RBAの追加利下げのタイミングについて、8日のRBA声明やブロック総裁の会見以上の手掛かりが提供されるかどうか。仮に議事録によって8月の利下げ観測が市場で後退するようなら、豪ドルが堅調に推移しそうです。

7月7-8日のRBA会合における声明やブロック総裁の会見は、主に以下のような内容でした。

<声明>
・政策金利を据え置くことについて「インフレ率が持続可能な形で(目標中間値の)2.5%に到達する軌道にあることを確認するため、もう少し情報を待つことができると判断した」
・「インフレに関するリスクはより均衡し、労働市場は引き続き堅調だと判断している」
・「総需要と総供給の両面で不確実性が高まっていることから、先行きについては慎重な姿勢を維持する」
・「国際情勢が豪州の経済活動とインフレに重大な影響を及ぼす場合、金融政策は断固として対応できる態勢にある」

<ブロック総裁の会見>
・「RBAは金融緩和の道筋にあり、問題は(追加利下げの)タイミング」
・「インフレ率が引き続き鈍化すれば政策金利を引き下げるだろう」

***

FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長やボウマン副議長の発言機会が本日あるものの、FRBは7月29-30日のFOMC(米連邦公開市場委員会)前のブラックアウト期間(金融政策についての発言を控える期間)に入っています。パウエル議長やボウマン副議長の発言は材料にならないかもしれません。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ