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主要国の株価動向や米長期金利の動向に注目

2025/02/24 09:14

【ポイント】
・主要国の株価が軟調に推移する場合、リスクオフが一段と強まる可能性も
・米長期金利がさらに低下すれば、米ドルにとってマイナスになりそう
・ドイツ政治が不安定になる場合、ユーロは上値が重くなりそう
・メキシコCPIBOMの大幅利下げ観測が強まるか

(欧米市場レビュー)

21日、欧米時間の外為市場ではが全面高の展開。米ドル/円は一時148.916円へと下落し、24年12月3日以来およそ2カ月半ぶりの安値を記録。ユーロ/円は155.800円、豪ドル/円は94.595円、NZドル/円は85.436円へと下落する場面がありました。米国の主要な株価指数が総じて大幅安となるなか、リスクオフ(リスク回避)が強まったことが、円の支援材料となりました。

米ドル/については、米国の経済指標の軟調な結果や米長期金利(10年物国債利回り)が低下したことも下押し圧力となりました。

米経済指標の結果は以下の通り。( )は市場予想です。
・2月S&Pグローバル製造業PMI(購買担当者景気指数)速報値:51.6(51.5)
・同サービス業PMI速報値:49.7(53.0)
・2月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値:64.7(67.8)
・1月中古住宅販売件数:年率換算408万件(413万件)

22日の『デイリーフラシュ』は[【速報】米ドル/円は一時148円台を示現、3連休明けに要注意!!]です。

米ドルも対円を除いて堅調。一時米ドル/カナダドルは1.42307カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.04491ドル、英ポンド/米ドルは1.26193ドル、豪ドル/米ドルは0.63507米ドルへと下落しました。円と同様にリスクオフが米ドルの支援材料になったと考えられます。

ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時0.95500スウェーデンクローナへと下落し、24年9月12日以来およそ5カ月ぶりの安値を記録。原油価格の下落がノルウェークローネにとってマイナスになったとみられます。

原油価格の代表的な指標であるWTI原油先物の4月物は、前日比2.08ドル安(-2.87%)の1バレル=70.40ドルで取引を終了。中心限月の清算値(終値に相当)としては、24年12月26日以来およそ2カ月ぶりの安値をつけました。

(本日の相場見通し)

本日は米国の主要な経済指標の発表はなく、主要国の株価米長期金利の動向が材料になりそうです。

21日の米株式市場では主要な3株価指数が総じて大幅に下落。ダウは前日比748.69ドル安(-1.69%)の43,428.02ドル、ナスダックは同438.35ポイント安(-2.20%)の19,524.01ポイント、S&P500は同104.39ポイント安(-1.71%)の6,013.13ポイントで取引を終えました。S&Pグローバルサービス業PMI速報値など米経済指標が軟調な結果だったことが、米国株の下落要因となったようです。

米国など主要国の株価が本日軟調に推移すれば、リスクオフ(リスクオフ)が一段と強まるかもしれません。その場合にはが堅調に推移し、とりわけユーロ/円や豪ドル/円などのクロス円が下押しする可能性があります。

米長期金利の動向にも注目です。米長期金利は21日に一時4.40%へと低下し、およそ2週間ぶりの低い水準をつけました。米経済指標の軟調な結果が米長期金利の低下要因になりました。米長期金利が一段と低下する場合、米ドルにとってマイナスになりそうです。

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ドイツでは23日に総選挙行われました。地元メディアによると、最大野党の「CDU/CSU(キリスト教民主/社会同盟)」が第1党、「AfD(ドイツのための選択肢)」が第2党となり、ショルツ首相の与党「SPD(社会民主党)」は第3党に後退したようです。

CDUのメルツ党首は23日夜(現地時間)に勝利を宣言。CDU/CSUは今後他党と連立協議を行うとみられ、地元メディアは連立協議の相手としてSPDや緑の党を挙げています。連立協議が難航するなどしてドイツ政治が不安定になる場合、ユーロの上値を抑える要因になるかもしれません。

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メキシコの2月前半CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間21:00)。この結果にメキシコペソが反応する可能性があります。

CPIの市場予想は、総合指数が前年比3.74%、食品・エネルギー・農畜産物を除いたコア指数が同3.61%です。総合指数の上昇率は1月前半の3.69%から高まるものの、コア指数の上昇率は1月前半の3.72%から鈍化するとみられています。BOM(メキシコ中銀)のインフレ目標は3%(2~4%が許容レンジ)です。

BOMは7日の政策会合で0.50%の利下げを行うことを決定。政策金利を10.00%から9.50%へと引き下げました。その時の声明では、「インフレ環境は、(景気)抑制的な金融政策スタンスを維持しつつも、利下げサイクルの継続を可能にすると予想している」とし、「同程度の調整を検討する可能性がある」と表明。次回3月27日の会合でも0.50%の利下げが行われる可能性を示しました。

2月前半のCPIが市場予想を下回る結果になれば、次回会合での0.50%の利下げ観測が市場で一段と強まる可能性があります。0.50%の利下げ観測が強まる場合、メキシコペソが軟調に推移しそうです。

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本日は日本が休日のため、外為市場では参加者が減少して流動性が低下します。突発的なニュースや仕掛け的な動きが出てきた場合には値動きが増幅する可能性があり、注意は必要です。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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