参院選、連立与党の過半数割れでどうなる?
2025/07/21 06:29
【ポイント】
・参院選で連立与党は過半数割れが確実
・21日アジア時間に円は主要通貨に対して堅調
・7月は円安が進行したため、いったん材料出尽くしか
・今週は、日本の政局の他にもECB理事会や東京CPI、通商交渉に注目
(欧米市場レビュー)
18日の欧米時間の外為市場で、円が主要通貨に対して下落。20日の参院選の行方が不透明なことが引き続き重石となりました。日本時間朝に発表された6月全国CPIは総合、生鮮食品を除くコアともに前年比3.3%。いずれも7カ月連続で3%を上回りましたが、市場は反応薄。10年物国債利回りはむしろ低下しました。
米ドルも軟調。FRBのウォラー理事がメディアで7月29-30日のFOMCで利下げを支持すると発言したことを受けて、利下げ観測が高まり長期金利が低下しました。ウォラー理事はパウエル議長の後任候補として名前が挙がっています。
ミシガン大学消費者調査でインフレ期待が低下したことも金利低下の材料となりました。ミシガン大学のインフレ期待は、1年先が4.4%、5-10年先が3.6%と、それぞれ前月の5.0%、4.0%から低下しました。
18日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は9月FOMCでの利下げ観測を63%織り込んでいます(7月では6%)。前日の織り込みは55%でした。
米利下げ観測が高まったことで、NZドルや南アフリカランドなどの資源・新興国通貨が比較的堅調でした。
(今週の相場材料)
20日に実施された参院選で、自公連立与党の過半数割れが確実な情勢です。
参院選の情勢を受けて21日(日本時間午前4時~)のアジア市場では、米ドル/円が前週末に比べやや円高で取引が始まっています。米ドル/円は7月に入って下落基調だったため、選挙結果をにらんでいったん材料出尽くしとなったのかもしれません。アジア時間に続く欧米時間に海外投資家がどう反応するか興味深いところでしょう。
日本の政局は引き続き不透明です。石破首相は続投を表明していますが、連立の拡大や事案ごとの野党協力は不可欠です。自民党内から辞任を求める声が強まる可能性や野党が内閣不信任決議案を提出する可能性もあります。市場は、政局がどうなるか、それによって財政や通商を中心とした経済政策がどうなるかを見守ることになりそうです。
24日にTCMB(トルコ中銀)の政策会合とECB理事会が開催されます。ECB理事会の結果は、米FOMC(7/29-30)や日銀会合(7/30-31)の見通しに影響を与えるかもしれません。
TCMBは利下げが確実視されており、注目は利下げ幅。主要政策金利の1週間レポ金利は現在の46.00%から43.5%に引き下げられるとの見方が有力なようです。
ECBは前回6月の理事会で政策金利(中銀預金金利)を2.00%まで引き下げており、追加利下げの余地は小さくなっています。今回は据え置きがほぼ確実視されていますが、声明やラガルド総裁の会見で追加利下げの可能性がどこまで示されるかが注目されます。18日時点のOISによれば、市場は26年6月までに0.25%×1回の利下げを織り込んでいます。早ければ9月、そうでなくても25年末までに利下げがあるとの見方が有力です。もっとも、市場は26年6月までに2回以上の利下げをほとんど想定していないようです。
今週は、NZ、南アフリカ、日本(東京都区部)のCPIが発表されます。7月東京都区部CPIは8月22日発表の全国CPIの前哨戦的位置付けです。全国CPIは総合、生鮮食品を除くコアとも6月まで7カ月連続で3.0%以上を記録しており、日銀の利上げ観測をサポートする材料になっています。
今週末25日の時点で米国の相互関税(上乗せ分)発動まで残り1週間となります。それまでに米国と各国との通商交渉で何らかの進展はあるのか。それともトランプ大統領はTACO(トランプ大統領はいつも尻込みする)の指摘に反発して関税を発動するのか。こちらも大いに注目されます。
※本日は日本が休日のため、外為市場では参加者が減少して流動性が低下します。突発的なニュースや仕掛け的な動きが出てきた場合には値動きが増幅する可能性があり、注意は必要です。
・参院選で連立与党は過半数割れが確実
・21日アジア時間に円は主要通貨に対して堅調
・7月は円安が進行したため、いったん材料出尽くしか
・今週は、日本の政局の他にもECB理事会や東京CPI、通商交渉に注目
(欧米市場レビュー)
18日の欧米時間の外為市場で、円が主要通貨に対して下落。20日の参院選の行方が不透明なことが引き続き重石となりました。日本時間朝に発表された6月全国CPIは総合、生鮮食品を除くコアともに前年比3.3%。いずれも7カ月連続で3%を上回りましたが、市場は反応薄。10年物国債利回りはむしろ低下しました。
米ドルも軟調。FRBのウォラー理事がメディアで7月29-30日のFOMCで利下げを支持すると発言したことを受けて、利下げ観測が高まり長期金利が低下しました。ウォラー理事はパウエル議長の後任候補として名前が挙がっています。
ミシガン大学消費者調査でインフレ期待が低下したことも金利低下の材料となりました。ミシガン大学のインフレ期待は、1年先が4.4%、5-10年先が3.6%と、それぞれ前月の5.0%、4.0%から低下しました。
18日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は9月FOMCでの利下げ観測を63%織り込んでいます(7月では6%)。前日の織り込みは55%でした。
米利下げ観測が高まったことで、NZドルや南アフリカランドなどの資源・新興国通貨が比較的堅調でした。
(今週の相場材料)
20日に実施された参院選で、自公連立与党の過半数割れが確実な情勢です。
参院選の情勢を受けて21日(日本時間午前4時~)のアジア市場では、米ドル/円が前週末に比べやや円高で取引が始まっています。米ドル/円は7月に入って下落基調だったため、選挙結果をにらんでいったん材料出尽くしとなったのかもしれません。アジア時間に続く欧米時間に海外投資家がどう反応するか興味深いところでしょう。
日本の政局は引き続き不透明です。石破首相は続投を表明していますが、連立の拡大や事案ごとの野党協力は不可欠です。自民党内から辞任を求める声が強まる可能性や野党が内閣不信任決議案を提出する可能性もあります。市場は、政局がどうなるか、それによって財政や通商を中心とした経済政策がどうなるかを見守ることになりそうです。
24日にTCMB(トルコ中銀)の政策会合とECB理事会が開催されます。ECB理事会の結果は、米FOMC(7/29-30)や日銀会合(7/30-31)の見通しに影響を与えるかもしれません。
TCMBは利下げが確実視されており、注目は利下げ幅。主要政策金利の1週間レポ金利は現在の46.00%から43.5%に引き下げられるとの見方が有力なようです。
ECBは前回6月の理事会で政策金利(中銀預金金利)を2.00%まで引き下げており、追加利下げの余地は小さくなっています。今回は据え置きがほぼ確実視されていますが、声明やラガルド総裁の会見で追加利下げの可能性がどこまで示されるかが注目されます。18日時点のOISによれば、市場は26年6月までに0.25%×1回の利下げを織り込んでいます。早ければ9月、そうでなくても25年末までに利下げがあるとの見方が有力です。もっとも、市場は26年6月までに2回以上の利下げをほとんど想定していないようです。
今週は、NZ、南アフリカ、日本(東京都区部)のCPIが発表されます。7月東京都区部CPIは8月22日発表の全国CPIの前哨戦的位置付けです。全国CPIは総合、生鮮食品を除くコアとも6月まで7カ月連続で3.0%以上を記録しており、日銀の利上げ観測をサポートする材料になっています。
今週末25日の時点で米国の相互関税(上乗せ分)発動まで残り1週間となります。それまでに米国と各国との通商交渉で何らかの進展はあるのか。それともトランプ大統領はTACO(トランプ大統領はいつも尻込みする)の指摘に反発して関税を発動するのか。こちらも大いに注目されます。
※本日は日本が休日のため、外為市場では参加者が減少して流動性が低下します。突発的なニュースや仕掛け的な動きが出てきた場合には値動きが増幅する可能性があり、注意は必要です。
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