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米PCEデフレーターに市場が反応か、メキシコ中銀は0.50%利下げ決定

2025/03/28 09:31

【ポイント】
・米PCEデフレーターで市場のFRB追加利下げ観測がどう変化するか
・トランプ政権の関税について新たな報道が出てくるか
・メキシコ中銀は5月も0.50%利下げする可能性を示す

(欧米市場レビュー)

27日、欧米時間の外為市場ではが軟調に推移。米ドル/円は一時151.109円へと上昇し、3日以来およそ3週間ぶりの高値を記録。ユーロ/円は163.303円、豪ドル/円は95.333円、NZドル/円は86.799円へと上昇する場面がありました。米国の長期金利(10年物国債利回り)の上昇が米ドル/円の支援材料となり、豪ドル/円などのクロス円は米ドル/円の上昇にけん引されたと考えられます。

ノルウェークローネは堅調。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時0.95481スウェーデンクローナへと上昇しました。ノルウェー中銀が利下げを見送ったことが、ノルウェークローネのプラス材料になったとみられます。

※ノルウェー中銀会合について詳しくは、「ノルゲバンクは利下げを先送り、リクスバンクとの政策金利差はやがて縮小へ]をご覧ください。

BOM(メキシコ中銀)は0.50%利下げすることを決定したものの、メキシコペソに大きな動きはみられませんでした。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の2月PCE(個人消費支出)デフレーターが発表されます(日本時間21:30)。この結果に市場が反応しそうです。

PCEデフレーターの市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
<総合>
・前月比:0.3%(0.3%)
・前年比:2.5%(2.5%)
<コア>
・前月比:0.3%(0.3%)
・前年比:2.7%(2.6%)

FRB(米連邦準備制度理事会)は6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加利下げを行うとの観測があります。CMEのFedWatchツールによると、米国時間27日時点で市場が織り込むFRBの利下げ観測は、次回5月6-7日のFOMCで約12%、次々回6月17-18日のFOMCまでで約65%です。

PCEデフレーターが市場予想を下回る結果になれば、FRBの追加利下げ観測は一段と強まりそうです。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルには下落圧力が、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルには上昇圧力が加わるとみられます。

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トランプ政権による関税について新たな報道が出てくれば、材料になりそうです。その場合、関税を課される対象となる国の通貨には下落圧力が加わるかもしれません。

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BOM(メキシコ中銀)は27日に政策会合を開き、0.50%の利下げを行うことを決定。政策金利を9.50%から9.00%へと引き下げました。利下げは6会合連続で、24年3月以降で7回目。0.50%の利下げは5人の政策メンバー全員一致で決定されました。

BOMは声明で0.50%の利下げについて、インフレ見通しと現行金融引き締め度合いを考慮したと説明しました。また、次回5月15日の会合で0.50%の追加利下げを行う可能性が示されました。

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BOMの声明では「メキシコ経済は25年1-3月期に再び低迷すると予想され、(先行き)不確実な環境と貿易摩擦が大きな下振れリスクをもたらしている」との見方が示されました。

声明はまた、「ディスインフレのプロセスが引き続き順調に進んでいる」と評価。「インフレ見通しに変更はなく、総合のCPI(消費者物価指数)上昇率は26年7-9月期に目標の3%に収束すると予想される」としつつ、「予測期間内のインフレの軌道に対するリスクバランスは依然として上方に傾いているものの、改善している」と指摘。ただし、「米国の新政権による経済政策の変更により、予測の不確実性が高まっている」としました。

先行きの金融政策については「今後も金融政策スタンスの調整を継続し、同程度の規模での調整を検討する可能性がある」と前回と同じ文言が使われました(追加利下げの予告?)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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