FOMC、米中貿易交渉関連のニュースに注目!
2025/05/07 08:44
【ポイント】
・米中貿易交渉開始への期待で米ドルや豪ドル、NZドルが堅調
・FRB議長の会見では米景気やインフレ、金融政策についてどのような見解が示されるか
・CPIでスウェーデン中銀の政策金利据え置き観測は補強されるか
(欧米市場レビュー)
6日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は142.341円、米ドル/カナダドルは1.37456カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.13758ドル、豪ドル/米ドルは0.64959米ドルへと上昇。米ドル/カナダドルは24年10月上旬以来およそ7カ月ぶりの安値をつけ、豪ドル/米ドルは同年12月上旬以来およそ5カ月ぶりの高値を記録しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下したことが、米ドルの重石となりました。
(本日の相場見通し)
米財務省とUSTR(米通商代表部)は米東部時間6日午後(日本時間7日午前)、「ベッセント財務長官とグリアUSTR代表が今週、スイスで中国の経済担当高官と会談する」と発表しました(その後、ベッセント長官は10-11日に会談すると述べました)。
これを受けて米中貿易交渉開始への期待が市場で高まり、米ドルや豪ドル、NZドルが堅調に推移しています。豪州やNZは中国を最大の輸出先としていることから、豪ドルやNZドルは中国関連のニュースに反応しやすい傾向があります。
米中貿易交渉やトランプ関税について追加的なニュースが出てくれば、市場が反応しそう。仮に米中貿易交渉開始への期待が市場で一段と高まる場合、米ドルや豪ドル、NZドルは引き続き堅調に推移すると考えられます。
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FRB(米連邦準備制度理事会)は本日、FOMC(米連邦公開市場委員会)を開きます。FOMCの結果は日本時間8日午前3時に発表され、同午前3時30分からパウエルFRB議長が会見します。それらに市場が反応しそうです。
FRBは政策金利を現行の4.25~4.50%に据え置くと市場は予想しています。
その通りの結果になれば、FOMCの声明やパウエル議長の会見が材料になりそう。これらでは、米国の景気やインフレ、先行きの金融政策についてどのような見解が示されるのかに注目です。パウエル議長は4月16日の講演で「(トランプ政権の)関税率は想定を大きく上回っており、インフレ押し上げや景気下押しなどの経済効果もその分大きくなりそうだ」、「当面は、政策スタンスの調整(追加利下げ)を検討する前に、より明確な状況が明らかになるまで待つことができる」などと述べました。
市場では、次回6月17-18日のFOMCで0.25%の追加利下げが行われるとの観測があります。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む利下げ確率は、本日が約3%、次回までで約4割です(日本時間07:22時点)。
声明やパウエル議長の会見によって次回FOMCでの追加利下げ観測が高まる場合、米ドルのマイナス材料になりそう。米ドル/円や米ドル/カナダドルには下落圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには上昇圧力が加わると考えられます。英ポンド/米ドルは、4月29日高値の1.34379ドル超えを試すかもしれません。
※本日の『ファンダメ・ポイント』は、[米FOMCプレビュー:キーワードは「不確実性」と「インフレ圧力」!?]です。
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スウェーデンの4月CPI(消費者物価指数)速報値が本日発表されます(日本時間15:00)。
CPIの市場予想は前年比0.5%、住宅ローン金利の変動の影響を除外したCPIFが同2.5%。CPIFの上昇率は前月の2.3%から高まり、スウェーデン中銀のインフレ目標である2%を4カ月連続で上回るとみられています。
スウェーデン中銀は24年5月以降、6回(合計1.75%)の利下げを行いました。前回3月の会合では政策金利を2.25%に据え置き、「今後もこの水準にとどまると考えている」としました。
市場では、次回5月8日の会合で政策金利は据え置かれるとの見方が優勢です。CPIが市場予想を上回る結果になれば、この見方が補強されてスウェーデンクローナのプラス材料になる可能性があります。
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