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米国の4月歳入は過去2番目の大きさながら、財政赤字は高水準

2025/05/13 08:14

【ポイント】
・4月は関税収入が増加も、年間の財政赤字は2兆ドル超
・減税を含む予算調整法案の成立は7月ごろか

米国の4月の歳入は8,501億ドルと、22年4月(8,636億ドル)についで過去2番目の大きさとなりました。例年4月は納税期にあたるため所得税収が増えますが、今年は関税収入の増加も目立ちました。4月の関税収入は156億ドルと、前年64億ドルの2.4倍に達しました。相互関税の交渉次第ですが、今後も関税収入は高水準を続ける可能性があります。

もっとも、今年4月までの1年間の財政収支は2兆264億ドルの赤字。コロナショックでリセッション(景気後退)のあった20年ごろよりも少ないものの、景気拡大が続いているなかでは高水準と言えるでしょう。

米財政収支

議会は、今年末で失効する17年トランプ減税の延長法人税率の引き下げなどのパッケージを審議中です。下院は、5月26日のメモリアルデーまでに減税を実現するための予算調整法案の可決を目指しています。ただ、共和党内でも意見の隔たりがあり、もう少し時間がかかるかもしれません。

予算調整法案にはデットシーリング(債務上限)の引き上げが含まれています。財務省は現在、非常手段を用いて政府債務の増加を抑制していますが、8月には限界が来るとみられています。ベッセント財務長官は7月中旬までのデットシーリング引上げを求めており、減税を含む予算調整法案の成立はその辺りが現実的なようです。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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